編集部
新しい制度なので用語が多くて戸惑いますよね。柱は「リスクアセス対象物を扱う事業場は規模にかかわらず化学物質管理者を選任」。免許ではなく講習修了者です。ここが新しい出題ポイントです。
この記事の要点
リスクアセスメント対象物を製造し、又は取り扱う事業場は、労働者数にかかわらず化学物質管理者を選任します(選任は事由発生から14日以内)。
製造事業場の化学物質管理者は厚生労働大臣が定める講習を修了した者で、免許ではありません。保護具を使わせるときは保護具着用管理責任者を選任し、一定の物質は濃度基準値以下に保ちます。
2022〜2024年の化学物質規制の見直しで、個別の規制から事業者の自律的な管理へと重心が移りました。
リスクアセスメントを中心に、化学物質管理者などの新しい体制が求められます。試験では労働衛生関係法令の問2でこの新制度が問われ、今後の増加が見込まれます。
リスクアセス対象物を扱う事業場は、規模にかかわらず化学物質管理者を選任。製造事業場は講習修了者で、免許ではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 選任が必要な事業場 | リスクアセスメント対象物を製造し、又は取り扱う事業場(労働者数にかかわらず) |
| 選任の時期 | 選任すべき事由が発生した日から14日以内 |
| 資格要件 | 製造事業場は厚生労働大臣が定める講習を修了した者等(取り扱う事業場は資格要件なし=相当の能力を有する者)。免許ではない |
| 職務 | ラベル・SDS(安全データシート)の管理、リスクアセスメントの実施・記録、ばく露防止措置の管理など |
ポイントは2つ。労働者数にかかわらず選任が必要(50人未満でも必要)であること、化学物質管理者は講習修了者であって免許ではないことです。
「50人未満は除く」「都道府県労働局長の免許を受けた者から選任」とするのは誤りです。
混同しやすいところ
選任の要否(人数)
リスクアセスメント対象物を扱う事業場は、労働者数にかかわらず化学物質管理者を選任します。「50人未満は除く」ではありません。
講習修了 と 免許
製造事業場の化学物質管理者は厚生労働大臣が定める講習を修了した者です。免許(都道府県労働局長)ではありません。
化学物質管理者 と 保護具着用管理責任者
化学物質管理者は化学物質管理の統括役、保護具着用管理責任者は保護具の選択・使用を管理する役割です。
化学物質管理は、労働衛生関係法令の問2で出題(令和7年8月・令和8年2月)されています。新制度のため、選任の要否や資格要件が中心です。
| 年度 | 問 | 問われ方・引っかけ |
|---|---|---|
| 令和8年2月 | 問2 | 化学物質管理者を「都道府県労働局長の免許を受けた者から選任」とした選択肢が誤り(講習修了者)。労働者数にかかわらず選任・14日以内は正しい。 |
| 令和7年8月 | 問2 | 化学物質管理者を「常時50人未満を除き選任」とした選択肢が誤り(労働者数にかかわらず選任)。保護具着用管理責任者・濃度基準値・記録の保存は正しい。 |
引っかけは次の型に整理できます。
リスクアセス対象物を扱う事業場は規模にかかわらず化学物質管理者を選任(14日以内)。製造事業場は講習修了者で免許ではありません。
問題:化学物質管理者は、リスクアセスメント対象物を扱う事業場のうち、常時使用する労働者数が50人未満の事業場では選任しなくてよい。
〇か×か。
答え:×
リスクアセスメント対象物を製造・取り扱う事業場では、労働者数にかかわらず化学物質管理者を選任しなければなりません(令和7年8月 関係法令 問2の論点)。
問題:製造事業場の化学物質管理者は、都道府県労働局長の免許を受けた者のうちから選任しなければならない。
〇か×か。
答え:×
製造事業場の化学物質管理者は、厚生労働大臣が定める講習を修了した者等から選任します。免許ではありません(令和8年2月 関係法令 問2の論点)。
問題:リスクアセスメントの結果に基づき労働者に保護具を使用させるときは、保護具着用管理責任者を選任しなければならない。
〇か×か。
答え:〇
保護具に関する知識・経験を有すると認められる者のうちから、保護具着用管理責任者を選任します(令和7年8月 関係法令 問2の論点)。
リスクアセスメント対象物を製造し、又は取り扱う事業場は、労働者数にかかわらず化学物質管理者を選任します(14日以内)。
製造事業場の化学物質管理者は厚生労働大臣が定める講習を修了した者で、免許ではありません。
このほか、保護具着用管理責任者の選任、濃度基準値以下の維持、リスクアセスメントの記録保存も求められます。
問2で問われる引っかけは、選任の人数要件、免許か講習か、濃度基準値・保護具着用管理責任者の内容です。
参考資料
※ 最終更新:2026年6月
作業環境測定士とのつながり
自律的な管理では、ばく露の程度の把握に個人ばく露測定や作業環境測定が活用されます。作業環境測定士として6年以上の実務経験を積み所定の講習を修了すると、化学物質管理専門家となる道が開けます。新制度は作業環境測定士の活躍の場とも結びついています。