平成28年度 地質調査技士 現場調査部門 No.97を解説、露頭での断層記載
平成28年度 地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 No.97は、露頭単位で断層を記載するときの留意点に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち最も適当なものを1つ選びます。
この問題のポイント
露頭で断層を記載するときは、見たままの幅をうのみにしないこと、そして観察を省かないことが大切です。破砕された幅は、あとから受けた変質や風化で実際より広く見えることがあります。
引っかけの核心は1点、破砕幅は実際より広く見えることがあるという点です。内部構造やずれの向きの記載を「不要」とする記述は誤りです。
※ 問題文そのものは、一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 記述 | 正誤 |
|---|---|---|
| 1 | 断層は、熱水変質や風化で破砕幅が実際より広く見える場合がある | ○(正答) |
| 2 | 破砕幅と走向・傾斜を記載すれば内部構造の観察は不要 | ×(誤り) 内部構造の観察は省略できない |
| 3 | 露頭でのずれのセンス(向き)の記載は不要 | ×(ずれの向きの記載は必要) |
| 4 | 断層ガウジは粘土以下の粒度分布を示すものをいう | ×(定義として不適当) |
選択肢2・3は観察や記載を「不要」とし、選択肢4は断層ガウジの定義が不適当です。選択肢1が、破砕幅の見え方の注意として正しい記述です。
選択肢1のポイント(ここが正しい)
断層の破砕された部分は、断層ができたあとに熱水による変質や風化を受けて、もろく崩れやすくなります。
すると、破砕された幅が実際より広く見えることがあります。
だから、見たままの幅をそのまま真の破砕幅と決めつけないのが記載の注意点です。
いっぽう、選択肢2・3のように内部構造の観察やずれの向き(センス)の記載を「不要」とするのは誤りです。
断層がどちらにずれたか、内部がどうなっているかは、断層の性質を知るうえで欠かせません。
記載を省略してはいけません。
選択肢1が、露頭での断層記載の留意点として最も適当です。破砕幅は変質・風化で広く見える/記載は省略しないと押さえます。
覚え方
- 断層の破砕幅は、熱水変質や風化で実際より広く見えることがある
- 内部構造の観察・ずれの向き(センス)の記載を「不要」とするのは引っかけ
- 見たままの破砕幅をうのみにしない
理解度チェック
問題:断層の破砕幅は、熱水変質や風化によって実際より広く見えることがある。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
あとから受けた変質や風化でもろくなり、破砕幅が広く見えることがあります。見たままの幅をうのみにしないのが注意点です。
問題:破砕幅と走向・傾斜を記載すれば、断層の内部構造の観察は不要である。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
内部構造の観察やずれの向きの記載は、断層の性質を知るうえで欠かせません。省略できません。
出典・参考資料
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)「平成28年度 地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 試験問題」
- 露頭での断層記載(破砕帯・破砕幅・ずれのセンス)に関する一般知識(産総研 地質調査総合センターほか)
※ 断層記載の詳細は、最新の資料・テキストで確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月