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特別管理という名前は知っていますが、何が入るのか言えません。
石綿がどの位置にあるのかも、あやふやなままです。
この記事の要点
政令の区分は5つです。廃油、廃酸、廃アルカリ、感染性産業廃棄物、特定有害産業廃棄物です。
枝分かれするのは第五号だけです。廃石綿等も廃PCB等も、その中に入ります。
事業者は事業場ごとに管理責任者を置きます。委託先も特別管理の許可業者に限られます。
上4つは物の名前、5つめだけが箱の名前です。
この形が分かると、どこに何が入るか迷いません。
法第2条第5項が性状で定義しています。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第2条第5項(抜粋)
この法律において「特別管理産業廃棄物」とは、産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるものをいう。
前提は産業廃棄物のうちです。一般廃棄物の側には特別管理一般廃棄物という別の枠があります。
性状として挙がっているのは爆発性・毒性・感染性で、具体的な品目は政令に委ねられています。
施行令第2条の4が5つに分けています。
| 号 | 内容 |
|---|---|
| 一 | 廃油(燃焼しにくいものとして環境省令で定めるものを除く) |
| 二 | 廃酸(著しい腐食性を有するものに限る) |
| 三 | 廃アルカリ(著しい腐食性を有するものに限る) |
| 四 | 感染性産業廃棄物 |
| 五 | 特定有害産業廃棄物(イからヌまでに枝分かれ) |
第一号は除く、第二号と第三号は限ると、向きが逆です。
廃油は燃えにくいもの以外が対象で、廃酸と廃アルカリは腐食性が強いものだけが対象になります。
イからヌまでが並びます。管工事に近いものを抜き出します。
| 枝 | 内容 |
|---|---|
| イ | 廃ポリ塩化ビフェニル等(廃PCB及びPCBを含む廃油) |
| ロ | ポリ塩化ビフェニル汚染物(汚泥、紙くず、木くず、金属くず、コンクリートの破片などにPCBが付着等) |
| ハ | ポリ塩化ビフェニル処理物 |
| ニ〜ヘ | 廃水銀等、指定下水汚泥、鉱さい |
| ト | 廃石綿等 |
| チ・リ | ばいじん、燃え殻(水銀、カドミウム、鉛、六価クロム、砒素、セレン、ダイオキシン類を含むもの等) |
ロには工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたコンクリートの破片も入ります。解体で出る品目です。
条文が範囲を細かく限定しています。
同施行令 第2条の4第五号 ト(抜粋)
廃石綿等(廃石綿及び石綿が含まれ、又は付着している産業廃棄物のうち、石綿建材除去事業(建築物その他の工作物に用いられる材料であつて石綿を吹き付けられ、又は含むものの除去を行う事業をいう。)に係るもの(中略)であつて、飛散するおそれのあるものとして環境省令で定めるものをいう。)
石綿が含まれていれば何でも当たるわけではありません。飛散するおそれのあるものという限定が付きます。
石綿は大気汚染防止法では特定粉じんで、法律ごとに枠が別です。詳しくはばい煙と窒素酸化物で扱っています。
法第12条の2が基準を2つ置いています。
同法 第12条の2第1項・第2項・第5項(抜粋)
事業者は、自らその特別管理産業廃棄物の運搬又は処分を行う場合には、政令で定める(中略)基準(中略。以下「特別管理産業廃棄物処理基準」という。)に従わなければならない。
2 事業者は、その特別管理産業廃棄物が運搬されるまでの間、環境省令で定める技術上の基準(以下「特別管理産業廃棄物保管基準」という。)に従い、生活環境の保全上支障のないようにこれを保管しなければならない。
5 事業者は、その特別管理産業廃棄物(中略)の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については(中略)特別管理産業廃棄物収集運搬業者(中略)に、その処分については(中略)特別管理産業廃棄物処分業者(中略)にそれぞれ委託しなければならない。
基準は処理基準と保管基準の2本立てです。
委託先も特別管理の付く業者に限られます。通常の産業廃棄物収集運搬業者では足りません。
第8項と第9項が置く単位と資格を決めています。
同法 第12条の2第8項・第9項
8 その事業活動に伴い特別管理産業廃棄物を生ずる事業場を設置している事業者は、当該事業場ごとに、当該事業場に係る当該特別管理産業廃棄物の処理に関する業務を適切に行わせるため、特別管理産業廃棄物管理責任者を置かなければならない。ただし、自ら特別管理産業廃棄物管理責任者となる事業場については、この限りでない。
9 前項の特別管理産業廃棄物管理責任者は、環境省令で定める資格を有する者でなければならない。
単位は事業場ごとです。会社ごとでも現場ごとでもありません。
ただし書により、事業者が自ら管理責任者となる事業場では別に置く必要がありません。
第3項と第4項が届出を求めています。
同法 第12条の2第3項・第4項(抜粋)
3 事業者は、(中略)事業場の外において、自ら当該特別管理産業廃棄物の保管(中略)を行おうとするときは、非常災害のために必要な応急措置として行う場合(中略)を除き、あらかじめ、(中略)都道府県知事に届け出なければならない。
4 前項の環境省令で定める場合において、(中略)保管を行つた事業者は、当該保管をした日から起算して十四日以内に、(中略)都道府県知事に届け出なければならない。
原則はあらかじめ、応急措置などの場合は14日以内です。
産業廃棄物の側にも同じ形の規定が第12条第3項・第4項にあります。手続の作りは共通です。
産業廃棄物そのものの区分と管理票は産業廃棄物と管理票で扱っています。
施行令が定める特別管理産業廃棄物の5区分を答えよ。
廃油、廃酸、廃アルカリ、感染性産業廃棄物、特定有害産業廃棄物です。
廃石綿等はどの区分に入るか。
第五号の特定有害産業廃棄物のトです。独立した号ではありません。
特別管理産業廃棄物になる廃油はどれか。
燃焼しにくいものとして環境省令で定めるものを除いた廃油です。燃えにくい廃油は外れます。
管理責任者はどの単位で置くか。
事業場ごとです。事業者が自ら管理責任者となる事業場では別に置く必要がありません。
運搬を委託できる相手は誰か。
特別管理産業廃棄物収集運搬業者などです。通常の産業廃棄物収集運搬業者では足りません。
各品目の判定は環境省令の基準や分析の結果によります。個別の判断は所轄の都道府県または市の担当窓口にご確認ください。
級ごとに分けています。1級 法規|2級 法規を見てください。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
取り違えやすいのは、石綿の位置です。
廃石綿等は第五号の特定有害産業廃棄物のトで、独立した号ではありません。石綿建材除去事業に係るものなどで、飛散するおそれのあるものに限られます。
もうひとつが廃油の向きです。燃焼しにくいものは除かれるので、燃えにくい廃油は特別管理になりません。