令和5年度 地質調査技士 現場調査部門 No.12を解説、土砂災害の種類と特徴
令和5年度 地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 No.12は、土砂災害の種類と特徴に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち最も適当なものを1つ選びます。
この問題のポイント
土砂災害には、土石流・がけ崩れ・地すべり・深層崩壊があります。見分ける軸は、動く速さ(ゆっくりか突発か)と、崩れる深さ(表層か深層か)です。
地すべりはすべり面に沿ってゆっくり移動し、がけ崩れは急斜面が突発的に崩れ落ちます。深層崩壊は、表土層だけでなく深層の地盤まで崩れる大規模なものです。
引っかけの核心は1点、地すべりはゆっくり動くという速さです。地すべりを「急激に崩れ落ちる」とする記述は、がけ崩れの特徴と入れ替えた誤りです。
※ 問題文そのものは、一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 記述の要旨 | 正誤 |
|---|---|---|
| 1 | 土石流の特徴の記述 | ×(誤り) 特徴の取り違え(土石流は土砂・石れきが水と一体で流下) |
| 2 | がけ崩れの特徴の記述 | ×(誤り) 特徴の取り違え |
| 3 | 地すべりは、急激に崩れ落ちる | ×(誤り) 地すべりはゆっくり移動する(急激なのはがけ崩れ) |
| 4 | 深層崩壊は、表土層だけでなく深層の地盤までもが崩壊土塊となる | ○(正しい) |
選択肢1・2・3は、各災害の特徴を入れ替えた記述です。選択肢4が、深層崩壊を正しく述べた記述です。
選択肢4のポイント(ここが正しい)
深層崩壊は、斜面崩壊のうち、すべり面が表層崩壊よりも深いところにできるものです。
表土層だけでなく深層の地盤(風化岩盤など)までもが崩壊土塊となり、規模が大きくなります。だから選択肢4は正しい記述です。厚さ0.5〜2mほどの表層だけが滑る表層崩壊とは、崩れる深さが違います。
ほかの選択肢が誤りの理由も押さえます。
地すべりは、すべり面に沿って土塊がゆっくり移動する現象です。急激に崩れ落ちるのはがけ崩れで、選択肢3は速さを取り違えた誤りです。
土石流は、土砂や石れきが多量の雨水・渓流水と一体になって流れ下る現象です(選択肢1)。がけ崩れは、急斜面の土塊が突発的に崩れ落ちる現象です(選択肢2)。
選択肢4が、土砂災害の記述として最も適当です。地すべり=ゆっくり、がけ崩れ=突発、深層崩壊=深層まで大規模と押さえます。
覚え方
- 地すべり=ゆっくり移動/がけ崩れ=突発的に崩落/深層崩壊=深層まで崩れ大規模
- 地すべりを「急激に崩れ落ちる」とするのはがけ崩れとの入れ替え(引っかけ)
- 表層崩壊=表土層のみ/深層崩壊=表土層+深層の地盤(風化岩盤)
- 土石流=土砂・石れきが雨水・渓流水と一体で流下
理解度チェック
問題:地すべりは、急激に崩れ落ちる土砂災害である。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
地すべりはすべり面に沿ってゆっくり移動します。急激に崩れ落ちるのはがけ崩れです。
問題:深層崩壊は、表土層だけでなく深層の地盤までもが崩壊土塊となる。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
すべり面が表層崩壊より深く、深層の地盤(風化岩盤など)まで崩れる規模の大きな崩壊です。
出典・参考資料
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)「令和5年度 地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 試験問題」
- 国土交通省 砂防「深層崩壊」/土砂災害(土石流・がけ崩れ・地すべり・深層崩壊)の種類と特徴に関する資料
※ 土砂災害の定義・区分は、国土交通省・砂防関係の最新資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月