管工事施工管理技士 独学ガイド

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黄銅製弁棒はどの腐食か?腐食の形態と発生部位の読み分け

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腐食の名前が多くて、どこで起きるか結び付きません。

似た説明の用語もあって迷います。

この記事の要点

平成21年度の公表正答は(1)で、電食を迷走電流が鋼管に流れ込む部分とした組合せが誤りです。

黄銅製の弁棒は、平成21年度に脱亜鉛腐食、令和3年度に選択腐食の例として出ています。

令和3年度は、マクロセル腐食で腐食するのを陰極部分とした肢が誤りでした。

腐食は1級の問題Aでも問題Bでも枠が用意される論点です。

2年度の肢を並べます。

腐食の形態と発生する部位の出題を並べた図。左は平成21年度の1級管工事施工管理技術検定 学科試験 問題B No.17で、肢1は電食を迷走電流が地中から鋼管に流れ込む部分とし公表正答1の誤り、肢2は潰食を流速の早い給湯用銅管のエルボ下流の部分とする正しい肢、肢3は脱亜鉛腐食を青銅製仕切弁の黄銅製弁棒の部分とする正しい肢、肢4は異種金属接触腐食を銅管と絶縁されずに接続された鋼管の部分とする正しい肢。右は令和3年度の第一次検定 問題A No.10で、選択腐食は合金成分中のある種の成分のみが溶解する現象で黄銅製バルブ弁棒で生じる正しい肢、かい食は比較的速い流れの箇所で局部的に起こり銅管の曲がり部で生じる正しい肢、マクロセル腐食はアノードとカソードが分離して生じる電位差により陰極部分が腐食する現象として公表正答4の誤り。下は黄銅製の弁棒が2つの名前で出ていることで、平成21年度は脱亜鉛腐食の部位として、令和3年度は選択腐食の例として出ており、どちらも正しい肢であること。
左が平成21年度の組合せ、右が令和3年度の4肢。下が2つの名前で出た部位。

電食はどこで起きると出題されたのか

流れ込む部分と書いた組合せが誤りです。

平成21年度 1級 学科試験 問題B【No.17】(1)(誤りの組合せ)

電食 迷走電流が地中から鋼管に流れ込む部分

平成21年度の公表正答は(1)です。流れ込む部分という部位の指定が誤りと確定します。

用語そのものは正しく置かれています。迷走電流という原因の書き方は残されています。

潰食はどこで起きるのか

給湯用銅管のエルボ下流です。

平成21年度 問題B【No.17】(2)(正しい組合せ)/令和3年度 1級 第一次検定 問題A【No.10】(2)(正しい肢)

潰食 流速の早い給湯用銅管のエルボ下流の部分

かい食は、比較的速い流れの箇所で局部的に起こる現象で、銅管の曲がり部で生じる場合がある。

2年度とも流れの速さが条件です。流速の早い比較的速い流れの箇所で共通します。

場所の書き方は違います。エルボ下流曲がり部で、どちらも正しい肢です。

黄銅製の弁棒はどの腐食で出るのか

2つの名前で出ています。

平成21年度 問題B【No.17】(3)(正しい組合せ)/令和3年度 問題A【No.10】(1)(正しい肢)

脱亜鉛腐食 給湯用銅管に設けられた青銅製仕切弁の黄銅製弁棒の部分

選択腐食は、合金成分中のある種の成分のみが溶解する現象であり、黄銅製バルブ弁棒で生じる場合がある。

部位はどちらも黄銅製の弁棒です。脱亜鉛腐食選択腐食の両方で正しい肢になっています。

令和3年度の肢は仕組みを書いています。合金成分中のある種の成分のみが溶解するという説明です。

腐食の形態 出題での発生部位 扱い
電食 鋼管に流れ込む部分 誤り(正答1)
潰食(かい食) 給湯用銅管のエルボ下流 正しい
脱亜鉛腐食 青銅製仕切弁の黄銅製弁棒 正しい
選択腐食 黄銅製バルブ弁棒 正しい
異種金属接触腐食 銅管と絶縁されずに接続された鋼管 正しい

仕様書は青銅弁の弁棒に何を指定しているのか

耐脱亜鉛腐食快削黄銅です。

公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版)2.2.1「一般用弁及び栓」(抜粋・34ページ)

(ケ) 青銅弁の弁棒は、耐脱亜鉛腐食快削黄銅とする。

同 1.2.3.1「電動弁」(抜粋・178ページ)

