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ガスクロマトグラフ分析法(検出器と対象物質)|作業環境測定士

編集部

「この検出器は何を測る?」の組合せがこんがらがりますよね。FIDは有機物全般、FPDは硫黄・リン、ECDは有機ハロゲン、PIDは芳香族です。

この記事の要点

ガスクロの検出器は対象が決まっています。FID=有機化合物全般、FPD=硫黄・リン化合物、ECD=有機ハロゲン化合物、PID=芳香族など、TCD=汎用(無機ガスも)

キャピラリーカラムは内径が小さいほど・長いほど理論段数が大きく、無極性液相では飽和炭化水素が沸点の低い順に溶出します。移動相の流速には最適値があります。

ガスクロマトグラフ分析法は揮発性物質の分析の中心で、分析に関する概論の問17・問18で毎年問われます。

FIDは有機物全般、FPDは硫黄・リン、ECDは有機ハロゲン、PIDは芳香族です。

検出器と対象物質(問18の中心)

検出器得意な対象物質
FID(水素炎イオン化検出器)有機化合物全般(炭化水素)。水素炎中で試料がイオン化
FPD(炎光光度検出器)硫黄化合物・リン化合物。炎中での特有な発光を利用
ECD(電子捕獲検出器)有機ハロゲン化合物。放射線で生じた電子が捕捉されることを利用
PID(光イオン化検出器)芳香族炭化水素など。紫外線でイオン化(飽和炭化水素は不得手)
TCD(熱伝導度検出器)汎用(無機ガスも)。成分とキャリアガスの熱伝導率の差を利用。感度は低め
TID・FTD(熱イオン化検出器)窒素化合物・リン化合物。窒素・リンに感度が高い(飽和炭化水素用ではない)

引っかけの定番は、FPDを飽和炭化水素用とする(FPDは硫黄・リン)、PIDを飽和炭化水素用とする(PIDは芳香族など。

飽和炭化水素は不得手)、TID・FTDを飽和炭化水素用とする(TID・FTDは窒素・リン)です。

組合せ問題では、飽和炭化水素化合物を当てる検出器として並ぶ肢が誤りの定番です。

キャピラリーカラムと溶出(問17の中心)

  • 理論段数…カラムの内径が小さいほど、長さが長いほど大きくなります(分離能が高い)。理論段相当高さ(HETP)は小さいほど効率がよい。
  • 移動相の流速…最適値があります(速すぎても遅すぎても効率が落ちる)。
  • 無極性液相…飽和炭化水素などは沸点の低い順に溶出します(沸点が低いほど早い)。
  • 極性液相…極性官能基をもつ化合物の溶出は遅くなります(液相に保持されやすい)。「極性液相で極性化合物の溶出が早くなる」とするのは誤りです。
  • 温度…試料気化室・検出器の温度は、通常、カラム温度より高めに設定します。

溶出順は「無極性液相なら沸点順」

無極性の液相を使うと、物質は主に沸点の差で分かれ、沸点の低いものから順に溶出します。たとえばペンタン・ヘキサン・オクタンなら、沸点の低いペンタン→ヘキサン→オクタンの順です。極性液相では、これに加えて極性の相互作用が効きます。

混同しやすいところ

検出器と対象物質

FID=有機物全般、FPD=硫黄・リン、ECD=有機ハロゲン、PID=芳香族、TCD=汎用。FPDやPIDを飽和炭化水素用とするのは誤りです。

内径・長さ と 理論段数

内径が小さいほど、長さが長いほど理論段数は大きくなります(分離能が高い)。

極性液相 と 溶出

極性液相では極性化合物の溶出が遅くなります(早くなる、ではありません)。

過去問でどう問われたか

ガスクロは、分析に関する概論の問17・問18で5年連続(令和5年8月〜令和8年2月)出題されています。検出器の組合せとカラム特性が中心です。

年度問われ方・引っかけ
令和8年2月問18熱イオン化検出器(TID・FTD)を「飽和炭化水素化合物」用とした選択肢が誤り(TID・FTDは窒素・リン化合物用)。
令和7年8月問18PIDを「n-ヘキサン(飽和炭化水素)」用とした選択肢が誤り。
令和7年2月問18「極性液相で極性官能基をもつ化合物の溶出が早くなる」とした選択肢が誤り(遅くなる)。内径が小さいほど・長さが長いほど理論段数が大きい、も同じ問で問われた。
令和6年8月問18FPDを「飽和炭化水素化合物」用とした選択肢が誤り(FPDは硫黄・リン)。
令和5年8月問17・問18無極性液相での溶出は沸点の低い順(ペンタン→ヘキサン→オクタン)。検出器と対象物質の組合せ。

引っかけは次の型に整理できます。

  • 検出器と対象物質を取り違える(FPD=硫黄リン、ECD=ハロゲン、PID=芳香族)。
  • FPD・PID・TID(FTD)を飽和炭化水素用とする(FPDは硫黄リン、PIDは芳香族、TIDは窒素リン)。
  • 内径・長さと理論段数の関係を逆にする(内径小・長いほど大)。
  • 極性液相で極性化合物の溶出が早くなるとする(遅くなる)。

FID=有機物全般、FPD=硫黄リン、ECD=有機ハロゲン、PID=芳香族、TCD=汎用。内径小・長いほど理論段数大、無極性液相は沸点順に溶出します。

理解度チェック

問題:炎光光度検出器(FPD)は、飽和炭化水素化合物の検出に用いられる。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

FPDは硫黄化合物・リン化合物の検出に用います。炭化水素全般はFIDです(令和6年8月 分析概論 問18の論点)。

問題:キャピラリーカラムは、内径が小さいほど、また長さが長いほど理論段数が大きくなる。

〇か×か。

答えを見る

答え:

内径が小さいほど、長さが長いほど理論段数は大きくなり、分離能が高くなります(令和7年2月 分析概論 問18の論点)。

問題:極性液相を用いると、極性官能基をもつ化合物の溶出が早くなる。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

極性液相では極性化合物が液相に保持されやすく、溶出は遅くなります(令和7年2月 分析概論 問18の論点)。

まとめ

ガスクロの検出器は、FID=有機物全般、FPD=硫黄・リン、ECD=有機ハロゲン、PID=芳香族、TCD=汎用です。

キャピラリーカラムは内径が小さいほど・長いほど理論段数が大きく、無極性液相では飽和炭化水素が沸点の低い順に溶出します。

問17・問18で毎年問われる引っかけは、検出器と対象物質の組合せ、理論段数とカラムの関係、極性液相での溶出です。

参考資料

  • ガスクロマトグラフ分析法の検出器(FID=有機化合物全般、FPD=硫黄・リン化合物、ECD=有機ハロゲン化合物、PID=芳香族など、TCD=汎用)、キャピラリーカラムの特性(内径が小さいほど・長いほど理論段数が大きい、移動相流速に最適値、無極性液相は沸点順に溶出、極性液相は極性化合物の溶出が遅い)は、機器分析・分析化学の基礎による。
  • 過去問の問われ方は、安全衛生技術試験協会の公表試験問題(分析に関する概論 問17・問18、令和5年8月〜令和8年2月)にもとづく・公表正答。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。