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ばい煙とは?大気汚染防止法の3区分と窒素酸化物の位置

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ばい煙という言葉が、どこまでを指すのか曖昧なままです。

窒素酸化物や石綿が、その中に入るのかも分かりません。

この記事の要点

ばい煙は法が3つに分けています。いおう酸化物、ばいじん、そして政令で定める有害物質です。

窒素酸化物は3つめの有害物質に入ります。いおう酸化物とは別の号です。

ボイラーがばい煙発生施設になるのは重油換算1時間当たり50リットル以上のときです。

法が枠を3つ作り、政令が中身を埋める形です。

どの物質がどの枠かを押さえると、肢を切りやすくなります。

大気汚染防止法のばい煙の3区分と有害物質とボイラーの規模を並べた図。ばい煙は第一号のいおう酸化物、第二号のばいじん、第三号の政令で定める有害物質の3区分。有害物質は施行令第1条でカドミウム及びその化合物、塩素及び塩化水素、弗素と弗化水素及び弗化珪素、鉛及びその化合物、窒素酸化物の5つ。ボイラーがばい煙発生施設になるのは施行令別表第一第一号で燃料の燃焼能力が重油換算1時間当たり50リットル以上のとき。設置の届出は都道府県知事へ行い、受理された日から60日を経過するまで設置してはならない。石綿は特定粉じんでばい煙ではない。
3区分と、有害物質の5つ。※条文の要件を並べた図。

ばい煙とは何を指すのか

法第2条第1項が3つの号で定義しています。

大気汚染防止法 第2条第1項

この法律において「ばい煙」とは、次の各号に掲げる物質をいう。

一 燃料その他の物の燃焼に伴い発生するいおう酸化物

二 燃料その他の物の燃焼又は熱源としての電気の使用に伴い発生するばいじん

三 物の燃焼、合成、分解その他の処理(機械的処理を除く。)に伴い発生する物質のうち、カドミウム、塩素、弗化水素、鉛その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質(第一号に掲げるものを除く。)で政令で定めるもの

第一号は燃焼に伴い発生するものに限られます。第二号は熱源としての電気の使用も含みます。

第三号は括弧書きで第一号に掲げるものを除くとしています。いおう酸化物は有害物質には入りません。

有害物質には何が入るのか

施行令第1条が5つを挙げています。

大気汚染防止法施行令 第1条(有害物質)

一 カドミウム及びその化合物

二 塩素及び塩化水素

三 弗素、弗化水素及び弗化珪素

四 鉛及びその化合物

五 窒素酸化物

窒素酸化物は第五号です。ばい煙の3区分でいえば、第三号の有害物質にあたります。

まちがえやすいポイント

混同しやすいのは、いおう酸化物と窒素酸化物の位置です。

いおう酸化物は法が直接名指しした第一号、窒素酸化物は政令が定める有害物質の第五号です。名前が似ていますが、根拠が法と政令に分かれています。

もうひとつが石綿です。石綿はばい煙ではなく特定粉じんで、法第2条第8項と施行令第2条の4が根拠になります。

ボイラーはばい煙発生施設になるのか

規模の基準を超えれば該当します。

大気汚染防止法施行令 別表第一 第一号(第2条関係)

施設 ボイラー(熱風ボイラーを含み、熱源として電気又は廃熱のみを使用するものを除く。)

規模 燃料の燃焼能力が重油換算一時間当たり五〇リットル以上であること。

基準は燃料の燃焼能力が重油換算1時間当たり50リットル以上です。

除かれるのは熱源として電気又は廃熱のみを使用するものです。熱風ボイラーは含まれます。

ボイラーそのものの区分は真空式温水発生機とボイラーの区分で扱っています。

届出はいつ誰にするのか

設置の前に都道府県知事へ出します。

大気汚染防止法 第6条第1項/第10条第1項(抜粋)

第六条 ばい煙を大気中に排出する者は、ばい煙発生施設を設置しようとするときは、環境省令で定めるところにより、次の事項を都道府県知事に届け出なければならない。

第十条 第六条第一項の規定による届出をした者又は第八条第一項の規定による届出をした者は、その届出が受理された日から六十日を経過した後でなければ、それぞれ、その届出に係るばい煙発生施設を設置し、又は(中略)変更をしてはならない。

設置できるのは受理された日から60日を経過した後です。届出をした日ではありません。

第10条第2項により、知事は内容が相当であると認めるときはこの期間を短縮できます

場面 期間
第6条 ばい煙発生施設を設置しようとするとき あらかじめ届け出る
第7条 既にある施設がばい煙発生施設になったとき その日から30日以内
第10条 設置または変更の実施 受理された日から60日を経過した後
第11条 氏名の変更、施設の使用の廃止 その日から30日以内

