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有効数字とデータの取扱い(誤差・精度・真度)|作業環境測定士

編集部

「誤差」と「偏差」、「精度」と「真度」がごちゃ混ぜになりますよね。誤差は真の値とのズレ、偏差は平均値とのズレ。精度はばらつき、真度は真の値への近さ。言葉を区別すれば解けます。

この記事の要点

誤差は測定値と真の値との差で、平均値と各測定値との差(偏差)とは異なります。精度はばらつきの小ささ、真度(正確さ)は真の値への近さです。

ばらつきは標準偏差や不偏分散の平方根で表します。独立な量の和や差の標準偏差は、各標準偏差の二乗和の平方根(誤差の伝播)になります。

分析値は必ずばらつきや誤差を伴うため、その扱い方が問われます。分析に関する概論の問2では、誤差・精度・真度の定義や、ばらつきを表す式がほぼ毎年問われます。

言葉の定義の取り違えが引っかけの中心です。

誤差は真の値とのズレ、偏差は平均値とのズレ。精度はばらつき、真度は真の値への近さです。

誤差・偏差・精度・真度

用語意味
誤差測定値と真の値との差
偏差(残差)各測定値と平均値との差
精度(precision)分析値のばらつきの程度(ばらつきが小さいほど精度が高い)
真度(正確さ、trueness)分析を無限回繰り返して得られる平均値が真の値にどれだけ近いか

「誤差とは、測定値の平均値と各測定値との差」とするのは誤りです。それは偏差(残差)であって、誤差は真の値との差です。

精度(ばらつき)と真度(真の値への近さ)も別の概念で、両方が高いほど良い測定です。

ばらつきの表し方

  • 平均値…n個の測定値の合計をnで割ったもの。
  • 分散・標準偏差…ばらつきの程度を表す。標準偏差は分散の平方根。
  • 不偏分散…偏差の二乗和を(n−1)で割ったもの(標本から母集団の分散を推定するときに用いる)。
  • 測定値のばらつきを示すときは、平均値に標準偏差や不偏分散の平方根を±を付けて表します。

誤差の伝播(和・差の標準偏差)

互いに独立な物理量1(標準偏差σ₁)と物理量2(標準偏差σ₂)の和または差を求めるとき、その標準偏差は √(σ₁²+σ₂²) になります。和でも差でも分散(σ²)が足し合わさるためで、「σ₁+σ₂」や「|σ₁−σ₂|」ではありません。掛け算・割り算では相対標準偏差(変動係数)の二乗和の平方根になります。

混同しやすいところ

誤差 と 偏差

誤差は測定値と真の値との差、偏差は各測定値と平均値との差です。誤差を「平均値との差」とするのは誤りです。

精度 と 真度

精度はばらつきの小ささ、真度は真の値への近さです。ばらつきが小さくても真の値からずれていれば真度は低くなります。

和・差の標準偏差

独立な量の和・差の標準偏差は √(σ₁²+σ₂²) です。単純な和(σ₁+σ₂)や差ではありません。

過去問でどう問われたか

データの取扱いは、分析に関する概論の問2で繰り返し(令和5年8月〜令和8年2月)出題されています。用語の定義やばらつきの式が中心です。

年度問われ方・引っかけ
令和7年2月問2独立な量の差の標準偏差を問う。正しくは √(σ₁²+σ₂²)。
令和6年2月問2「誤差とは、測定値の平均値と各測定値との差」とした選択肢が誤り(誤差は真の値との差)。
令和5年8月問2平均値・分散・不偏分散の式の組合せを問う(不偏分散は(n−1)で割る)。

引っかけは次の型に整理できます。

  • 誤差を「平均値との差」とする(それは偏差)。
  • 精度と真度を取り違える(精度=ばらつき、真度=真の値への近さ)。
  • 和・差の標準偏差を単純和とする(√(σ₁²+σ₂²))。
  • 不偏分散をnで割る((n−1)で割る)。

誤差は真の値とのズレ、偏差は平均値とのズレ。精度はばらつき、真度は真の値への近さ。和・差の標準偏差は √(σ₁²+σ₂²)、不偏分散は(n−1)で割ります。

理解度チェック

問題:誤差とは、測定値の平均値と各測定値との差のことである。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

それは偏差(残差)です。誤差は測定値と真の値との差です(令和6年2月 分析概論 問2の論点)。

問題:精度とは、分析値のばらつきの程度を示すものである。

〇か×か。

答えを見る

答え:

精度はばらつきの程度(小ささ)を示します。真の値への近さは真度(正確さ)です(令和6年2月 分析概論 問2の論点)。

問題:互いに独立な物理量1(標準偏差σ₁)と物理量2(標準偏差σ₂)の差の標準偏差は、σ₁+σ₂である。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

差の標準偏差は √(σ₁²+σ₂²) です。和でも差でも分散が足し合わさります(令和7年2月 分析概論 問2の論点)。

まとめ

誤差は測定値と真の値との差、偏差は各測定値と平均値との差です。精度はばらつきの小ささ、真度は真の値への近さを表します。

ばらつきは標準偏差や不偏分散の平方根で表し、不偏分散は偏差の二乗和を(n−1)で割ります。独立な量の和・差の標準偏差は √(σ₁²+σ₂²) です。

問2で毎年問われる引っかけは、誤差と偏差、精度と真度、和・差の標準偏差、不偏分散の分母です。

参考資料

  • 誤差(測定値と真の値との差)・偏差(測定値と平均値との差)・精度(ばらつき)・真度(真の値への近さ)の定義、標準偏差・不偏分散((n−1)で割る)、誤差の伝播(独立な量の和・差の標準偏差=√(σ₁²+σ₂²))は、分析化学・統計の基礎による。
  • 過去問の問われ方は、安全衛生技術試験協会の公表試験問題(分析に関する概論 問2、令和5年8月〜令和8年2月)にもとづく・公表正答。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。