令和6年2月の作業環境測定士試験 デザイン・サンプリング 問6は、有害物質の物性に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、測定対象になる物質の基本的な性質をまとめて問うものです。
問われているのは、けい酸化合物が遊離けい酸かどうか(石英・正長石)、有機溶剤どうしの極性の高低(アセトンとn-ヘキサン)、そして物質の気体の密度や常温での状態です。
引っかけの核心は、フッ化水素の気体が空気より重いと思い込ませるところにあります。
気体が空気より重いか軽いかは、分子量を空気の平均分子量と比べれば判断できます。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢2(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 石英は二酸化けい酸が結晶化したもので、遊離けい酸にあたるので正しい。粉じんの管理濃度を左右する成分。 |
| 2 | ×(誤り) | フッ化水素の気体の密度を空気より大きいとするのが誤り。分子量が約20で空気の約29より小さく、密度は空気より小さい(軽い)。 |
| 3 | ○(正しい) | コールタールは石炭の乾留で得られる黒い油状の混合物で、常温・常圧で液体なので正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | 正長石はけい酸とアルミニウム・カリウムが結合したけい酸塩鉱物で、けい酸が単独で存在する遊離けい酸ではないので正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | アセトンはカルボニル基を持つ極性溶剤、n-ヘキサンは無極性の炭化水素なので、極性はアセトンの方が高く正しい。 |
気体が空気より重いか軽いかは、その気体の分子量を空気の平均分子量である約29と比べれば判断できます。
分子量が29より大きければ空気より重く、小さければ空気より軽くなります。
フッ化水素(HF)は、水素の原子量約1とフッ素の原子量約19を合わせた分子量が約20です。
空気の約29より小さいので、フッ化水素の気体の密度は空気より小さく、空気より軽いことになります。
選択肢2はこれを「空気より大きい(重い)」と逆向きに述べているため誤りです。
空気より重いガスだと思い込むと、低い場所にたまりやすいと誤解し、捕集位置や換気の判断を見誤る危険につながります。
分子量を29と比べる、という一手で向きを取り違えずに済みます。
問題:フッ化水素の気体は、空気より重いといえるか。
いいえ。フッ化水素は分子量が約20で、空気の平均分子量約29より小さいため、気体の密度は空気より小さく、空気より軽くなります。
問題:石英と正長石は、どちらも遊離けい酸といえるか。
石英は二酸化けい酸の結晶で遊離けい酸にあたります。一方、正長石はけい酸が金属と結合したけい酸塩鉱物で、けい酸が単独で存在していないため遊離けい酸ではありません。
出典
※ 最終更新:2026年6月