令和元年度 地質調査技士 土壌・地下水汚染部門 No.68を解説、二次汚染の防止
令和元年度 地質調査技士資格検定試験 土壌・地下水汚染部門 No.68は、土壌・地下水汚染調査での二次汚染を防止するための留意事項に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち最も適切なものを1つ選びます。
この問題のポイント
汚染調査のボーリングでは、機器や掘削水を通じて汚染を試料に持ち込んだり、下の地層へ広げたりする二次汚染を防ぐことが基本です。ほかの問題と違い、この問題は適切なものを1つ選びます。
引っかけの核心は、二次汚染を軽く見た記述です。選択肢2は「下層への汚染拡散は配慮不要」、選択肢3は「付着物は微量だから機器を使い回してよい」としています。
※ 問題文そのものは、一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も適切な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 記述の要旨 | 正誤 |
|---|---|---|
| 1 | 泥水中の汚染物質濃度を適宜測定し、泥水の交換時期を判断する | ○ 正答(適切な配慮) |
| 2 | 下層地盤への汚染拡散は予測が難しいので、事前の調査計画で配慮する必要はない | ×(誤り) |
| 3 | 付着する有害物質は微量なので、機器を繰り返し試料採取に用いてよい | ×(誤り) |
| 4 | 残孔はコアで埋め戻すのが原則、不足分は硅砂などで埋め戻してよい | ×(誤り) |
選択肢2・3・4は、二次汚染を防ぐ配慮が足りない記述です。選択肢1だけが、汚染の広がりを抑える適切な配慮を述べています。
選択肢1が正しい理由と、他の引っかけ
選択肢1は、泥水中の汚染物質の濃度を適宜測定して泥水の交換時期を判断するという記述です。汚染された泥水を使い続けると汚染を広げるため、濃度を見て交換するのは適切な配慮です。
選択肢2は「下層地盤への汚染拡散は予測が難しいため配慮する必要はない」としていますが、予測が難しいからこそ、事前の調査計画で汚染を下層へ広げない配慮が必要です。
選択肢3は「付着物は微量だから機器を繰り返し使ってよい」としていますが、機器に付着した土は二次汚染の原因になるため、使うたびに洗浄が必要です。付着物が微量でも使い回してはいけません。
選択肢4は、残孔(掘削後の孔)を分析試料としなかったコアで埋め戻すことを原則としていますが、残孔は周辺の地層より透水性の小さい材料(ベントナイト・セメントミルクなどの遮水材)で埋め戻し、掘削孔を通じて汚染が深部へ移動するのを防ぐのが原則です。
選択肢1が、二次汚染防止の記述として最も適切です。汚染を試料や下層に持ち込まない(機器は洗浄し、汚染水は交換し、残孔は遮水材で埋め戻す)と押さえます。
覚え方
- 二次汚染防止=機器を洗浄して使い回さない・汚染を下層や深部へ広げない
- 付着物が微量でも機器は洗浄する(使い回しはクロスコンタミの原因)
- 下層への汚染拡散は事前の調査計画で配慮する、残孔は遮水材で埋め戻す
理解度チェック
問題:ボーリング資材に付着する有害物質は微量なので、資材を洗浄せず繰り返し試料採取に用いてよい。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
付着した土は二次汚染の原因になります。微量でも使うたびに洗浄が必要です(選択肢3は不適切)。
問題:下層地盤への汚染拡散は予測が難しいため、事前の調査計画で配慮する必要はない。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
予測が難しいからこそ、事前の調査計画で汚染を下層へ広げない配慮が必要です(選択肢2は不適切)。
出典・参考資料
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)「令和元年度 地質調査技士資格検定試験 土壌・地下水汚染部門 試験問題」/全地連「技術者向け現場管理ハンドブック(調査編)」
- 環境省「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン」(掘削孔の埋め戻しは周辺地層より透水性の小さい材料〔ベントナイト・セメントミルク等〕を用い、汚染物質が深部へ移動するのを防ぐ)
※ 手順の詳細は、最新の一次資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月