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統括安全衛生責任者を置くところまでは分かったのですが、そのあと何をするのか曖昧です。
巡視の回数も、週に1回だったか毎日だったか迷います。
この記事の要点
講ずべき措置は法第30条第1項の6つです。協議組織、連絡調整、巡視、教育の指導援助が中心になります。
頻度は規則が決めています。巡視は毎作業日に少なくとも1回、連絡調整は随時です。
協議組織にはすべての関係請負人が参加します。会議は定期的に開催します。
巡視は毎作業日に少なくとも1回です。
法が事項を並べ、規則が頻度と中身を決めています。
法第15条第1項が二段階で定義しています。
労働安全衛生法 第15条第1項(抜粋)
事業者で、一の場所において行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせているもの(中略。以下「元方事業者」という。)のうち、建設業その他政令で定める業種に属する事業(以下「特定事業」という。)を行う者(以下「特定元方事業者」という。)は、(中略)統括安全衛生責任者を選任し、その者に元方安全衛生管理者の指揮をさせるとともに、第三十条第一項各号の事項を統括管理させなければならない。ただし、これらの作業従事者の数が政令で定める数未満であるときは、この限りでない。
まず元方事業者があり、そのうち建設業などが特定元方事業者です。二重の絞り込みになっています。
統括安全衛生責任者に統括管理させるのは第30条第1項各号の事項です。中身は次の条にあります。
誰を選任するかは安全衛生管理体制で扱っています。
第30条第1項が六つ挙げています。
労働安全衛生法 第30条第1項
一 協議組織の設置及び運営を行うこと。
二 作業間の連絡及び調整を行うこと。
三 作業場所を巡視すること。
四 関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと。
五 仕事を行う場所が仕事ごとに異なることを常態とする業種で、厚生労働省令で定めるものに属する事業を行う特定元方事業者にあつては、仕事の工程に関する計画及び作業場所における機械、設備等の配置に関する計画を作成するとともに、(中略)指導を行うこと。
六 前各号に掲げるもののほか、当該労働災害を防止するため必要な事項
一号から四号までが定番です。協議組織、連絡調整、巡視、教育の指導及び援助の四つになります。
五号は業種で限られます。仕事を行う場所が仕事ごとに異なることを常態とする業種という条件が付いています。
規則第635条が二つの条件を出しています。
労働安全衛生規則 第635条
特定元方事業者は、法第三十条第一項第一号の協議組織の設置及び運営については、次に定めるところによらなければならない。
一 特定元方事業者及びすべての関係請負人が参加する協議組織を設置すること。
二 当該協議組織の会議を定期的に開催すること。
2 関係請負人は、前項の規定により特定元方事業者が設置する協議組織に参加しなければならない。
参加するのはすべての関係請負人です。一次下請だけではありません。
義務は片側だけではありません。第2項で関係請負人にも参加の義務が課されています。
第637条が回数を、第636条が頻度を決めています。
労働安全衛生規則 第636条・第637条
第六百三十六条 特定元方事業者は、法第三十条第一項第二号の作業間の連絡及び調整については、随時、特定元方事業者と関係請負人との間及び関係請負人相互間における連絡及び調整を行わなければならない。
第六百三十七条 特定元方事業者は、法第三十条第一項第三号の規定による巡視については、毎作業日に少なくとも一回、これを行わなければならない。
2 関係請負人は、前項の規定により特定元方事業者が行う巡視を拒み、妨げ、又は忌避してはならない。
巡視は毎作業日に少なくとも1回、連絡及び調整は随時です。二つの頻度は書き方が違います。
ここでも関係請負人側に義務があります。巡視を拒み、妨げ、又は忌避してはならないという形です。
第638条が具体例を挙げています。
労働安全衛生規則 第638条
特定元方事業者は、法第三十条第一項第四号の教育に対する指導及び援助については、当該教育を行う場所の提供、当該教育に使用する資料の提供等の措置を講じなければならない。
求められるのは場所の提供と資料の提供などです。元請が教育そのものを行うとは書かれていません。
教育を行うのは関係請負人の側になります。元請が担うのは指導及び援助です。
第30条第2項が指名の仕組みを置いています。
労働安全衛生法 第30条第2項・第3項(抜粋)
2 特定事業の仕事の発注者(中略)で、特定元方事業者以外のものは、一の場所において行われる特定事業の仕事を二以上の請負人に請け負わせている場合において、(中略)請負人で当該仕事を自ら行う事業者であるもののうちから、前項に規定する措置を講ずべき者として一人を指名しなければならない。
3 前項の規定による指名がされないときは、同項の指名は、労働基準監督署長がする。
指名されるのは当該仕事を自ら行う事業者で、人数は一人です。
指名がないままにはなりません。第3項で労働基準監督署長が指名すると決めています。
特定元方事業者が作業場所を巡視する回数は。
毎作業日に少なくとも1回です。労働安全衛生規則第637条第1項によります。
協議組織に参加するのは誰か。
特定元方事業者及びすべての関係請負人です。関係請負人の側にも参加の義務があります。
作業間の連絡及び調整はどの頻度で行うか。
随時です。巡視のように回数では決められていません。
関係請負人が行う安全衛生教育に対して、元請は何をするか。
指導及び援助です。場所の提供や資料の提供等の措置が挙げられています。
指名がされないとき、誰が指名するか。
労働基準監督署長です。法第30条第3項によります。
実際の運用は現場の規模や請負の重なり方によって変わります。個別の判断は所轄の労働基準監督署にご確認ください。
級ごとに分けています。1級 施工管理法|2級 施工管理法を見てください。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
ねらわれるのは巡視の回数です。日単位を週単位にすり替えてきます。
令和5年度1級(第一次検定)問題Bでは「特定元方事業者は、各週ごとに、作業場所の巡視を行わなければならない」とした肢が誤りとされました。第637条は毎作業日に少なくとも1回です。
翌年は同じところが正しい肢で出ています。誤りにされたのは別の数字でした。
令和6年度1級では「事業場に安全委員会を設置した場合、当該安全委員会は2月に1回以上開催するようにしなければならない」とした肢が誤りとされました。規則第23条第1項は毎月1回以上です。