管工事施工管理技士 独学ガイド

  1. HOME
  2. 施工管理法
  3. > 作業主任者

作業主任者とは?選任が要る作業と免許・技能講習の別

T

T

作業主任者は全部が技能講習だと思い込んでいました。

どの作業で選任が要るのかも、覚えきれていません。

この記事の要点

選任するのは事業者です。作業に従事する労働者の指揮などを行わせます。

対象の作業は施行令第6条が決めています。ここに載っていない作業には選任の義務がありません。

資格は免許と技能講習の2通りです。免許が要るものが6区分あり、そこがねらわれます。

法・政令・省令の3階建てで、それぞれ役割が違います。

法が枠、政令が作業の一覧、省令が資格と名称です。

作業主任者の資格が免許と技能講習に分かれることを示した区分図。免許を受けた者が要るのは高圧室内、ガス溶接、林業架線、ボイラー取扱、エツクス線、ガンマ線透過写真撮影の6区分。技能講習を修了した者となるのは型枠支保工の組立て等、足場の組立て等、地山の掘削、土止め支保工、酸素欠乏危険、有機溶剤、石綿、鉛、木材加工用機械、プレス機械、乾燥設備、はい、船内荷役ほか。ボイラー取扱作業主任者は伝熱面積の合計が500平方メートル以上で特級、25以上500未満で特級か1級、25未満で特級か1級か2級。選任すべき作業は施行令第6条の第一号から第二十三号まで、枝番を含めて31に限られる。
免許が要るのは6区分。※条文の区分を並べた図。

誰が選任し、何をさせるのか

法第14条が1条で全部を書いています。

労働安全衛生法 第14条

事業者は、高圧室内作業その他の労働災害を防止するための管理を必要とする作業で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う技能講習を修了した者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、当該作業の区分に応じて、作業主任者を選任し、その者に当該作業に従事する労働者の指揮その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。

選任するのは事業者で、発注者でも元請でもありません。

資格の書きぶりは免許を受けた者又は技能講習を修了した者です。どちらになるかは作業の区分で決まります。

どの作業で選任が要るのか

施行令第6条が列挙しています。管工事で出やすいものを抜き出します。

作業
第二号 アセチレン溶接装置又はガス集合溶接装置を用いて行う金属の溶接、溶断又は加熱
第四号 ボイラー(小型ボイラーを除く)の取扱い
第九号 掘削面の高さが2m以上となる地山の掘削
第十号 土止め支保工の切りばり又は腹起こしの取付け又は取り外し
第十四号 型枠支保工の組立て又は解体
第十五号 つり足場、張出し足場又は高さが5m以上の構造の足場の組立て、解体又は変更
第十七号 第一種圧力容器(小型圧力容器等を除く)の取扱い
第二十一号 酸素欠乏危険場所における作業
第二十二号 屋内作業場等で有機溶剤を製造し、又は取り扱う業務に係る作業
第二十三号 石綿等を取り扱う作業

号は第一号から第二十三号まであり、枝番を含めると31の作業になります。

令和7年度2級(前期)では「型枠支保工の組立ての作業において、作業主任者を選任しなければならない」が正しい肢として出ています。

免許が要るのはどの作業か

労働安全衛生規則の別表第1が対応表になっています。

作業 資格
高圧室内 免許
ガス溶接 免許
林業架線 免許
ボイラー取扱 免許(一部は技能講習も可)
エツクス線 免許
ガンマ線透過写真撮影 免許
型枠支保工・足場・酸素欠乏 ほか 技能講習

免許で立てるのはこの6区分です。管工事に近いのはガス溶接とボイラー取扱になります。

まちがえやすいポイント

引っかかるのは、全部を技能講習でまとめてしまう点です。

ガス溶接作業主任者とボイラー取扱作業主任者は免許です。技能講習の修了だけでは選任できません。

もうひとつが名称のずれです。地山の掘削と土止め支保工は技能講習が同じですが、作業主任者の名称は別に立てられています。

ボイラー取扱作業主任者はどの免許が要るのか

伝熱面積の合計で級が変わります。

伝熱面積の合計 必要な免許
500m²以上(貫流ボイラーのみを取り扱う場合を除く) 特級ボイラー技士免許
25m²以上500m²未満
(貫流ボイラーのみで500m²以上のときを含む)
特級または1級ボイラー技士免許
25m²未満 特級、1級または2級ボイラー技士免許
令第20条第5号イからニまでのボイラーのみ 上記の免許またはボイラー取扱技能講習

