編集部
「圧力を基本単位で書くと?」と聞かれると固まりますよね。力(N)が m·kg·s⁻²、圧力(Pa)はそれを面積で割るので m⁻¹·kg·s⁻²。組立単位は基本単位の組み合わせで導けます。
この記事の要点
SI基本単位はメートル(m)・キログラム(kg)・秒(s)・アンペア(A)・ケルビン(K)・モル(mol)・カンデラ(cd)の7つです。
主な組立単位は、圧力Pa=m⁻¹kg s⁻²、エネルギーJ=m²kg s⁻²、電荷C=s A、気体定数=J K⁻¹ mol⁻¹。換算は25℃=約298K、1L=1×10⁻³m³、760mmHg=約101.3kPaです。
分析では、測定値を正しい単位で扱うことが基礎になります。分析に関する概論の問1では、物理量とSI単位の組合せや単位換算がほぼ毎年問われます。
基本単位の組み合わせを問う、計算問題に近い論点です。
力N=m kg s⁻²を基準に、圧力Pa=m⁻¹kg s⁻²、エネルギーJ=m²kg s⁻²と導けます。気体定数はJ K⁻¹ mol⁻¹です。
| 量 | 単位 | 記号 |
|---|---|---|
| 長さ | メートル | m |
| 質量 | キログラム | kg |
| 時間 | 秒 | s |
| 電流 | アンペア | A |
| 熱力学温度 | ケルビン | K |
| 物質量 | モル | mol |
| 光度 | カンデラ | cd |
組立単位は、定義式から基本単位の組み合わせで導けます。
| 量(単位) | 基本単位による表現 | 導き方 |
|---|---|---|
| 力(N) | m kg s⁻² | 質量×加速度(kg×m s⁻²) |
| 圧力(Pa) | m⁻¹ kg s⁻² | 力÷面積(N÷m²) |
| エネルギー(J) | m² kg s⁻² | 力×距離(N×m) |
| 電荷(C) | s A | 電流×時間(A×s) |
| 周波数(Hz) | s⁻¹ | 1÷時間 |
| 電気抵抗(Ω) | m² kg s⁻³ A⁻² | 電圧÷電流 |
| 気体定数 | J K⁻¹ mol⁻¹ | エネルギー÷(温度×物質量) |
引っかけの定番は、圧力を「N m⁻³」とする(正しくはN m⁻²=Pa)、エネルギー(ジュール)を「m³ kg s⁻²」とする(正しくはm² kg s⁻²)、気体定数の指数を落として「J K mol」とする(正しくはJ K⁻¹ mol⁻¹)です。
混同しやすいところ
圧力 と エネルギー
圧力Paはm⁻¹kg s⁻²(力÷面積)、エネルギーJはm²kg s⁻²(力×距離)。長さの指数が-1と+2で大きく違います。
気体定数の指数
気体定数はJ K⁻¹ mol⁻¹です。「J K mol」のように指数(-1)を落とした表記は誤りです。
接頭語の換算
µ(10⁻⁶)・m(10⁻³)・k(10³)などの接頭語をそろえて換算します。桁の取り違えに注意します。
SI単位は、分析に関する概論の問1で繰り返し(令和5年8月〜令和8年2月)出題されています。組立単位の基本単位表現や単位換算が中心です。
| 年度 | 問 | 問われ方・引っかけ |
|---|---|---|
| 令和8年2月 | 問1 | 気体定数を「J K mol」とした選択肢が誤り(J K⁻¹ mol⁻¹)。 |
| 令和7年2月 | 問1 | 単位換算の正誤。25℃=約298K、1L=1×10⁻³m³、760mmHg=約101.3kPaなど。 |
| 令和6年8月 | 問1 | 圧力を「N m⁻³」とした選択肢が誤り(N m⁻²=Pa)。 |
| 令和5年8月 | 問1 | ジュールを「m³ kg s⁻²」とした選択肢が誤り(m² kg s⁻²)。 |
引っかけは次の型に整理できます。
圧力Pa=m⁻¹kg s⁻²、エネルギーJ=m²kg s⁻²、気体定数=J K⁻¹ mol⁻¹。25℃=298K、1L=10⁻³m³、760mmHg=101.3kPaです。
問題:圧力をSI基本単位で表すと、N m⁻³ である。
〇か×か。
答え:×
圧力は力÷面積なのでN m⁻²(=Pa)、基本単位では m⁻¹ kg s⁻² です(令和6年8月 分析概論 問1の論点)。
問題:気体定数のSI単位は、J K⁻¹ mol⁻¹ である。
〇か×か。
答え:〇
気体定数はエネルギー÷(温度×物質量)なので J K⁻¹ mol⁻¹ です。指数を落とした「J K mol」は誤りです(令和8年2月 分析概論 問1の論点)。
問題:体積1.0Lは、1.0×10⁻³m³ である。
〇か×か。
答え:〇
1L=1000cm³=1×10⁻³m³です(令和7年2月 分析概論 問1の論点)。
SI基本単位はm・kg・s・A・K・mol・cdの7つです。
組立単位は定義式から導け、圧力Pa=m⁻¹kg s⁻²、エネルギーJ=m²kg s⁻²、電荷C=s A、気体定数=J K⁻¹ mol⁻¹です。
換算は25℃=298K、1L=10⁻³m³、760mmHg=101.3kPaです。
問1で毎年問われる引っかけは、長さの指数、指数の脱落、圧力のN m⁻³、換算の桁です。
参考資料
※ 最終更新:2026年6月