動態観測の計器は過去問でどう問われる?孔内設置・地表設置とすべり面の引っかけ
ちしつモグラ
地すべりや盛土を見張る計器って、どれが孔の中でどれが地面の上なの?
この記事の要点
- 動態観測の計器はボーリング孔内に設置するもの(層別沈下計・地中変位計・電気式間隙水圧計・孔内傾斜計・多層移動量計)と、地表に設置するもの(地表面沈下板・地表面変位杭・地盤伸縮計)に分かれる。
- 「孔内に設置する計器」を問われたら、地表面沈下板や地表面変位杭を選ぶと誤り。
- 多層移動量計はすべり面での移動量を直接つかみ、複数のすべり面の位置を判定できる。
盛土や地すべりの土地では、動きを見張る動態観測を行います。どの計器を孔内に入れるか、どの計器が何を測るかが問われるので、過去問での出方を見ていきます。
過去問でどう問われるか?
動態観測は、令和元年度・令和6年度・平成30年度と現場調査部門でくり返し問われています。まず、計器を孔内設置と地表設置に分けて押さえます。
| 設置場所 | 計器 |
|---|---|
| ボーリング孔内 | 層別沈下計、地中変位計、電気式間隙水圧計、孔内傾斜計、パイプひずみ計、多層移動量計 |
| 地表 | 地表面沈下板、地表面変位杭、地盤伸縮計 |
| 計器 | 測るもの |
|---|---|
| 多層移動量計 | すべり面での移動量を直接つかむ。複数のすべり面の位置を判定できる |
| 孔内傾斜計 | 孔の傾きから地中の水平変位。すべり面の位置がわかる |
| 層別沈下計 | 深さごとの沈下量 |
| 電気式間隙水圧計 | 地中の間隙水圧 |
| 地盤伸縮計 | 地表の亀裂の開きや地すべりの移動状況 |
「地表面〜」とつく計器と地盤伸縮計は地表設置です。この区分をふまえると、引っかけは大きく2パターンです。
- ① 孔内か地表かを取り違える……「孔内に設置する計器」に地表面沈下板・地表面変位杭を混ぜる(名前に「地表面」がつくもの・地盤伸縮計は地表設置)
- ② すべり面をつかむ計器を取り違える……多層移動量計はすべり面での移動量を直接つかみ、複数のすべり面の位置を判定できる(孔内傾斜計も地中の変位からすべり面の位置がわかる)
| 年度・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| R01 現場調査 No.63 | 地表面沈下板を孔内設置とした → 地表設置 ←①孔内か地表か |
| R06 現場調査 No.62 | 地表面変位杭を孔内設置とした → 地表設置 ←①孔内か地表か |
| h30 現場調査 No.79 | 多層移動量計はすべり面移動量を直接把握(正しい)→ 複数のすべり面位置を判定 ←②すべり面 |
※ 問題番号と正解は、全地連が公開している過去問・正答で確認しています。
つまり「地表面」とつく計器・地盤伸縮計は地表設置、すべり面を直接つかむのは多層移動量計が核心です。
理解度チェック
問題:地表面沈下板は、ボーリング孔内に設置する動態観測計器である。
〇か×か。
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答え:×
地表面沈下板は地表に設置します。孔内に設置するのは層別沈下計・地中変位計・電気式間隙水圧計・孔内傾斜計などです。
問題:すべり面での移動量を直接つかみ、複数のすべり面の位置を判定できるのは多層移動量計である。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
多層移動量計は、孔の各深さに固定したワイヤーの伸縮からすべり面の移動量を直接つかみます。複数のすべり面の位置を判定できます。
問題:地盤伸縮計は、ボーリング孔内で地中のすべり面の移動量を測る計器である。
〇か×か。
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答え:×
地盤伸縮計は地表に設置し、亀裂の開きや移動状況を見ます。地中のすべり面は多層移動量計や孔内傾斜計でつかみます。
問われるのは、計器の孔内/地表の区別と、すべり面をつかむ計器。ここを外さなければ、動態観測の問題は取りこぼしません。
出典・参考資料
- 地質調査技士検定 過去問題(全国地質調査業協会連合会=全地連/現場調査部門 R01 No.63、R06 No.62、h30 No.79)。正答は全地連公開の正答番号で照合。
- 農林水産省「地すべり監視体制構築の手引き」、(一社)日本地すべり学会(多層移動量計・孔内傾斜計・地盤伸縮計などの設置場所と計測目的)。
- 軟弱地盤盛土・地すべりの動態観測(孔内設置計器と地表設置計器の区別)。
※ 論点と用語の意味を自分の言葉で書いています。最新の基準・手引きで確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月