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検量線と定量方法(絶対検量線法・標準添加法・内標準法)|作業環境測定士

編集部

「標準添加法と内標準法、どっちがどっち?」で迷いますよね。3つの定量法は、何で濃度を読むか・何を加えるかで区別できます。

この記事の要点

検量線は、濃度がわかった標準溶液の測定値から作る「濃度と測定値の関係線」です。定量は検量線の直線範囲内で行います。

絶対検量線法=標準溶液で検量線を作る基本法。標準添加法=試料に既知量を加えてマトリックス効果に対処する法。内標準法=内標準物質を加えて測定値の変動を打ち消し精度を上げる法です。

定量方法は、分析に関する概論で毎年のように出ます。

原子吸光分析法ICP発光分光分析法など、機器分析の定量はすべて検量線を使うため、3つの定量法の目的と違いを押さえることが分析全体の土台になります。

3つの定量方法の違い

方法やり方目的・特徴
絶対検量線法濃度既知の標準溶液で検量線を作り、試料の測定値を当てはめる基本の方法。標準溶液は試料と似た組成にそろえると精度が上がる
標準添加法試料に既知量の標準物質を段階的に加えて測定し、外挿で濃度を求めるマトリックス(共存成分)の影響に対処。共存成分が未知でも使える
内標準法試料と標準の両方に内標準物質を加え、対象と内標準の測定値の比で求める装置の変動・注入量のばらつきを打ち消し、精度を上げる

内標準物質には、測定対象と物理的・化学的によく似た物質を選びます。対象と一緒に同じ変動を受けるため、比を取ると変動が打ち消されます。

検量線の直線範囲

測定値と濃度は、濃度が高くなると比例しなくなります(直線から外れます)。そのため定量は検量線の直線範囲内で行い、範囲を超えたら試料を希釈して測り直します

直線にならない場合は分析条件を見直します。ICP発光分光分析法は、原子吸光分析法より検量線の直線範囲が広いことが特徴です。

標準添加法は、検量線が直線である(濃度に比例する)ことが前提です。外挿で濃度を読むため、直線でないと正しく求められません。一方で、共存成分そのものを「あらかじめ知っておく必要」はありません。むしろ共存成分の影響を補正するための方法です。

混同しやすいところ

標準添加法 と 内標準法

標準添加法は「測定対象そのもの」を試料に加えてマトリックス効果に対処します。内標準法は「対象とは別の内標準物質」を加えて変動を打ち消し精度を上げます。加えるものが違います。

内標準法 と 精度

内標準法は測定値の変動を比で打ち消すため、精度は上がります。「測定値に誤差があるため精度が下がる」は誤りです。

絶対検量線法 と 標準添加法

絶対検量線法は別に作った検量線に当てはめる方法。標準添加法は試料そのものに加えて外挿する方法で、共存成分の影響を受けにくくなります。

過去問でどう問われたか

定量方法と検量線は、分析に関する概論の問10・問13あたりで毎年(令和5年8月〜令和8年2月)問われています。

年度問われ方・引っかけ
令和8年2月問13定量分析は検量線の直線範囲内で行う(正しい記述として出題)。
令和7年8月問10「標準添加法は共存成分が既知である必要がある」が誤り(未知でも使える)。
令和7年2月問10ICPの検量線の直線範囲は原子吸光より広い(正しい記述として出題)。
令和6年8月問10ICPの検量線の直線範囲は原子吸光より広いことが問われる。
令和5年8月問10「内標準法は測定精度が下がる」が誤り(精度を上げる方法)。

引っかけは次の型に整理できます。

  • 内標準法で精度が下がるとする(正しくは精度を上げる)。
  • 標準添加法は共存成分が既知である必要があるとする(未知でも使える)。
  • 直線範囲を超えたまま定量する(希釈して直線範囲内で測る)。
  • 内標準物質を対象と無関係な物質にする(似た物質を選ぶ)。

絶対検量線法は標準溶液で検量線、標準添加法はマトリックス効果に対処(共存成分が未知でも可)、内標準法は変動を打ち消し精度を上げます。定量は直線範囲内で。内標準法で精度が下がる・標準添加法は共存成分が既知である必要があるは引っかけです。

編集部メモ

定量方法は、各法の「目的」が要点です。標準添加法=マトリックス対処、内標準法=変動打ち消しで精度向上、絶対検量線法=基本、です。機器分析(吸光光度・原子吸光・ICP・ガスクロ)の定量はすべてこの枠組みなので、得点効率が高い論点です。

理解度チェック

問題:内標準法は、測定対象物質と内標準物質の測定値にそれぞれ誤差があるため、測定精度が下がる。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

内標準法は対象と内標準の測定値の比を取り、装置の変動などを打ち消すため精度は上がります(令和5年8月 分析概論 問10の論点)。

問題:標準添加法を用いる場合は、試料溶液中の共存成分があらかじめわかっている必要がある。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

標準添加法は共存成分(マトリックス)の影響を補正するための方法で、共存成分が未知でも使えます(令和7年8月 分析概論 問10の論点)。

問題:測定結果が検量線の濃度範囲を超えた場合は、試料溶液を希釈して再測定する。

〇か×か。

答えを見る

答え:

定量は検量線の直線範囲内で行います。範囲を超えたら希釈して測り直します(令和5年8月 分析概論 問10の論点)。

まとめ

定量方法は、絶対検量線法(標準溶液で検量線)・標準添加法(マトリックス効果に対処、共存成分が未知でも可)・内標準法(内標準物質で変動を打ち消し精度向上)の3つです。

定量は検量線の直線範囲内で行い、超えたら希釈します。

引っかけは、内標準法で精度が下がるとする・標準添加法は共存成分が既知である必要があるとする、の2つが定番です。

参考資料

  • 定量方法(絶対検量線法・標準添加法・内標準法)の目的と違い、検量線の直線範囲、内標準物質の選び方は、機器分析(定量分析)の基礎による。標準添加法はマトリックス効果への対処、内標準法は測定値の変動を打ち消して精度を上げる方法。
  • 過去問の問われ方は、安全衛生技術試験協会の公表試験問題(分析に関する概論 問10・問13ほか、令和5年8月〜令和8年2月)にもとづく・公表正答。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。