断層は過去問でどう問われる?調査方法と露頭記載の引っかけ
ちしつモグラ
断層の調査って、目的でやり方が変わるの?活断層はどうやって調べるの?
この記事の要点
- 断層・破砕帯は地質・調査技術の科目で、ほぼ毎年出る。
- 問われ方は「調査方法と目的の対応」と「露頭での記載の留意点」の2つに集約できる。
- 最頻の引っかけ=調査方法の組合せの取り違え。活断層の活動履歴はトレンチ調査で調べる。用語の意味は断層・破砕帯の用語ページへ。
地層や岩盤がずれて食い違った境界を断層、その周りの砕けた帯を破砕帯といいます。調べ方は目的(活動履歴か、位置・形態か)で変わり、露頭での記載にも注意点があるので、過去問での出方を見ていきます。
過去問でどう問われるか?
断層・破砕帯は、平成28・29・30年度に現技管・現場調査でくり返し問われています。まず、目的ごとに使う調査方法を押さえます。
| 調べたいこと | 調査方法 |
|---|---|
| 活断層の活動履歴(浅い) | トレンチ調査 |
| 深い断層の位置・形態 | 反射法地震探査・弾性波探査 |
| 平野部に伏在する活断層 | 反射法地震探査 |
露頭やコアの記載では、破砕幅は熱水変質や風化で実際より広く見えることに注意します。この対応をふまえると、引っかけは大きく2パターンです。
- ① 調査方法と目的の組合せを取り違える……高角度の断層を鉛直ボーリングで追跡、とする(活動履歴はトレンチ。平野の伏在活断層は反射法が向く)
- ② 露頭の記載を省く・見た目の幅で書く……内部構造やずれの向き(センス)の観察は不要とする。破砕幅を見た目のまま記載する
| 年度・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| H28 現場調査 No.97(現技管 No.49も同型) | 断層記載で内部構造・ずれのセンスの観察は不要とした → 省略できない。破砕幅は変質・風化で広く見える ←②露頭記載 |
| H29 現技管 No.70 | 高角度の断層を鉛直ボーリングで追跡するとした → 活断層の活動履歴はトレンチ調査 ←①調査方法の組合せ |
| H30 現技管 No.61 | 反射法探査は平野部の伏在活断層の調査に利用される(=正しい記述として出題)。伏在活断層は反射法が向く ←①調査方法 |
※ 問題番号と正解は、全地連が公開している過去問・正答で確認しています。上の行は該当する過去問解説にリンクしています。
つまり活動履歴はトレンチ・深い断層や伏在活断層は反射法、破砕幅は変質や風化で広く見えるが核心です。
理解度チェック
問題:活断層の活動履歴を調べるには、トレンチ調査が適している。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
地表近くに溝を掘り、壁面の地層から過去の地震の履歴を読みます。深い位置や形態は反射法・弾性波探査で調べます(H29現技管No.70)。
問題:断層の破砕幅は、熱水変質や風化があっても、見た目の幅をそのまま記載してよい。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
熱水変質や風化で破砕幅は実際より広く見えることがあります。内部構造やずれの向きの観察も省略できません(H28現場調査No.97・現技管No.49)。
問われるのは、調査方法と目的の対応・露頭記載の留意点の2点。ここを外さなければ、断層の問題は取りこぼしません。
出典・参考資料
- 活断層調査(トレンチ調査・反射法地震探査)の技術資料(地震本部・産総研地質調査総合センター ほか)。調査方法の適用は一次資料で確認。
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)地質調査技士検定試験(H28・H29・H30 ほか 断層・活断層関連問題)。出題番号・正答は全地連公開の過去問・正答番号で照合。
※ 各設問の「問われ方」と引っかけを自分の言葉でまとめています。
※ この記事の確認日:2026年6月