令和7年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.23は、配電系統の保護に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
この問題は、配電線の保護の基本(地絡と短絡で使う継電器の違い・遮断する装置)を問うものです。なかでも引っかけの核心は短絡保護に使う継電器の種類で、継電器が何を測って動くかを押さえているかが分かれ目になります。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(最も不適当な記述)
> この論点をやさしく解説:保護継電方式とは?距離・過電流・差動継電器が何を測るかの違いを整理
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 地絡保護には地絡継電器を施設する。零相電流を検出して動く |
| 2 | ×(誤り) | 短絡保護に使うのは過電流継電器。過電圧継電器は電圧の上昇で動く |
| 3 | ○(正しい) | 短絡保護のため電路に過電流遮断器を施設する |
| 4 | ○(正しい) | 異相地絡は大きな電流が流れるため、過電流継電器と地絡継電器を併用する |
選択肢2の「短絡保護のため、過電圧継電器を施設する」という記述が誤りで、短絡保護に用いるのは過電流継電器です。
継電器の名前は、何を測って動くかをそのまま表しています。過電流継電器は電流が決めた値を超えたときに、過電圧継電器は電圧が決めた値を超えたときに動きます。
短絡が起きると、電源から短絡点までのわずかなインピーダンスだけで電流が決まるため、定格の何十倍もの電流が流れます。いっぽう電圧は短絡点でほぼ0まで下がります。つまり短絡で目立って動くのは電流のほうなので、検出に使うのは過電流継電器です。過電圧継電器は発電機の界磁の異常やフェランチ現象のように、電圧が上がる側の異常を見る継電器です。
異なる相が別の場所で地絡する異相地絡では、相間の短絡に近い大きな電流が流れます。このため選択肢4のように、地絡継電器だけでなく過電流継電器も組み合わせて確実に検出します。
高圧配電線の短絡保護には、どの継電器を用いるか。
過電流継電器です。短絡では電流が定格の何十倍にも跳ね上がるため、電流を見る継電器で検出します。過電圧継電器は電圧が上がる異常を見るもので、短絡保護には用いません。
短絡が起きたとき、短絡点の電圧はどうなるか。
ほぼ0まで下がります。電流は逆に大きく増えます。この向きの違いが、短絡保護に過電流継電器を使う理由です。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月