令和7年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.22は、架空送配電線路の塩害対策に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
この問題は、塩害対策の基本(塩分が付いても電気が流れにくくする手立て・沿面距離の稼ぎ方)を問うものです。なかでも引っかけの核心はアークホーンが何の対策の金具かで、雷害対策と塩害対策を分けられるかが分かれ目になります。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も不適当な記述)
> この論点をやさしく解説:塩害対策とは?がいしの種類・塗布・洗浄の使い分けを整理
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | アークホーンは雷害対策の金具。塩害を防ぐはたらきはない |
| 2 | ○(正しい) | シリコーンゴム外被のポリマーがいしは、水をはじいて塩分の膜をつくらせない |
| 3 | ○(正しい) | 懸垂がいしの連結個数を増やせば、対地間の絶縁強度が上がる |
| 4 | ○(正しい) | 深溝がいしは表面の溝で沿面距離を長くとり、耐電圧性能を上げている |
選択肢1のアークホーンは雷によるフラッシオーバからがいしを守る金具で、塩害対策にはあたりません。
アークホーンは、がいし連の両端に角のように取り付ける金具です。雷でフラッシオーバが起きたとき、アークをがいし本体から離れたホーンの間に飛ばして、がいしが熱で割れるのを防ぎます。守る相手は雷であって、塩分ではありません。
塩害は、海からの塩分ががいしの表面に付き、そこに霧や露で水分が加わって表面が電気を通す膜になることで起こります。だから対策は、塩分が付いても電気の通り道を長くするか、そもそも水の膜をつくらせないか、のどちらかになります。
残る3つはこの向きに沿っています。深溝がいしは表面の溝で沿面距離を稼ぎ、連結個数を増やすのは距離そのものを増やす手です。ポリマーがいしのシリコーンゴムは水をはじくので、塩分が付いてもつながった水の膜になりません。
アークホーンは何のための金具か。塩害対策になるか。
雷によるフラッシオーバのアークをがいし本体から引き離し、熱による破損を防ぐための金具です。雷害対策であって、塩害対策ではありません。
深溝がいしやスモッグがいしは、どのようにして塩害に強くしているか。
表面に深い溝やひだを設けて沿面距離を長くしています。塩分が付いても電気が表面を伝わって流れる距離が長くなるため、フラッシオーバしにくくなります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月