編集部
「質量数=陽子+電子」と書かれると、つい○にしてしまいますよね。正しくは陽子+中性子です。
この記事の要点
質量数=陽子数+中性子数(電子数ではない)。同位体は陽子数が同じで中性子数が異なる原子です。原子量は質量数12の炭素¹²Cを基準に定めます。
アボガドロ定数の数の粒子が1モル。電子の質量は陽子の約1840分の1で、陽子と同程度ではありません。中性の原子は電子を失うと陽イオンになります。
原子の構造と物質量は、分析に関する概論の問1で出ます(年度によって問1はSI単位の年と原子・物質量の年があります)。
質量数・同位体・原子量・モルの定義を正確に押さえると、正誤の判定ができます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 原子番号 | 陽子の数(=中性原子では電子の数) |
| 質量数 | 陽子数+中性子数(電子数は含めない) |
| 同位体 | 陽子数が同じで中性子数が異なる原子どうし |
| 電子の質量 | 陽子の約1840分の1(はるかに小さい) |
| イオン | 中性の原子・分子が電子を失うと陽イオン、得ると陰イオン |
電子は陽子・中性子に比べてはるかに軽いため、原子の質量はほぼ陽子と中性子で決まります。質量数に電子数を含めないのはこのためです。
混同しやすいところ
質量数 と 電子数
質量数は陽子数+中性子数です。電子数は含めません。電子は軽く、質量にほとんど寄与しません。
同位体 と 同素体
同位体は陽子数が同じで中性子数が異なる「原子」どうし。同素体は同じ元素からなる性質の異なる「単体」(酸素とオゾンなど)で、別の概念です。
電子の質量 と 陽子の質量
電子の質量は陽子の約1840分の1で、同程度ではありません。
原子の構造・物質量は、分析に関する概論の問1(令和6年2月・令和7年8月など)で「誤っている記述」を選ばせる形で出ます。
| 年度 | 問 | 誤りとされた記述 |
|---|---|---|
| 令和7年8月 | 問1 | 電子の質量は陽子の質量と同程度である(実際は約1840分の1)。 |
| 令和6年2月 | 問1 | 原子の質量数は陽子数と電子数との和である(実際は陽子数+中性子数)。 |
引っかけは次の型に整理できます。
質量数=陽子数+中性子数、同位体は陽子数が同じで中性子数が異なる、原子量は¹²C基準、1モルはアボガドロ定数の粒子。質量数に電子数を含める・電子の質量を陽子と同程度とするのが定番の引っかけです。
問題:原子の質量数は、その原子がもつ陽子数と電子数との和である。
〇か×か。
答え:×
質量数は陽子数+中性子数です。電子数は含めません(令和6年2月 分析概論 問1)。
問題:電子の質量は、陽子の質量と同程度である。
〇か×か。
答え:×
電子の質量は陽子の約1840分の1で、はるかに小さいです(令和7年8月 分析概論 問1)。
問題:陽子数が同じで中性子数が異なる原子どうしを、互いに同位体という。
〇か×か。
答え:〇
同位体は陽子数(原子番号)が同じで中性子数が異なる原子どうしです(令和7年8月 分析概論 問1)。
原子の質量数は陽子数+中性子数で、電子数は含めません。同位体は陽子数が同じで中性子数が異なる原子です。
原子量は¹²Cを基準に定め、アボガドロ定数の数の粒子が1モルです。電子は陽子に比べてはるかに軽い粒子です。
引っかけは、質量数に電子数を含める・電子の質量を陽子と同程度とする、です。
参考資料
※ 最終更新:2026年6月
編集部メモ
原子の構造の核心は、質量数(陽子+中性子)・同位体(中性子数が違う)・電子は軽い、の3点です。物質量(モル)は濃度計算やSI単位ともつながります。