令和5年度 地質調査技士 現場調査部門 No.77を解説、岩石・土質の状態と比抵抗
令和5年度 地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 No.77は、岩石・土質の状態と比抵抗の関係に関する問題です。この問題では、4つの要因と比抵抗の大小の組合せのうち、最も適当なものを1つ選びます。
この問題のポイント
比抵抗は、電気の通しにくさを表す値です。水や粘土が多いと電気を通しやすくなり、比抵抗は低くなります。
比抵抗は、間隙率・水飽和度・間隙水の比抵抗・導電性鉱物の量という4つの要因で決まります。
引っかけの核心は1点、間隙水の比抵抗だけは向きが逆という点です。ほかの3つは大きいほど比抵抗が低くなりますが、間隙水の比抵抗が大きいと岩石の比抵抗は高くなります。
※ 問題文そのものは、一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も適当な組合せ)
各選択肢の正誤
選択肢は、4つの要因が大きいときに比抵抗がどうなるかの組合せです。正しい向きは次のとおりで、これをすべて満たすのが選択肢1です。
| 要因 | その要因が大きいと、比抵抗は |
|---|---|
| 間隙率(すき間の割合) | 低くなる(水みちが増える) |
| 水飽和度 | 低くなる(すき間が水で満たされる) |
| 間隙水の比抵抗 | 高くなる(水そのものが電気を通しにくい) |
| 導電性鉱物(粘土など)の量 | 低くなる(鉱物の表面が電気を通す) |
選択肢1が、この4つの向きをすべて正しく組み合わせた記述です。選択肢2・3・4は、どれかの向きを逆にした誤りの組合せです。
選択肢1のポイント(ここが正しい)
間隙率・水飽和度・導電性鉱物の量が大きいほど、電気を通す道が増えるので比抵抗は低くなります。
一方、間隙水の比抵抗だけは向きが逆です。水そのものが電気を通しにくい(間隙水の比抵抗が高い)と、岩石全体の比抵抗も高くなります。選択肢1はこの4つの向きを正しく組み合わせています。
考え方をまとめます。
電気は、すき間を満たす水と、粘土などの鉱物表面を通って流れます。だから水や粘土が多いほど通しやすく、比抵抗は低くなります。
ただし、通り道である水自体が電気を通しにくければ、いくら水があっても通しにくく、比抵抗は高くなります。
選択肢1が、比抵抗の組合せとして最も適当です。間隙率・水飽和度・導電性鉱物が大きい=比抵抗低/間隙水の比抵抗が大きい=比抵抗高と押さえます。
覚え方
- 間隙率・水飽和度・導電性鉱物(粘土)が大きいほど比抵抗は低い/間隙水の比抵抗が大きいと比抵抗は高い
- 水や粘土が多い=電気を通す=比抵抗が低い
- 間隙水の比抵抗だけは向きが逆(水そのものが通しにくいと岩石も比抵抗高)
- 比抵抗が低い=水・粘土が多い、比抵抗が高い=しまった岩盤
理解度チェック
問題:間隙率や水飽和度が大きいほど、岩石・土質の比抵抗は低くなる。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
すき間や水が多いほど電気を通す道が増えるので、比抵抗は低くなります。
問題:間隙水の比抵抗が大きいほど、岩石の比抵抗は低くなる。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
間隙水の比抵抗だけは向きが逆です。水そのものが電気を通しにくいと、岩石の比抵抗は高くなります。
出典・参考資料
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)「令和5年度 地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 試験問題」
- アーチーの式(岩石の比抵抗と間隙率・水飽和度・間隙水の比抵抗の関係)/比抵抗と含水・粘土に関する技術資料
※ 比抵抗と各要因の関係は、物理探査・検層の標準的な資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月