令和7年度 地質調査技士 現場調査部門 No.82を解説、岩の掘進
令和7年度 地質調査技士資格検定試験 現場調査部門(選択B群)No.82は、岩の掘進に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち最も不適当なものを1つ選びます。
この問題のポイント
岩の掘進では、岩の種類(粘質な軟岩・亀裂性の中硬岩・超硬岩・破砕帯)に応じて、泥水やケーシング、ビットを選びます。どの岩でどう対応するかが問われます。
引っかけの核心は、高粘性の泥水と送水圧の関係です。高粘性の泥水はむしろ送水圧を上げるのに、選択肢1は「送水圧上昇防止のため高粘性の泥水を使う」としています。
※ 問題文そのものは、一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 記述の要旨 | 正誤 |
|---|---|---|
| 1 | 粘質な軟岩では、送水圧上昇防止のため高粘性の泥水を使うのが一般的 | ×(誤り) 正答。高粘性は送水圧を上げる |
| 2 | 亀裂性の中硬岩では、泥水よりケーシングによる孔壁保護が一般的 | ○ |
| 3 | 超硬岩では、ダイヤモンドビットのマトリックスの硬さの選択が重要 | ○ |
| 4 | 破砕帯では、近年ポリマー系の高粘性泥水を使うことが多い | ○ |
選択肢2・3・4は、岩の掘進の対応として妥当です。選択肢1だけが、高粘性泥水を使う理由を取り違えています。
選択肢1のポイント(ここが誤り)
泥水は粘性が高いほど流れにくく、送るのに大きな圧力が要ります。つまり高粘性の泥水は、送水圧を上げる方向にはたらきます。
選択肢1は「送水圧上昇防止のため高粘性の泥水を使う」としていますが、これは逆です。
送水圧の上昇を防ぎたいなら高粘性の泥水は選びません。
高粘性の泥水はむしろ送水圧を上げるので、理由が成り立ちません。
なお破砕帯で高粘性泥水を使うのは、逸泥(泥水の逃げ)を防ぐためで、選択肢4は正しい使い方です。
選択肢1は、岩の掘進の記述として最も不適当です。高粘性の泥水は送水圧を上げる(送水圧上昇防止の理由にならない)と押さえます。
覚え方
- 高粘性の泥水は流れにくく送水圧を上げる。破砕帯では逸泥防止に高粘性泥水を使う
- 中硬岩の亀裂はケーシングで孔壁保護、超硬岩はダイヤモンドビットのマトリックス選択が重要
- 「送水圧上昇防止のため高粘性」は理由を逆にした引っかけ
理解度チェック
問題:粘質な軟岩では、送水圧上昇防止のため高粘性の泥水を使うのが一般的である。
〇か×か。
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答え:×
高粘性の泥水はむしろ送水圧を上げます。送水圧上昇防止の理由にはなりません。
問題:破砕帯では、近年ポリマー系の高粘性泥水を使うことが多い。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
破砕帯では泥水が逃げやすいため、逸泥を防ぐ目的で高粘性泥水を使います(選択肢4は正しい)。
出典・参考資料
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)「令和7年度 地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 試験問題」
- 地盤工学会「地盤調査の方法と解説」ほか(岩の掘進における泥水・ケーシング・ビットの選択、泥水の粘性と送水圧の関係)
※ 岩の掘進の詳細は、最新のボーリング関連基準で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月