令和6年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A【No.25】は、2階建ての建築物の機械排煙設備について、各部が受け持つ必要最小風量を選ぶ問題です。4つの値のうち、適当でないものを1つ選びます。
誤りは選択肢1です。1階のダクトだけ、ほかより小さい値になります。
風量の決め方は、ダクトと排煙機で違います。ダクトは同時に開放する防煙区画の床面積を合計して1m³/(min・m²)、排煙機は最大の防煙区画の床面積に2m³/(min・m²)を掛けます。
設問のただし書きに、同時開放の条件が示されています。上下階の排煙口は同時開放せず、隣接する2防煙区画は同時開放の可能性がある、という条件です。
※ このページに問題文そのものは載せていません。一般財団法人 全国建設研修センターの試験問題および正答肢のページには、2026年8月時点で令和7年度と令和8年度が掲載されています。
正解:選択肢1
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(適当でない) | ダクトA部は1階だけを受け持ちます。42,000m³/hです |
| 2 | ○(適当) | ダクトB部は2階の2区画で、500+500=1,000m²ぶんです |
| 3 | ○(適当) | ダクトC部は上下階の大きいほうを受け持ちます |
| 4 | ○(適当) | 排煙機は最大区画500m²の2倍で決まります |
まず、風量の決め方を条文で確かめます。
建築基準法施行令 第百二十六条の三第1項第九号
「前号の排煙機は、一の排煙口の開放に伴い自動的に作動し、かつ、一分間に、百二十立方メートル以上で、かつ、防煙区画部分の床面積一平方メートルにつき一立方メートル(二以上の防煙区画部分に係る排煙機にあつては、当該防煙区画部分のうち床面積の最大のものの床面積一平方メートルにつき二立方メートル)以上の空気を排出する能力を有するものとすること。」
1平方メートルにつき1立方メートル毎分、括弧の中は2立方メートル毎分です。毎分の値を60倍すると、1時間あたりになります。
| 何の風量か | 掛ける値 | 1時間あたりに直すと |
|---|---|---|
| ダクト(同時開放する区画の合計) | 1m³/(min・m²) | 床面積×60 |
| 排煙機(2以上の防煙区画に係る場合) | 最大区画に2m³/(min・m²) | 最大区画×120 |
この図の防煙区画面積は、2階が500m²と500m²、1階が300m²・400m²・300m²です。
4つの部分の計算
ダクトA部(1階) :隣接する2区画の最大は300+400=700m² → 700×60=42,000m³/h
ダクトB部(2階) :500+500=1,000m² → 1,000×60=60,000m³/h
ダクトC部(合流後):上下階は同時開放しないので大きいほう → 60,000m³/h
排煙機 :最大区画500m²×120 → 60,000m³/h
A部だけが42,000m³/hです。令和6年度は4つとも60,000m³/hで並べているので、A部が誤りになります。
1階は3つの区画に分かれていますが、同時に開くのは隣接する2つまでです。300+400と400+300のどちらも700m²で、これが1階の最大です。
この読み方は、別の年度でも確かめられます。
令和3年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A【No.24】の公表正答(選択肢4)
同じ形の図で、2階が450m²と500m²、1階が300m²・400m²・250m²のとき、排煙機を57,000m³/hとした記述が、適当でないものとして出されています。ダクトA部42,000m³/h、ダクトB部57,000m³/h、ダクトC部57,000m³/hは、いずれも正しい肢です。
この年度を同じやり方で計算すると、次のようになります。
| 部分 | 計算 | 令和3年度の選択肢 |
|---|---|---|
| ダクトA部 | (300+400)×60=42,000 | 42,000(正しい肢) |
| ダクトB部 | (450+500)×60=57,000 | 57,000(正しい肢) |
| ダクトC部 | 大きいほう=57,000 | 57,000(正しい肢) |
| 排煙機 | 500×120=60,000 | 57,000(誤り) |
令和3年度は、排煙機だけがダクトC部より大きくなる形でした。令和6年度は最大区画が500m²で、2倍しても60,000m³/hとなり、ダクトC部と同じ値になります。
この「2倍」は、図ではなく文章の形でも出されています。
令和4年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A【No.25】の公表正答(選択肢4)
「2以上の防煙区画を対象とする場合の排煙風量は、120m³/min以上で、かつ最大防煙区画の床面積1m²につき1m³/min以上とする」という記述が、適当でないものとして出されています。誤っているのは1m³/minの部分で、条文の括弧書きは2m³/minです。
同じ論点が、逆の形でも出されています。
令和元年度 1級管工事施工管理技術検定 学科試験 問題A【No.25】の選択肢2(正しい肢)
「2以上の防煙区画を対象とする場合の排煙風量は、1分間に120m³以上で、かつ、最大防煙区画の床面積1m²につき2m³以上とする」は、正しい肢とされています。この年度の公表正答は選択肢3(予備電源の20分間)です。
1区画だけなら1m³/min、2以上の区画にかかる排煙機なら最大区画に2m³/minです。ここを取り違えると、排煙機だけが小さい値になります。
排煙設備の区分は排煙設備とは?機械排煙と自然排煙はどこで分かれるのかで扱っています。
1階の防煙区画が300m²・400m²・300m²のとき、1階を受け持つダクトの必要風量はいくつか。
42,000m³/hです。同時に開放するのは隣接する2区画までなので、最大となる300+400=700m²に60を掛けます。令和6年度の1級 問題A No.25は、これを60,000m³/hとしたため誤りとされています。
2以上の防煙区画に係る排煙機の能力は、どう求めるか。
床面積が最大の防煙区画について、1平方メートルにつき毎分2立方メートル以上です。建築基準法施行令第126条の3第1項第九号に定められています。1時間あたりに直すと床面積×120になります。
排煙機の風量が、合流後のダクトの風量より大きくなることはあるか。
あります。令和3年度の1級 問題A No.24は、2階が450m²と500m²の場合にダクトC部57,000m³/hに対して排煙機を57,000m³/hとした記述を適当でないものとしており、最大区画500m²の2倍にあたる60,000m³/hが必要になります。
> 空調・換気のほかの論点は空調・換気のカテゴリにまとめています
排煙風量は、避難安全検証法による場合や特殊な構造の場合は扱いが変わります。ここでの計算は試験問題に示された条件によるものです。
この問で問われた語を、年度をまたいで整理しています。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月