30日が2か所、60日が1か所です。60日だけが事前の待ち期間で、ほかは事後の届出になります。

窒素酸化物は試験でどう出ているのか

発生の仕組みと、生じる現象の両方が問われています。

令和5年度1級では「窒素酸化物の発生の仕組みには、主なものとして、燃焼空気中の窒素からのサーマルNOxと、燃料中の窒素化合物からのフューエルNOxがある」が正しい肢として出ています。

令和8年度2級(前期)では、光化学スモッグの発生要因となるものとして窒素酸化物を選ばせる問が出ています。

石綿はどの枠に入るのか

粉じんの側で、ばい煙とは別に定義されています。

大気汚染防止法 第2条第8項・第11項(抜粋)/同施行令 第2条の4

8 この法律において「特定粉じん」とは、粉じんのうち、石綿その他の人の健康に係る被害を生ずるおそれがある物質で政令で定めるものをいい、「一般粉じん」とは、特定粉じん以外の粉じんをいう。

11 この法律において「特定粉じん排出等作業」とは、(中略)特定建築材料が使用されている建築物その他の工作物を解体し、改造し、又は補修する作業のうち、(中略)政令で定めるものをいう。

施行令第二条の四 法第二条第八項の政令で定める物質は、石綿とする。

特定粉じんとして政令が定めているのは石綿だけです。

解体・改造・補修の作業が対象になる点も、ばい煙発生施設とは考え方が違います。

理解度チェック

Q.

ばい煙の3区分を答えよ。

いおう酸化物、ばいじん、政令で定める有害物質の3つです。

Q.

施行令が定める有害物質を全部答えよ。

カドミウム及びその化合物、塩素及び塩化水素、弗素と弗化水素及び弗化珪素、鉛及びその化合物、窒素酸化物の5つです。

Q.

ボイラーがばい煙発生施設になる規模はいくつか。

燃料の燃焼能力が重油換算1時間当たり50リットル以上です。熱源として電気または廃熱のみを使用するものは除かれます。

Q.

届出をしてから設置できるのはいつからか。

届出が受理された日から60日を経過した後です。知事はこの期間を短縮できます。

Q.

石綿はばい煙か。

いいえ、特定粉じんです。政令が特定粉じんとして定めているのは石綿だけです。

まとめ

  • ばい煙はいおう酸化物・ばいじん・有害物質の3区分(法第2条第1項)。
  • 有害物質は施行令第1条の5つ。窒素酸化物はその第五号
  • いおう酸化物は法の第一号、窒素酸化物は政令の有害物質。根拠が分かれている。
  • ボイラーは重油換算1時間当たり50リットル以上でばい煙発生施設。熱風ボイラーも含む。
  • 設置は届出が受理された日から60日を経過した後。知事は短縮できる。
  • 施設になった日や使用を廃止した日からの届出は30日以内
  • 石綿は特定粉じんで、ばい煙ではない。

条例により、法より厳しい基準や届出が定められている地域があります。実際の該当と手続は所轄の都道府県または市の担当窓口にご確認ください。

あわせて読む

この科目の過去問はどこにあるか

級ごとに分けています。1級 機械工学2級 機械工学を見てください。

参考資料

  • 大気汚染防止法(昭和43年法律第97号)第2条・第6条・第7条・第10条・第11条(e-Gov法令検索)。ばい煙の3区分、特定粉じんと特定粉じん排出等作業の定義、設置の届出と60日の制限、30日以内の届出は同法によります。
  • 大気汚染防止法施行令(昭和43年政令第329号)第1条・第2条・第2条の4・別表第一(e-Gov法令検索)。有害物質の5つ、ばい煙発生施設、ボイラーの規模、特定粉じんが石綿であることは同令によります。
  • ※ 出題は、一般財団法人 全国建設研修センターが公表した正答肢によります(令和5年度1級 第一次検定 問題A No.3 正答=4/令和8年度2級 第一次検定(前期)No.1 正答=3)。サーマルNOxとフューエルNOxの肢はNo.3の正答ではないため、正しい肢として扱っています。
  • ※ 排出基準の数値は環境省令で定められており、法・施行令の条文には数値がありません。本記事は法と施行令の区分と手続に絞って整理しています。
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この記事を書いた人

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管工事施工管理技士の用語・過去問を、法令や公的な基準など一次資料にあたって整理しています。

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管工事施工管理技士の用語・条文・数値を、公表された過去問と一次資料にあたって整理しています。

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