地すべりは過去問でどう問われる?素因と誘因・観測機器の引っかけ
ちしつモグラ
地すべりの素因と誘因って何が違うの?切土はどっちに入るの?
この記事の要点
- 地すべりは社会一般・地質・調査技術の科目で、ほぼ毎年出る定番。
- 問われ方は「素因と誘因の区別」と「観測機器と目的の対応」の2つに集約できる。
- 最頻の引っかけ=切土・盛土を素因に入れること。切土・盛土は素因でなく誘因。用語の意味は地すべりの用語ページへ。
斜面がゆっくり滑り落ちる現象を地すべりといいます。滑りやすい下地(素因)と引き金(誘因)の区別、観測機器の使い分けが問われるので、過去問での出方を見ていきます。
過去問でどう問われるか?
地すべりは、平成28年度・令和元年度・令和7年度と、部門をまたいでほぼ毎年問われる定番です。まず、素因と誘因の区別を押さえます。地すべりは、もともと滑りやすい下地(素因)をもつ斜面に、引き金(誘因)が加わって起こります。
断層・破砕帯やスレーキングしやすい泥岩などは素因、降雨・地震・切土・盛土は誘因です。切土・盛土は人の手による引き金で、素因ではありません。
観測は、機器ごとに測るものが決まっています。
| 機器・方法 | 主に分かること |
|---|---|
| ボーリング調査 | すべり面の深度と性状(土や粘土のようす) |
| パイプひずみ計・孔内傾斜計 | すべり面の位置・深さ(孔の曲がり・ひずみから) |
| 地盤伸縮計 | 地表での地すべりブロックの変位量 |
| 地下水検層 | 地下水の流動層 |
ここまでをふまえると、引っかけは大きく2パターンです。
- ① 素因と誘因を取り違える……切土・盛土(人為の引き金)を素因に入れる(素因は断層・破砕帯・スレーキング泥岩などの地質の下地)
- ② 観測機器と目的を取り違える……パイプひずみ計に土圧分布を結び付ける(パイプひずみ計はすべり面の位置・深さを捉える機器)
| 年度・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| R07 現場調査 No.14(H28の複数部門も同型) | 「斜面の切土」を素因に入れた → 切土・盛土は人為的な誘因。素因は地質の下地 ←①素因と誘因 |
| R01 現技管 | パイプひずみ計に「土圧分布」を結び付けた → すべり面の位置・深さを捉える機器 ←②機器と目的 |
※ 問題番号と正解は、全地連が公開している過去問・正答で確認しています。
つまり切土・盛土は素因でなく誘因、パイプひずみ計はすべり面の位置を捉える機器が核心です。
理解度チェック
問題:斜面の切土は、地すべりの素因のひとつである。
〇か×か。
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答え:×
切土は人為的な誘因(引き金)です。素因は断層・破砕帯やスレーキングしやすい泥岩などの地質の下地です(H28・R07の引っかけ)。
問題:パイプひずみ計は、すべり面の位置・深さを捉える観測機器である。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
パイプひずみ計や孔内傾斜計は、孔の曲がり・ひずみからすべり面の位置・深さを捉えます。土圧分布を求めるものではありません(R01現技管の引っかけ)。
問われるのは、素因と誘因の区別・観測機器と目的の対応の2点。ここを外さなければ、地すべりの問題は取りこぼしません。
出典・参考資料
- 斜面防災対策技術協会「地すべりが発生するしくみ」ほか地すべり調査・観測の技術資料。素因・誘因の定義は一次資料で確認。
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)地質調査技士検定試験(H28・R01・R07 ほか 地すべり関連問題)。出題番号・正答は全地連公開の過去問・正答番号で照合。
※ 各設問の「問われ方」と引っかけを自分の言葉でまとめています。
※ この記事の確認日:2026年6月