令和7年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題B【No.23】は、工程管理に関する問題です。4つの記述のうち、適当でないものを2つ選びます。
誤りは選択肢2と選択肢4です。
フリーフロートは、後続イベントの最早開始時刻を基準に求めます。そのため使い切っても、後続イベントの最早開始時刻は動きません。後続作業に遅れは生じないことになります。
ネットワークには2種類のフロートがあり、国土交通省の工程計画管理基準にも別々の記号で示されています。基準にする時刻が違う点で分かれます。
※ このページに問題文そのものは載せていません。一般財団法人 全国建設研修センターの試験問題および正答肢のページには、2026年8月時点で令和7年度と令和8年度が掲載されています。
正解:選択肢2と選択肢4(2つとも正解)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(適当) | 工程表作成時に考慮する項目について、基準に列挙がありません。判定は正答肢によります |
| 2 | ×(適当でない) | 後続作業に遅れは生じません。フリーフロートは後続イベントの最早開始時刻を基準に求めるためです |
| 3 | ○(適当) | 工程計画管理基準は、クリティカルパスの変化を理由にフォローアップを行うとしています |
| 4 | ×(適当でない) | 順序の入れ替えを禁じる定めが基準にありません。判定は正答肢によります |
問題B の No.22 から No.29 は施工管理法(応用能力)の必須問題で、1問について正解が2つと決められています。1つだけ塗った答案も、3つ以上塗った答案も正解になりません。
国土交通省の基準は、フロートを2種類に分けて表示させています。
国土交通省 工程計画管理基準(案)第4章「日程計算の表示手順」第2の凡例より
イベントの最遅開始日/イベントの最遅完了日/イベントの最早開始日/イベントの最早完了日/時間見積日数/〔 〕=トータルフロート/( )=フリーフロート
2つは、どの時刻を基準に余裕を測るかが違います。
| フロート | 基準にする時刻 | 使い切ったとき |
|---|---|---|
| フリーフロート | 後続イベントの最早開始時刻 | 後続イベントの最早開始時刻は動かない |
| トータルフロート | 後続イベントの最遅完了時刻 | 全体工期は変わらないが、後続の余裕は無くなる |
フリーフロートは後続の最早開始時刻までの余裕なので、使い切っても後続はもとの日に始められます。設問はこれを「後続作業に遅れが生じる」としています。遅れが後続へ及ぶのは、フリーフロートを超えて遅れた場合です。
選択肢3のとおり、工事が遅れたときの立て直しも基準に置かれています。
同基準 第6章「工程管理」第3「フォローアップ」より
1.フォローアップ実施の時点
(1)予定工程に対して進捗実績工程が遅れを生じ、最終工期に影響をおよぼす予測を生じた場合に行う。
(2)クリテカルパスに大きく影響を与えるような施工内容等の変更を生じた場合に使う。
(3)その他日程計画を必要とするような工法の変更等を生じた場合に行う。
工法の変更まで想定して立て直しの手順が置かれています。成果品は、実施した時点から10日以内に監督職員へ提出します。
詳細は施工計画書とは?総合と工種別の違いと承諾・提出の使い分けで扱っています。
フリーフロートを使い切ると、後続作業はどうなるか。
後続イベントの最早開始時刻は動かないため、後続作業はもとの日に始められます。フリーフロートは後続イベントの最早開始時刻を基準に求める余裕だからです。トータルフロートは最遅完了時刻を基準にするため、使い切ると後続の余裕が無くなります。
図面上で、2種類のフロートはどう書き分けるか。
国土交通省の工程計画管理基準(案)第4章の凡例で、〔 〕がトータルフロート、( )がフリーフロートとされています。あわせてイベントの最早開始日・最早完了日・最遅開始日・最遅完了日と、時間見積日数が示されます。
フォローアップを実施するのは、どのような時点か。
予定工程に対して進捗実績工程が遅れ、最終工期に影響をおよぼす予測を生じた場合、クリティカルパスに大きく影響を与えるような施工内容等の変更を生じた場合、その他日程計画を必要とするような工法の変更等を生じた場合です。同基準第6章第3です。
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工程管理の運用は、発注者が適用する基準や工事の種類によって変わります。実務では工事ごとの設計図書と適用基準をご確認ください。
この問で問われた語を、年度をまたいで整理しています。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月