令和7年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.21は、送配電系統におけるフェランチ現象に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
この問題は、フェランチ現象の基本(起きる状況・電圧の向き・こう長との関係・抑える手立て)を問うものです。なかでも引っかけの核心は進み力率か遅れ力率かで、力率改善の話と混ぜていないかが分かれ目になります。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | こう長が長いほど対地静電容量が増えるため著しくなる |
| 2 | ○(正しい) | 受電端電圧が送電端電圧より高くなる。これがフェランチ現象そのもの |
| 3 | ○(正しい) | 分路リアクトルで遅れの無効電力を吸わせると抑制できる |
| 4 | ×(誤り) | 起きやすいのは進み力率のとき。「遅れ力率の負荷が多い」は逆 |
選択肢4の「遅れ力率の負荷が多く使用されているとき」という記述が誤りで、フェランチ現象が起きるのは線路電流が進み力率になったときです。
送電線には、導体と大地の間に静電容量があります。ここを流れる充電電流は電圧より位相が進んだ電流です。ふだんは遅れ力率の負荷電流のほうが大きいので目立ちませんが、負荷が軽くなると力関係が入れ替わります。
深夜や休日のように負荷が減ると、線路を流れる電流全体が進み側に傾きます。進み電流が線路のリアクタンスを通ると、電圧を下げるのではなく押し上げる向きに働くため、受電端の電圧が送電端より高くなります。これがフェランチ現象です。
問題文の「遅れ力率の負荷が多く使用されているとき」は、ふつうの重負荷の状態です。そのときは受電端の電圧はむしろ下がります。抑えたいときは分路リアクトルを入れ、遅れの無効電力を吸わせて進み分を打ち消します。
フェランチ現象はどのようなときに起きやすいか。
深夜や休日のように負荷が軽く、線路電流が進み力率になったときです。遅れ力率の負荷が多い重負荷時ではありません。
フェランチ現象を抑制するには何を設置するか。
分路リアクトルです。遅れの無効電力を吸わせて、線路の静電容量による進み分を打ち消します。進相コンデンサを開放して進み分を減らす方法もあります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月