管工事施工管理技士 独学ガイド

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クリティカルパスはどう見つけるか?ネットワーク工程表の読み方

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ネットワーク工程表の図を見ても、どこから数えればいいのか分かりません。

クリティカルパスが2本になることもあるのでしょうか。

この記事の要点

最早開始時刻は左から足していき、合流するイベントでは大きいほうを採ります

最遅完了時刻は右から引いていき、分岐するイベントでは小さいほうを採ります

クリティカルパスは1本とは限りません。令和7年度の出題では2本ありました。

クリティカルパスは、最早と最遅が一致したイベントを余裕なくつないだ経路です。

令和7年度に出題された図で数えます。

ネットワーク工程表の読み方を示した図。令和7年度1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題B No.2 の図をもとに、各イベントの最早開始時刻と最遅完了時刻を書き入れたもの。イベント1は0と0、イベント2は4と4、イベント3は4と5、イベント4は9と9、イベント5は9と9、イベント6は9と9、イベント7は16と16、イベント8は17と17、イベント9は20と20。作業Aは7日、Bは4日、Cは4日、Dは5日、Eは4日、Fは7日、Gは4日、Hは8日、Iは4日、Jは3日。イベント2から3、4から5、4から6、7から8にダミーがある。クリティカルパスは1・B・2・D・4からダミーで5・F・7・I・9の経路と、1・B・2・D・4からダミーで6・H・8・J・9の経路の2本で、いずれも20日。作業Eのトータルフロートは1日で、作業Dを2日短縮しても全体工期は1日しか縮まらない。
赤い経路が2本ともクリティカルパス。※令和7年度の出題図に最早・最遅を書き入れた図。

ネットワーク工程表は何を表しているのか

矢線が作業、丸がイベントです。

令和7年度の出題では、条件が図の下に付いていました。イベント間のA〜Jは作業内容、日数は作業日数を示すという但し書きです。

点線の矢線はダミーです。作業の前後関係だけを示し、日数は0として扱います。

この図では、②から③、④から⑤、④から⑥、⑦から⑧の4本がダミーです。

最早開始時刻はどう求めるのか

左から足していきます。

①を0として、矢線の日数を順に加えます。②は0+4で4、④は4+5で9です。

合流するイベントでは選び方が決まります。入ってくる経路のうち、いちばん大きい値を採ります

イベント⑥には、③からのE(4+4=8)と、④からのダミー(9+0=9)が入ります。

大きいほうを採るので⑥の最早開始時刻は9日です。

まちがえやすいポイント

合流するイベントで小さいほうを採ると、そこから先が全部ずれます。

先行する作業が全部終わらないと次には進めないので、いちばん遅い経路に合わせます。前進計算では大きいほうを採ります。

ダミーは日数0ですが、経路としては数えます。④から⑥のダミーがあるので⑥は9日になります。

最遅完了時刻はどう求めるのか

右から引いていきます。

⑨の20日を出発点にして、矢線の日数を順に引きます。⑧は20−3で17、⑥は17−8で9です。

分岐するイベントでは選び方が逆になります。出ていく経路のうち、いちばん小さい値を採ります

イベント④からは、⑧へのG(13)と、⑤へのダミー(9)と、⑥へのダミー(9)が出ています。

小さいほうを採るので④の最遅完了時刻は9日です。

クリティカルパスはどう見つけるのか

余裕がゼロの経路をつなぎます。

最早と最遅が一致したイベントを、日数どおりにつながる矢線でたどります。

経路 所要日数
①→B→②→D→④→⑤→F→⑦→I→⑨ 20日
①→B→②→D→④→⑥→H→⑧→J→⑨ 20日
①→A→⑤→F→⑦→I→⑨ 18日

20日の経路が2本あります。クリティカルパスは1本とは限りません

令和7年度の出題では、この点が正しい記述として示されました。クリティカルパスのルートは、2本で所要日数は20日であるという肢です。

トータルフロートとフリーフロートは何が違うのか

使ったあとの影響が違います。

作業E(③→⑥、4日)で数えます。③の最早は4日、⑥の最遅は9日です。

9から4と4を引くと1が残ります。作業Eのトータルフロートは1日です。

フリーフロートは、後続作業の最早開始時刻から計算します。⑥の最早は9日なので、こちらも1日です。

まちがえやすいポイント

令和7年度の応用能力の問題で、次の記述が適当でないものとして出されました。

「ネットワーク工程表において、当該作業のフリーフロートを使用すると、後続作業に遅れが生じる」は誤りです。フリーフロートは、使っても後続作業に影響しない余裕として出題されています。

