T
20日と1月と50日が出てきて、どれがどれだか混ざります。
特定建設業者だけの決まりがあるのも、覚えきれていません。
この記事の要点
日数は場面で決まっています。検査は20日以内、下請代金の支払は1月以内です。
特定建設業者が注文者のときだけ、支払期日に50日の上限がかかります。
起点も別です。検査は完成の通知の日、支払は元請が支払を受けた日から数えます。
数字を覚えるより、どこから数えるかを先に押さえます。
起点が違えば、同じ日数でも別の話になります。
第24条の2が意見の聴取を求めています。
建設業法 第24条の2(下請負人の意見の聴取)
元請負人は、その請け負つた建設工事を施工するために必要な工程の細目、作業方法その他元請負人において定めるべき事項を定めようとするときは、あらかじめ、下請負人の意見をきかなければならない。
時期はあらかじめです。決めた後に伝えるのでは足りません。
求められているのは意見をきくことで、同意を得ることではありません。
第24条の3が1月以内と定めています。
建設業法 第24条の3第1項(抜粋)
元請負人は、請負代金の出来形部分に対する支払又は工事完成後における支払を受けたときは、当該支払の対象となつた建設工事を施工した下請負人に対して、(中略)下請代金を、当該支払を受けた日から一月以内で、かつ、できる限り短い期間内に支払わなければならない。
起点は元請負人が支払を受けた日です。工事が完成した日ではありません。
期限は1月以内に加えてできる限り短い期間内という条件も付いています。
第2項と第3項が配慮を求めています。
建設業法 第24条の3第2項・第3項
2 前項の場合において、元請負人は、同項に規定する下請代金のうち労務費に相当する部分については、現金で支払うよう適切な配慮をしなければならない。
3 元請負人は、前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して、資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をしなければならない。
どちらも適切な配慮で、支払わなければならないという書き方ではありません。
現金払いの対象は労務費に相当する部分に限られます。下請代金の全額ではありません。
第24条の4が20日以内と直ちにを分けています。
建設業法 第24条の4
元請負人は、下請負人からその請け負つた建設工事が完成した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から二十日以内で、かつ、できる限り短い期間内に、その完成を確認するための検査を完了しなければならない。
2 元請負人は、前項の検査によつて建設工事の完成を確認した後、下請負人が申し出たときは、直ちに、当該建設工事の目的物の引渡しを受けなければならない。ただし、下請契約において定められた工事完成の時期から二十日を経過した日以前の一定の日に引渡しを受ける旨の特約がされている場合には、この限りでない。
20日以内に求められているのは検査を完了することです。着手ではありません。
引渡しは下請負人が申し出たときに直ちに受けます。特約があればその日になります。
第24条の6が支払期日そのものを縛っています。
建設業法 第24条の6第1項・第4項(抜粋)
特定建設業者が注文者となつた下請契約(中略)における下請代金の支払期日は、第二十四条の四第二項の申出の日(中略)から起算して五十日を経過する日以前において、かつ、できる限り短い期間内において定められなければならない。
4 特定建設業者は、(中略)下請代金を(中略)支払期日までに支払わなければならない。当該特定建設業者がその支払をしなかつたときは、(中略)遅延利息として支払わなければならない。
起点は引渡しの申出の日で、上限は50日を経過する日以前です。
第3項では、一般の金融機関による割引を受けることが困難と認められる手形の交付も禁じられています。
法が政令に金額を委ねています。
建設業法 第24条の8第1項(抜粋)/同施行令 第7条の4
特定建設業者は、発注者から直接建設工事を請け負つた場合において、当該建設工事を施工するために締結した下請契約の請負代金の額(当該下請契約が二以上あるときは、それらの請負代金の額の総額)が政令で定める金額以上になるときは、(中略)施工体制台帳を作成し、工事現場ごとに備え置かなければならない。
施行令第七条の四 法第二十四条の八第一項の政令で定める金額は、五千万円とする。ただし、(中略)建築一式工事である場合においては、八千万円とする。
金額は5,000万円、建築一式工事なら8,000万円です。
見るのは下請契約の請負代金の総額で、元請の請負代金ではありません。
| 条 | 義務 |
|---|---|
| 第24条の8第1項 | 施工体制台帳を作成し、工事現場ごとに備え置く |
| 第24条の8第2項 | 下請負人がさらに請け負わせたときは、特定建設業者に通知する |
| 第24条の8第3項 | 発注者から請求があったときは閲覧に供する |
| 第24条の8第4項 | 施工体系図を作成し、工事現場の見やすい場所に掲げる |
台帳は備え置いて請求があれば閲覧、体系図は見やすい場所に掲示です。扱いが違います。
請負契約そのものの記載事項は請負契約の記載事項で扱っています。
元請負人が下請代金を支払う期限と、その起点は。
元請負人が注文者から支払を受けた日から1月以内で、かつできる限り短い期間内です。
下請負人から完成の通知を受けたら、何日以内に何をするか。
20日以内に、完成を確認するための検査を完了します。着手ではなく完了です。
特定建設業者が注文者となった下請契約の支払期日の上限は。
引渡しの申出の日から起算して50日を経過する日以前です。
現金で支払うよう配慮するのは下請代金のどの部分か。
労務費に相当する部分です。下請代金の全額ではありません。
施工体制台帳の作成が要る金額はいくらか。
下請契約の請負代金の総額が5,000万円以上のときです。建築一式工事は8,000万円以上になります。
資本金の額など、条文が適用から外している場合があります。個別の契約の判断は許可行政庁または建設業の相談窓口にご確認ください。
級ごとに分けています。1級 設計図書|2級 設計図書を見てください。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
ねらわれるのは、日数を長いほうに書き換える形です。
令和6年度1級では「工事完成後における支払を受けたときは、下請代金を当該支払を受けた日から4月以内に支払わなければならない」とした肢が誤りとされました。条文は1月以内です。
もうひとつが起点の取り違えです。検査は完成の通知の日、支払は元請が支払を受けた日から数えます。