令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.21は、架空送電線路のギャロッピングに関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、電線が揺れる2つの現象を区別できるかを問うものです。氷雪が落ちて跳ね上がるのはスリートジャンプで、ギャロッピングではありません。
ギャロッピングは、氷雪が付いたままの電線が風を受けて振動する現象です。
正解:選択肢1(氷雪が脱落して跳ね上がる)
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| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 氷雪が脱落し反動で跳ね上がる | スリートジャンプ。不適当 |
| 2 | 振幅が大きくなり相間短絡 | 上下の振れで別の相と接近。適当 |
| 3 | 単導体より多導体で発生しやすい | スペーサでまとまり揚力を受けやすい。適当 |
| 4 | 相間スペーサを取り付ける | 相どうしの接近を防ぐ。適当 |
不適当なのは選択肢1です。
引っかけの核心は、どちらも冬季に氷雪が原因で起きる現象なので、説明を入れ替えても違和感が出にくいところです。分かれ目は氷雪が付いているときか、落ちた瞬間かです。
| 現象 | きっかけ | 動き |
|---|---|---|
| ギャロッピング | 氷雪が付いた電線に風が当たる | 揚力で上下に大きく振動し続ける |
| スリートジャンプ | 氷雪が落ちる | その反動で1回跳ね上がる |
| サブスパン振動 | 多導体の風下側の電線が乱れた風を受ける | スペーサの間で振動する |
| 微風振動 | 弱い風でカルマン渦ができる | 小さな振幅で長く続き、電線が疲労で切れる |
ギャロッピングは、氷雪が電線の片側に付いて断面が飛行機の翼のような形になることから始まります。そこに風が当たると揚力が生まれ、電線が持ち上がります。
持ち上がると角度が変わって揚力が消え、電線は落ちます。落ちるとまた揚力が生まれる、という繰り返しで数メートルの振幅で上下に揺れ続けます。数十分から数時間続くこともあります。
スリートジャンプは、名前のとおり氷雪(スリート)が落ちた瞬間のジャンプです。重りが取れて電線が縮む反動で1回跳ね上がるだけで、揺れ続けはしません。
選択肢2は、その大きな振幅の結果です。上の相と下の相が近づくと、間の空気が絶縁を保てなくなって相間短絡になります。
選択肢3は、多導体の構造から来ます。多導体は数本の電線をスペーサでまとめているので、1本1本がばらばらに動けず、束全体が1つの翼のようにふるまいます。単導体よりねじれにくい分だけ、揚力を受け続けやすくなります。
選択肢4の相間スペーサは、相と相の間に絶縁物の棒を渡して、近づける以上の接近を止める部品です。揺れそのものは止めませんが、短絡は防げます。
| 対策 | ねらい |
|---|---|
| 相間スペーサ | 相どうしが接近しても短絡させない |
| ねじれ防止ダンパ | 電線がねじれて翼の形になるのを防ぐ |
| 難着雪リング | 雪が電線に巻き付くのを防ぐ |
ギャロッピングとスリートジャンプの違いは何か。
ギャロッピングは氷雪が付いた電線が風の揚力で上下に振動し続ける現象、スリートジャンプは氷雪が落ちた反動で1回跳ね上がる現象です。
相間スペーサは何を防ぐか。
相どうしが接近して起きる相間短絡です。揺れそのものは止めません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月