孔内傾斜計とは?ガイド管の曲がりですべり面・変位を捉える
ちしつモグラ
孔内傾斜計って何を測る機器なの?パイプひずみ計と何が違うの?
この記事の要点
- ボーリング孔に入れたガイド管に測定器(プローブ)を挿入し、ガイド管の曲がりから地中の変位を測る観測機器。
- 最初に入れたときの形(初期値)との差で、すべり面の位置・深さ・移動量を捉える。
- 引っかけの核心=孔内傾斜計はすべり面の位置・変位を捉える動態観測の機器。締固め管理のRI計器とは別物。
孔内傾斜計とは、ボーリング孔に埋めたガイド管に測定器(プローブ)を入れて、ガイド管の曲がりを測る観測機器です。
最初に埋めたときのガイド管の形(初期値)と、その後の計測結果の差から変位量を求めます。
地すべりなどで地中が動くとガイド管が曲がるので、すべり面の位置・深さや移動量が分かります。
装置・計測の図解は1次資料を参照
孔内傾斜計の装置(ガイド管・プローブ)と計測のしくみの図解は、国土交通省所管の土木研究所 地すべりチーム「挿入式孔内傾斜計計測マニュアル(案)」に掲載されています。正確な装置図はそちら(本記事の出典欄に記載)でご確認ください。
挿入式と設置式
孔内傾斜計には2種類あります。
挿入式は、プローブを孔の底から一定の間隔で引き上げながら各区間の傾きを測り、それを足し合わせてガイド管全体の形を求めます。
設置式(固定式)は、傾斜センサーを多段に埋め込んで自動で計測します。
挿入式は同じ孔をくり返し測れ、設置式は連続して自動で監視できます。
パイプひずみ計とのちがい
どちらもすべり面の位置を捉えますが、測り方が違います。
孔内傾斜計はガイド管の曲がりをプローブで測り、パイプひずみ計はパイプの変形をひずみゲージで電気的に測ります。
パイプひずみ計は感度が高く、微小な変動を捉えるのが得意です。
過去問での問われ方:動態観測の計器
孔内傾斜計は、軟弱地盤・地すべりの動態観測に使う計器として出ます(h30現技管No.27ほか)。
引っかけは動態観測の計器に締固め管理のRI計器を混ぜることです。
動態観測には孔内傾斜計・地中層別沈下計・間隙水圧計を使い、RI水分密度計は動態観測の計器ではありません(h30のNo.27でRI水分密度計が不適切)。
挿入式孔内傾斜計のアルミガイドパイプ設置(R03現場調査No.30ほか)も出ます。
| 計器 | 主な用途 | 動態観測か |
|---|---|---|
| 孔内傾斜計 | すべり面の位置・変位 | ○ 動態観測 |
| 地中層別沈下計 | 深さ別の沈下量 | ○ 動態観測 |
| 間隙水圧計 | 間隙水圧の変化 | ○ 動態観測 |
| RI水分密度計 | 土の水分・密度 | × 締固め管理 |
間違えやすい:孔内傾斜計 と RI計器
孔内傾斜計は地中の変位(すべり面)を捉える動態観測の機器です。
RI水分密度計は土の水分や密度を測る締固め管理の機器で、動態観測には使いません。
盛土や地すべりの動態観測の機器を問う問題で、RI計器を混ぜるのが引っかけです。
理解度チェック
問題:孔内傾斜計は、ガイド管にプローブを挿入し、初期値との差から地中の変位を求める。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
最初に埋めたときの形(初期値)とその後の計測の差で、すべり面の位置・深さや移動量を捉えます。
問題:RI水分密度計は、盛土の動態観測に用いられる計器である。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
RI水分密度計は締固め管理で水分・密度を測る機器です。動態観測には、孔内傾斜計・沈下計・間隙水圧計などを使います。
孔内傾斜計はガイド管の曲がりで地中の変位・すべり面を捉える動態観測の機器。ここが出題の中心です。
出典・参考資料
- 土木研究所 地すべりチーム「地すべり地における挿入式孔内傾斜計計測マニュアル(案)」ほか。原理・計測方法は一次資料で確認。
- 全地連 地質調査技士検定試験(h30 現場技術・管理部門 No.27 動態観測の計器/R03 現場調査部門 No.30 挿入式孔内傾斜計の設置 ほか)。出題番号・正答は全地連公開の過去問・正答番号で照合。
※ 用語の意味を自分の言葉で書いています。計測間隔・配合などの数値は最新の一次資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月