同じ問題では、次の記述も適当でないものとされました。「工期短縮を検討する際、作業の順序入れ替えを行ってはいけない」という肢です。

作業日数を短縮すると工期はどれだけ縮むのか

短縮した日数どおりには縮みません。

作業D(②→④、5日)は2本のクリティカルパスに共通しています。

Dを2日短縮して3日にすると、④の最早は7日になります。

ところが⑥には③からのE(4+4=8)が入るので、⑥は8日までしか下がりません。

⑧は8+8で16日、⑨は16+3で19日です。全体工期は20日から19日となり、1日しか縮みません

令和7年度の出題では、この点が誤りの肢でした。作業Dの作業日数を2日短縮すると、全体工期も2日短縮されるという記述が適当でないものとされています。

官庁工事ではどの工程表を出すのか

実施工程表が基本になります。

公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)第1編1.2.1(1)(2)(5)

(1) 工事の着手に先立ち、実施工程表を作成し、監督職員の承諾を受ける。

(2) 実施工程表の作成に当たり、関連工事等の関係者と調整の上、十分検討する。

(5) 監督職員の指示を受けた場合は、実施工程表の補足として、週間工程表、月間工程表、工種別工程表等を作成し、監督職員に提出する。

実施工程表は提出ではありません。監督職員の承諾を受けると書かれています。

補足の工程表は扱いが違います。週間工程表、月間工程表、工種別工程表等は監督職員に提出するとされています。

用語の定義は用語の定義(承諾・指示・協議)で扱っています。

理解度チェック

Q.

合流するイベントの最早開始時刻はどう決めるか。

入ってくる経路のうち、いちばん大きい値を採ります。

Q.

分岐するイベントの最遅完了時刻はどう決めるか。

出ていく経路のうち、いちばん小さい値を採ります。

Q.

クリティカルパスは必ず1本か。

1本とは限りません。令和7年度の出題では2本で、所要日数は20日でした。

Q.

フリーフロートを使うと後続作業は遅れるか。

遅れません。「遅れが生じる」は適当でないものとして出題されています。

Q.

実施工程表は承諾と提出のどちらか。

監督職員の承諾を受けます。週間・月間・工種別の工程表は提出します。

まとめ

  • 最早開始時刻は前進計算で、合流点は大きいほうを採る。
  • 最遅完了時刻は後退計算で、分岐点は小さいほうを採る。
  • ダミーは日数0で前後関係だけを示す。
  • クリティカルパスは1本とは限らない。令和7年度は2本で20日。
  • トータルフロートは後続の最遅から引いた余裕で、作業Eは1日。
  • フリーフロートを使っても後続作業は遅れない
  • 共通の作業を2日短縮しても、全体工期が2日縮むとは限らない
  • 実施工程表は承諾、週間・月間・工種別は提出

工程表の様式や提出の時期は発注者と設計図書によって変わります。個別の判断は監督職員の指示にしたがってください。

あわせて読む

この科目の過去問はどこにあるか

級ごとに分けています。1級 施工管理法2級 施工管理法を見てください。

参考資料

  • 令和7年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題B【No.2】及び【No.23】(一般財団法人全国建設研修センター。試験問題/正答肢のページ)。No.2の正答は(4)、No.23は施工管理法(応用能力)の問題で正答は(2)と(4)です。図中の作業日数とイベント番号は、同PDFの当該ページを画像にして目視で確認しました。
  • 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版)第1編第2章第1節1.2.1「実施工程表」(国土交通省大臣官房官庁営繕部。国土交通省 官庁営繕のページで公開されているPDFの5ページ)。
  • ※ 記事中の最早開始時刻・最遅完了時刻・フロートの数値は、公表された図の作業日数から計算したものです。時刻そのものは試験問題には印刷されていません。
  • ※ バーチャート工程表やガントチャート工程表との使い分けは、この記事では扱っていません。
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この記事を書いた人

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管工事施工管理技士の用語・過去問を、法令や公的な基準など一次資料にあたって整理しています。

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管工事施工管理技士の用語・条文・数値を、公表された過去問と一次資料にあたって整理しています。

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