弁本体は、鋳鉄又は青銅、弁棒は、耐脱亜鉛腐食快削黄銅又はステンレス鋼材とする。

材料名に対策が入っています。耐脱亜鉛腐食快削黄銅という指定です。

出題の部位と一致します。青銅弁の弁棒が黄銅という組合せが仕様書にもあります。

まちがえやすいポイント

用語と部位の組合せを問う形では、用語の意味を知っていても部位で外します。

平成21年度で誤りになったのは用語ではなく、電食が起きる側の指定でした。組合せの問題は、後半の部位まで読み切る必要があります。

名前が違っても同じ部位が出ます。黄銅製の弁棒は脱亜鉛腐食でも選択腐食でも正しい肢でした。

異種金属接触腐食はどちらが腐食するのか

卑な金属の側です。

平成21年度 問題B【No.17】(4)(正しい組合せ)/令和3年度 問題A【No.10】(3)(正しい肢)

異種金属接触腐食 銅管と絶縁されずに接続された鋼管の部分

異種金属接触腐食は、貴な金属と卑な金属を組み合わせた場合に生じる電極電位差により、卑な金属が局部的に腐食する現象である。

令和3年度の肢が仕組みを書いています。卑な金属が局部的に腐食するという向きです。

平成21年度は具体物で書かれました。銅管と接続された鋼管の側が部位になります。

マクロセル腐食はどこが腐食すると出題されたのか

陰極部分と書いた肢が誤りです。

令和3年度 問題A【No.10】(4)(誤りの肢)

マクロセル腐食は、アノードとカソードが分離して生じる電位差により、陰極部分が腐食する現象である。

令和3年度の公表正答は(4)です。陰極部分が腐食するという部分が誤りと確定します。

前半は正しく書かれています。アノードとカソードが分離して生じる電位差という説明が残されています。

マクロセル腐食への対策は電気防食法の読み分け、腐食全体の整理は腐食と防食の読み分けで扱っています。

理解度チェック

Q.

「電食は、迷走電流が地中から鋼管に流れ込む部分で生じる」は正しいか。

誤りです。平成21年度の公表正答はこの組合せでした。

Q.

潰食(かい食)はどこで生じると出題されたか。

流速の早い給湯用銅管のエルボ下流の部分、令和3年度では銅管の曲がり部です。

Q.

黄銅製の弁棒は、どの腐食の例として出題されたか。

平成21年度は脱亜鉛腐食、令和3年度は選択腐食です。どちらも正しい肢です。

Q.

異種金属接触腐食では、どちらの金属が腐食すると出題されたか。

卑な金属です。銅管と絶縁されずに接続された鋼管の部分が例です。

Q.

「マクロセル腐食では陰極部分が腐食する」は正しいか。

誤りです。令和3年度の公表正答はこの肢でした。

まとめ

  • 電食を流れ込む部分とした組合せは誤り。
  • 平成21年度の公表正答は(1)
  • 潰食は給湯用銅管のエルボ下流
  • 黄銅製の弁棒は脱亜鉛腐食でも選択腐食でも正しい肢。
  • 異種金属接触腐食で腐食するのは卑な金属。
  • マクロセル腐食を陰極部分とした肢は誤り。
  • 令和3年度の公表正答は(4)。

出題の言い回しは年度によって変わります。個別の判断は最新の試験問題と公表正答を確認してください。

あわせて読む

この科目の過去問はどこにあるか

級ごとに分けています。1級 施工管理法2級 施工管理法を見てください。

参考資料

  • 1級管工事施工管理技術検定 学科試験 問題B【No.17】(平成21年度)及び同年度の公表正答肢(一般財団法人全国建設研修センター。試験問題/正答肢のページ)。公表正答は(1)です。
  • 同 第一次検定 問題A【No.10】(令和3年度)及び同年度の公表正答肢。公表正答は(4)です。
  • ※ 電食が実際に生じる部位と、マクロセル腐食で腐食する側を示す記述は、いずれの問題文にもありません。誤りとして出題された事実だけを記載しています。
  • 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版)2.2.1「一般用弁及び栓」(34ページ)及び1.2.3.1「電動弁」(178ページ)(国土交通省大臣官房官庁営繕部)。
  • ※ 同仕様書で「脱亜鉛」が出てくるのは、弁棒の材料名(耐脱亜鉛腐食快削黄銅)としての3か所だけです。「電食」は345ページの検査項目に「銅管の必要な箇所に、ゴム巻き等電食防止の処置が施されていること」として1か所あります。潰食、かい食、選択腐食、迷走電流の語はありません。
  • ※ 腐食の形態の定義と発生部位は、出題の肢によります。
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管工事施工管理技士の用語・過去問を、法令や公的な基準など一次資料にあたって整理しています。

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管工事施工管理技士の用語・条文・数値を、公表された過去問と一次資料にあたって整理しています。

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