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免許と技能講習と特別の教育があるのは分かりますが、境目が覚えられません。
玉掛けの数字も、運転と同じなのか違うのか自信がありません。
この記事の要点
運転は3段に分かれます。1トン未満、1トン以上5トン未満、5トン以上です。
玉掛けは1トンだけで分かれます。5トンは出てきません。
就業制限には道路上を走行させる運転を除くという括弧書きが付いています。
運転は3段、玉掛けは2段。段の数が違います。
数字を並べる前に、どちらの話かを分けます。
施行令第20条が業務を列挙しています。
労働安全衛生法施行令 第20条第七号・第十六号
七 つり上げ荷重が一トン以上の移動式クレーンの運転(道路交通法第二条第一項第一号に規定する道路(以下この条において「道路」という。)上を走行させる運転を除く。)の業務
十六 制限荷重が一トン以上の揚貨装置又はつり上げ荷重が一トン以上のクレーン、移動式クレーン若しくはデリックの玉掛けの業務
どちらも境目は1トンです。第七号には道路上を走行させる運転を除くという括弧書きが付いています。
これに当たる業務は、法第61条により免許を受けた者か技能講習を修了した者でなければ就かせられません。
クレーン等安全規則第68条が本文とただし書で分けています。
クレーン等安全規則 第68条(就業制限)
事業者は、令第二十条第七号に掲げる業務については、移動式クレーン運転士免許を受けた者でなければ、当該業務に就かせてはならない。ただし、つり上げ荷重が一トン以上五トン未満の移動式クレーン(以下「小型移動式クレーン」という。)の運転の業務については、小型移動式クレーン運転技能講習を修了した者を当該業務に就かせることができる。
本文が免許で、ただし書が1トン以上5トン未満の例外です。
条文が「小型移動式クレーン」と呼んでいるのは、この1トン以上5トン未満のものになります。
就業制限の対象から外れ、特別の教育になります。
労働安全衛生規則 第36条第十六号/クレーン等安全規則 第67条第1項
十六 つり上げ荷重が一トン未満の移動式クレーンの運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務
第六十七条 事業者は、つり上げ荷重が一トン未満の移動式クレーンの運転(中略)の業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、当該業務に関する安全のための特別の教育を行わなければならない。
要るのは特別の教育で、事業者が行います。免許でも技能講習でもありません。
教育の科目は6つで、知識だけでなく運転と合図も含まれます。
1トンを境に2段だけです。
クレーン等安全規則 第221条・第222条第1項(抜粋)
第二百二十一条 事業者は、令第二十条第十六号に掲げる業務(中略)については、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。
一 玉掛け技能講習を修了した者
第二百二十二条 事業者は、つり上げ荷重が一トン未満のクレーン、移動式クレーン又はデリツクの玉掛けの業務に労働者をつかせるときは、当該労働者に対し、当該業務に関する安全のための特別の教育を行なわなければならない。
1トン以上が玉掛け技能講習、1トン未満が特別の教育です。
運転のような免許の段がありません。ここが運転と違います。
定格荷重を軸に3つ並んでいます。
| 条 | 内容 |
|---|---|
| 第69条 | 定格荷重をこえる荷重をかけて使用してはならない |
| 第70条 | 明細書に記載されているジブの傾斜角の範囲をこえて使用してはならない |
| 第70条の2 | 運転者と玉掛けをする者が定格荷重を常時知ることができるよう表示等の措置 |
表示を知らせる相手は運転者だけではありません。玉掛けをする者も含みます。
クレーンの側にも同じ趣旨の条があり、第23条が過負荷、第24条の2が定格荷重の表示です。
第70条の3と第70条の5が並んでいます。
クレーン等安全規則 第70条の3/第70条の5(抜粋)
第七十条の三 事業者は、地盤が軟弱であること、埋設物その他地下に存する工作物が損壊するおそれがあること等により移動式クレーンが転倒するおそれのある場所においては、移動式クレーンを用いて作業を行つてはならない。ただし、当該場所において、移動式クレーンの転倒を防止するため必要な広さ及び強度を有する鉄板等が敷設され、その上に移動式クレーンを設置しているときは、この限りでない。
第七十条の五 事業者は、アウトリガーを有する移動式クレーン又は拡幅式のクローラを有する移動式クレーンを用いて作業を行うときは、当該アウトリガー又はクローラを最大限に張り出さなければならない。(以下略)
軟弱地盤では原則として作業できません。鉄板等を敷設して設置していればただし書で認められます。
アウトリガーは最大限に張り出すのが原則です。
第66条の2が3つを挙げています。
クレーン等安全規則 第66条の2(抜粋)
事業者は、移動式クレーンを用いて作業を行うときは、移動式クレーンの転倒等による労働者の危険を防止するため、あらかじめ、(中略)次の事項を定めなければならない。
一 移動式クレーンによる作業の方法
二 移動式クレーンの転倒を防止するための方法
三 移動式クレーンによる作業に係る労働者の配置及び指揮の系統
2 事業者は、前項各号の事項を定めたときは、当該事項について、作業の開始前に、関係労働者に周知させなければならない。
定めるだけでなく、作業の開始前に関係労働者へ周知するところまでが義務です。
作業主任者の選任が要る作業は作業主任者で扱っています。
つり上げ荷重5トン以上の移動式クレーンの運転には何が要るか。
移動式クレーン運転士免許です。小型移動式クレーン運転技能講習では就かせられません。
小型移動式クレーンとは、つり上げ荷重がいくつのものか。
1トン以上5トン未満です。クレーン等安全規則第68条のただし書が定義しています。
玉掛けの資格はどこで分かれるか。
1トンです。1トン以上は玉掛け技能講習など、1トン未満は特別の教育になります。
定格荷重を常時知ることができるようにする相手は誰か。
運転者と玉掛けをする者です。運転者だけではありません。
軟弱な地盤で移動式クレーンを使えるのはどんなときか。
転倒を防止するため必要な広さと強度を有する鉄板等が敷設され、その上に設置しているときです。
実際の運用は機種や現場条件によって変わります。個別の判断は所轄の労働基準監督署にご確認ください。
級ごとに分けています。1級 施工管理法|2級 施工管理法を見てください。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
ねらわれるのは、技能講習で就ける範囲を広げる形です。
令和7年度2級(前期)では「つり上げ荷重が5トン以上の移動式クレーンの運転の業務については、小型移動式クレーン運転技能講習を修了した者を当該業務に就かせることができる」とした肢が誤りとされました。5トン以上は免許です。
もうひとつが玉掛けです。玉掛けの境目は1トンだけで、5トンという区切りはありません。