令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.22は、架空送電線路の雷害対策に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、相間スペーサが何の対策かを分かっているかを問うものです。相間スペーサはギャロッピングで電線が踊ったときの相間短絡を防ぐ金具です。
雷とは関係がありません。
正解:選択肢4(がいしのフラッシオーバ防止に相間スペーサ)
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| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 直撃を防ぐため架空地線を施設 | 雷を先に受け止める。適当 |
| 2 | 逆フラッシオーバ防止に塔脚接地抵抗を減らす | 鉄塔の電位上昇を抑える。適当 |
| 3 | 2回線同時事故を避ける不平衡絶縁方式 | 片方を先に飛ばす。適当 |
| 4 | がいしのフラッシオーバ防止に相間スペーサ | ギャロッピング対策。がいし保護はアークホーン。不適当 |
不適当なのは選択肢4です。
引っかけの核心は、相間スペーサも短絡を防ぐ金具なので、放電を防ぐ側の道具に見えるところです。防いでいる短絡の原因が違います。
| 金具 | 何を防ぐか | はたらき |
|---|---|---|
| アークホーン | がいしの破損 | がいしの上下に角を付け、アークをがいしから離して飛ばす |
| 相間スペーサ | 相間短絡 | 相と相の間に絶縁の棒を渡し、電線が近づきすぎないようにする |
相間スペーサが効くのは、着雪した電線が風を受けて大きく上下に踊るギャロッピングのときです。振幅が大きくなると上下の相が接近して短絡します。それを機械的に止める金具です。
この2つの入れ替えは繰り返し出ています。令和元年度 No.25では「逆フラッシオーバを防止するため、相間スペーサを設ける」が誤りとされ(公表正答は2)、同じ問題でアークホーン・不平衡絶縁方式・アーマロッドの3つは正しい選択肢でした。逆に令和5年度 No.21のギャロッピングの問題では「防止対策として、送電線に相間スペーサを取り付ける方法がある」が正しい選択肢として置かれています(公表正答は1)。相間スペーサはギャロッピング側、と2年度から確認できます。
選択肢1の架空地線は、電線の上に張る接地された線です。雷を先に受け止めて電線への直撃を防ぎます。遮へい角を小さくするほど守れる範囲が確実になります。
選択肢2の逆フラッシオーバは、順番が逆の事故です。鉄塔や架空地線に雷が落ちると、雷電流が塔脚接地抵抗を流れて鉄塔の電位が高く持ち上がります。電線側より鉄塔側が高くなると、鉄塔から電線へ向かって放電が起きます。だから接地抵抗を小さくして電位の持ち上がりを抑えます。
選択肢3の不平衡絶縁方式は、同じ鉄塔に2回線を載せているときの対策です。片方の回線のがいしを少なめにして絶縁を弱くしておき、雷が来たらそちらを先に飛ばします。弱いほうが先に事故になれば、もう1回線は残って送電を続けられます。両方を同じ強さにすると、両方が同時に飛んで全停電になりかねません。
相間スペーサは何の対策か。
ギャロッピングによる相間短絡の対策です。がいしのフラッシオーバを防ぐのはアークホーンです。
塔脚接地抵抗を小さくするのはなぜか。
鉄塔に雷が落ちたときの電位の持ち上がりを抑え、鉄塔から電線へ飛ぶ逆フラッシオーバを防ぐためです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月