500m²以上は特級だけです。1級では受け持てません。

貫流ボイラーのみを取り扱う場合は、500m²以上でも特級または1級の区分に入ります。

面積の算定にも決まりがあり、備考で貫流ボイラーは伝熱面積に10分の1廃熱ボイラーは2分の1を乗じるとされています。

ボイラーそのものの区分は真空式温水発生機とボイラーの区分で扱っています。

第一種圧力容器はどちらになるのか

化学設備に係るものかどうかで分かれます。

作業 資格
化学設備に係る第一種圧力容器の取扱い 化学設備関係第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習
それ以外の第一種圧力容器の取扱い ボイラー技士免許、または化学設備関係もしくは普通第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習

化学設備に係るものは技能講習だけで、ボイラー技士免許では立てられません。

それ以外は免許でも技能講習でも立てられます。狭いほうが技能講習に限られている点が逆に感じられます。

酸素欠乏危険作業はどの技能講習か

硫化水素のおそれがあるかどうかで2つに分かれます。

場所 技能講習
令別表第6の第三号の三・第九号・第十二号に掲げる場所(厚生労働大臣が定める場所に限る) 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習のみ
それ以外の酸素欠乏危険場所 酸素欠乏危険作業主任者技能講習または酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習

硫化水素のおそれがある場所は上位の講習でなければ立てられません

理解度チェック

Q.

作業主任者を選任するのは誰か。

事業者です。法第14条が事業者に義務づけています。

Q.

免許が要る作業主任者を挙げよ。

高圧室内、ガス溶接、林業架線、ボイラー取扱、エツクス線、ガンマ線透過写真撮影の6区分です。

Q.

足場の組立て等作業主任者の選任が要るのは、どんな足場か。

つり足場、張出し足場、または高さが5m以上の構造の足場です。組立て・解体・変更の作業が対象です。

Q.

伝熱面積の合計が500m²以上のボイラーの取扱いには、どの免許が要るか。

特級ボイラー技士免許です。1級では受け持てません。

Q.

地山の掘削作業主任者の選任が要るのは、掘削面の高さがいくつからか。

2m以上です。施行令第6条第九号にあります。

まとめ

  • 選任するのは事業者。労働者の指揮などを行わせる(法第14条)。
  • 対象の作業は施行令第6条。第一号から第二十三号まで、枝番を含めて31
  • 資格は免許技能講習の2通り。免許は6区分だけ。
  • 管工事で近いのはガス溶接ボイラー取扱。どちらも免許。
  • ボイラー取扱は伝熱面積で級が変わる。500m²以上は特級だけ
  • 足場はつり足場・張出し足場・5m以上、地山の掘削は2m以上
  • 化学設備に係る第一種圧力容器は技能講習に限られる

実際にどの区分に当たるかは、設備の仕様や場所の条件によります。個別の判断は所轄の労働基準監督署にご確認ください。

あわせて読む

この科目の過去問はどこにあるか

級ごとに分けています。1級 施工管理法2級 施工管理法を見てください。

参考資料

  • 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第14条(e-Gov法令検索)。選任の義務者、免許または技能講習という資格の枠、行わせる事項は同条によります。
  • 労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)第6条(e-Gov法令検索)。選任すべき作業の列挙と、地山の掘削2m、足場5mという数値は同条によります。号の数は同条のItemTitleを機械で数えて31でした。
  • 労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)別表第1(e-Gov法令検索)。免許と技能講習の別、作業主任者の名称、ボイラーの伝熱面積による区分、第一種圧力容器と酸素欠乏の書き分けは同表によります。
  • ※ 出題は、一般財団法人 全国建設研修センターが公表した正答肢によります(令和7年度2級 第一次検定(前期)No.39 正答=1)。型枠支保工の肢は正答ではないため、正しい肢として扱っています。
T

この記事を書いた人

T

管工事施工管理技士の用語・過去問を、法令や公的な基準など一次資料にあたって整理しています。

T

T

管工事施工管理技士の用語・条文・数値を、公表された過去問と一次資料にあたって整理しています。

Topへ >>