令和7年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.24は、配電系統に発生する電圧フリッカの抑制対策に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
この問題は、電圧フリッカの抑制の基本(発生源を切り離す・電源側のインピーダンスを下げる・変動そのものを抑える)を問うものです。なかでも引っかけの核心は変動の速さに対策が追いつくかで、ふだんの電圧調整とフリッカ対策を分けられるかが分かれ目になります。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当な記述)
> この論点をやさしく解説:電圧フリッカとは?発生源と3つの抑制対策の違いを整理
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 専用の変圧器から供給すれば、他の需要家に変動が伝わらない |
| 2 | ○(正しい) | 太線化して電源側インピーダンスを下げると、同じ電流変動でも電圧の振れが小さい |
| 3 | ×(誤り) | SVRは機械式のタップ切換。フリッカのような速い変動には追従できない |
| 4 | ○(正しい) | アーク炉用変圧器に直列の可飽和リアクトルを入れると電流変動そのものを抑えられる |
選択肢3の「発生源の電源側に自動電圧調整器(SVR)を施設する」という記述が誤りで、SVRが受け持つのはゆるやかな電圧変動です。
電圧フリッカは、アーク炉や溶接機のように電流が短い周期で激しく変わる負荷が原因で起きます。電流の変動が電源側のインピーダンスにかかって電圧を揺らし、照明のちらつきとして見えます。人が最も感じやすいのは1秒に何回という速さの変動です。
SVR(自動電圧調整器)は、変圧器のタップを機械的に切り換えて電圧を保つ装置です。負荷の増減による1日の中のゆるやかな電圧変化には効きますが、タップを動かす動作そのものに時間がかかるため、フリッカの速さには追いつきません。
残る3つは向きが合っています。専用変圧器で供給するのは変動を他へ伝えないため、太線化はインピーダンスを下げて同じ電流変動でも電圧の振れを小さくするため、可飽和リアクトルは電流の変動そのものを抑えるためです。
自動電圧調整器(SVR)は電圧フリッカの抑制対策になるか。
なりません。SVRは変圧器のタップを機械的に切り換える装置で、動作に時間がかかります。負荷の増減によるゆるやかな電圧変化には効きますが、フリッカのような速い変動には追従できません。
電線を太線化すると、なぜ電圧フリッカが小さくなるか。
電源側のインピーダンスが下がるためです。電圧の振れは電流の変動とインピーダンスの積で決まるので、インピーダンスが小さければ同じ電流変動でも電圧の揺れは小さくなります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月