編集部
官能基の構造式や水溶性で引っかかりますよね。カルボキシ基-COOHは酸性、アミノ基-NH₂は塩基性。トルエンやベンゼンは無極性で水に溶けにくいです。
この記事の要点
官能基は形と性質がセットになります。カルボキシ基-COOH(カルボン酸・酸性)、アミノ基-NH₂(アミン・塩基性)、ヒドロキシ基-OH、アルデヒド基-CHO、エーテル基-O-、アゾ基-N=N-。
フェノールは弱酸性、アニリンは弱塩基性、トルエンやベンゼンは水に溶けにくい(無極性)。エタノールの酸化でアセトアルデヒド・酢酸が生じます。
分析の対象物質は有機化合物が多く、その官能基や性質は分析に関する概論の問3でほぼ毎年問われます。
官能基の構造式、酸性・塩基性、水への溶けやすさの取り違えが引っかけの中心です。
カルボキシ基-COOHは酸性、アミノ基-NH₂は塩基性。トルエン・ベンゼンは無極性で水に溶けにくいです。
| 官能基 | 構造 | 例・性質 |
|---|---|---|
| ヒドロキシ基 | -OH | アルコール、フェノール |
| カルボキシ基 | -COOH | カルボン酸(酢酸・プロピオン酸)。酸性 |
| アルデヒド基 | -CHO | アセトアルデヒドなど |
| カルボニル基 | -CO-(>C=O) | ケトン(アセトン) |
| エーテル基 | -O- | ジメチルエーテルなど |
| アミノ基 | -NH₂ | アミン(アニリン)。塩基性 |
| ニトリル基 | -CN | アクリロニトリルなど |
| アゾ基 | -N=N- | アゾ化合物(染料など) |
引っかけの定番は、アゾ基を-NH₂とする(-NH₂はアミノ基、アゾ基は-N=N-)、エーテルをCO基とする(エーテルは-O-、COはカルボニル)です。
「トルエンは水によく溶ける」「ベンゼンの水への溶解度はクロロホルムへの溶解度より大きい」とするのは誤りです(いずれも無極性で水に溶けにくい)。
混同しやすいところ
アゾ基 と アミノ基
アゾ基は-N=N-、アミノ基は-NH₂です。構造式を取り違えないようにします。
フェノール の液性
フェノールは弱酸性です(アルカリ性ではありません)。アニリンは弱塩基性です。
水溶性 と 無極性
トルエン・ベンゼンは無極性で水に溶けにくく、有機溶媒に溶けやすいです。アセトン・酢酸は水によく溶けます。
有機化合物は、分析に関する概論の問3で6回連続(令和5年8月〜令和8年2月)出題されています。官能基・液性・溶解性・酸化が中心です。
| 年度 | 問 | 問われ方・引っかけ |
|---|---|---|
| 令和8年2月 | 問3 | 「トルエンは水によく溶ける」とした選択肢が誤り(無極性で水に難溶)。 |
| 令和7年8月 | 問3 | アゾ基の構造を「-NH₂」とした選択肢が誤り(-N=N-)。 |
| 令和7年2月 | 問3 | 「ベンゼンの水への溶解度はクロロホルムへの溶解度より大きい」とした選択肢が誤り。 |
| 令和6年8月 | 問3 | 「ジメチルエーテルは酢酸の酸化で得られる」とした選択肢が誤り。 |
| 令和6年2月・令和5年8月 | 問3 | 「エーテルはCO基をもつ」「フェノールの水溶液はアルカリ性」とした選択肢が誤り。 |
引っかけは次の型に整理できます。
カルボキシ基-COOHは酸性、アミノ基-NH₂は塩基性、アゾ基は-N=N-。フェノールは弱酸性、トルエン・ベンゼンは水に難溶です。
問題:トルエンは水によく溶ける。
〇か×か。
答え:×
トルエンは無極性で水に溶けにくく、有機溶媒に溶けやすい物質です(令和8年2月 分析概論 問3の論点)。
問題:アゾ基の構造式は-NH₂である。
〇か×か。
答え:×
アゾ基は-N=N-です。-NH₂はアミノ基です(令和7年8月 分析概論 問3の論点)。
問題:フェノールの水溶液はアルカリ性を示す。
〇か×か。
答え:×
フェノールの水溶液は弱酸性です。塩基性を示すのはアニリンなどのアミンです(令和5年8月 分析概論 問3の論点)。
官能基は形と性質がセットになります。カルボキシ基-COOHは酸性、アミノ基-NH₂は塩基性、アゾ基は-N=N-。
フェノールは弱酸性、アニリンは弱塩基性、トルエン・ベンゼンは無極性で水に溶けにくい。エタノールの酸化でアセトアルデヒド・酢酸が生じます。
問3で毎年問われる引っかけは、官能基の構造式、液性、溶解性、酸化生成物です。
参考資料
※ 最終更新:2026年6月
酸化で生じる物質
アルコールの酸化は頻出です。エタノール → アセトアルデヒド → 酢酸、イソプロピルアルコール → アセトン、トルエン → 安息香酸、フェノール → キノン。「ジメチルエーテルは酢酸の酸化で得られる」のような誤った組合せに注意します。