断層・破砕帯とは?破砕帯の構造と露頭記載の注意点
ちしつモグラ
断層って露頭で何を見ればいいの?断層ガウジと断層角礫って何が違うの?
この記事の要点
- 断層は地層・岩盤がずれた割れ目で、まわりに岩石が壊れた破砕帯を伴う。
- 破砕帯の中心は細かい断層ガウジや岩片を含む断層角礫からなる。露頭やコアでは破砕幅・走向傾斜・ずれの向きを記載する。
- 引っかけの核心=断層は熱水変質や風化作用により、破砕幅が実際より広く見える場合がある。見た目の幅をそのまま受け取らない。
断層とは、地殻に力が加わって地層や岩盤がずれた割れ目です。
そのずれの面(断層面)のまわりには、岩石が砕かれた破砕帯ができます。
破砕帯はトンネルや基礎の弱点になりやすく、地質調査で見落とせない対象です。
破砕帯の構造:断層ガウジと断層角礫
破砕帯の中心部は、岩石が細かくすりつぶされた断層ガウジ(細粒・未固結の粘土状の物質)でできています。
その外側には、より大きな岩片を多く含む断層角礫があります。
断層ガウジは熱水変質を受けて粘土鉱物を多く含むことがあり、断層粘土とも呼ばれます。
| 破砕帯の物質 | 特徴 | 位置 |
|---|---|---|
| 断層ガウジ(断層粘土) | 細粒・未固結。熱水変質で粘土鉱物を含む | 破砕帯の中心部 |
| 断層角礫 | より大きな岩片を多く含む | ガウジの外側 |
露頭・コアでの記載項目
断層を記載するときは、破砕帯の幅、断層面の走向・傾斜、そして両側がどちらに動いたかというずれの向き(センス)を記録します。
破砕幅と走向・傾斜だけでなく、破砕帯の内部構造の観察も欠かせません。
これらは断層の活動性や規模を判断する手がかりになります。
過去問での問われ方:露頭での断層記載
断層・破砕帯は露頭単位での記載の留意点で出ます(h28現場調査No.97ほか)。
引っかけは記載項目の省略です。
適切なのは「断層は熱水変質や風化作用により破砕幅が実際より広く見える場合がある」で(h28のNo.97の正解(1))、「破砕幅と走向・傾斜を記載すれば内部構造の観察は不要」「ずれのセンスは記載不要」「断層ガウジは粘土以下の粒度分布を示すもの」はいずれも誤りです。
内部構造・ずれの向きも記載が必要です。
年度をまたいだ問われ方は断層・破砕帯の論点整理を参照してください。
注意:見た目の破砕幅をそのまま信じない
断層のまわりは、熱水変質や風化作用で岩石がもろくなり、破砕帯の幅が実際より広く見えることがあります。
露頭で見える幅をそのまま断層の破砕幅と記載すると、過大評価になります。
「破砕幅と走向・傾斜さえ記載すれば内部構造の観察は不要」とするのも引っかけです。
理解度チェック
問題:断層は、熱水変質や風化作用により、破砕幅が実際より広く見える場合がある。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
まわりの岩石が熱水変質や風化でもろくなるため、見かけの破砕幅が広く見えることがあります。見た目の幅をそのまま受け取らない注意が必要です。
問題:断層の記載では、破砕幅と走向・傾斜さえ書けば、破砕帯の内部構造の観察は不要である。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
破砕幅・走向傾斜に加えて、内部構造やずれの向きの観察も必要です。これらが断層の活動性や規模の判断材料になります。
断層の破砕幅は、熱水変質や風化で実際より広く見えることがある。露頭記載の出題ではここが問われます。
出典・参考資料
- 断層岩の分類(大鹿村中央構造線博物館 ほか)/断層破砕帯の地質記載に関する技術資料。用語の定義・分類は一次資料で確認。
- 全地連 地質調査技士検定試験(h28 現場調査部門 No.97 露頭での断層記載 ほか)。出題番号・正答は全地連公開の過去問・正答番号で照合。
※ 用語の意味を自分の言葉で書いています。定義・分類は最新の一次資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月