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換気量の式がいくつもあって、どれを使うのか分かりません。
0.5という数字も、どの場面のものか覚えられていません。
この記事の要点
施行令の換気量の式は3つあります。居室、自然換気の排気筒、ホルムアルデヒド対策です。
居室はV=20Af/Nで、Nには上限があります。特殊建築物の居室は3、その他の居室は10です。
0.5が出るのはホルムアルデヒド対策の式です。住宅等の居室が0.5、その他の居室は0.3になります。
式が3つあるのは、目的が3つ別だからです。
条番号と目的を対にすれば、数値を取り違えません。
令第20条の2第一号ロが式を置いています。
建築基準法施行令 第20条の2第一号ロ(1)(抜粋)
有効換気量(中略)が、次の式によつて計算した必要有効換気量以上であること。
V=20Af/N
V 必要有効換気量(単位 一時間につき立方メートル)
Af 居室の床面積(特殊建築物の居室以外の居室が換気上有効な窓その他の開口部を有する場合においては、当該開口部の換気上有効な面積に二十を乗じて得た面積を当該居室の床面積から減じた面積)(単位 平方メートル)
N 実況に応じた一人当たりの占有面積(特殊建築物の居室にあつては、三を超えるときは三と、その他の居室にあつては、十を超えるときは十とする。)(単位 平方メートル)
分母のNには上限があります。特殊建築物の居室は3、その他の居室は10です。
Nを大きくするほどVは小さくなるので、上限を置くことで換気量の下限が守られる形になっています。
開口部がある場合に減じます。
減じられるのは換気上有効な面積に20を乗じて得た面積です。単純に開口部の面積を引くのではありません。
この減算が使えるのは特殊建築物の居室以外の居室に限られます。
令第20条の8第一号イが別の式を置いています。
建築基準法施行令 第20条の8第一号イ(1)(抜粋)
Vr=nAh
Vr 必要有効換気量(単位 一時間につき立方メートル)
n (中略)住宅等の居室にあつては〇・五、その他の居室にあつては〇・三
A 居室の床面積(単位 平方メートル)
h 居室の天井の高さ(単位 メートル)
Aとhを掛けたものは部屋の容積です。そこにnを掛けるので、nが1時間当たりの換気回数にあたります。
住宅等の居室が0.5、その他の居室が0.3です。住宅のほうが大きい値になります。
令第20条の2第一号イが断面積の式を置いています。
建築基準法施行令 第20条の2第一号イ(1)(抜粋)
Av=Af/(250√h)
Av 必要有効断面積(単位 平方メートル)
Af 居室の床面積(中略)(単位 平方メートル)
h 給気口の中心から排気筒の頂部の外気に開放された部分の中心までの高さ(単位 メートル)
hは室の天井高さではなく、給気口の中心から排気筒頂部の中心までの高さです。
給気口と排気口の有効開口面積も、この式で計算した必要有効断面積以上とされています。
令第20条の3第1項が3つの除外を置いています。
建築基準法施行令 第20条の3第1項(抜粋)
一 火を使用する設備又は器具で直接屋外から空気を取り入れ、かつ、廃ガスその他の生成物を直接屋外に排出する構造を有するもの(中略)(以下「密閉式燃焼器具等」という。)以外の火を使用する設備又は器具を設けていない室
二 床面積の合計が百平方メートル以内の住宅又は住戸に設けられた調理室(発熱量の合計が十二キロワット以下の火を使用する設備又は器具を設けたものに限る。)で、当該調理室の床面積の十分の一(〇・八平方メートル未満のときは、〇・八平方メートルとする。)以上の有効開口面積を有する窓その他の開口部を換気上有効に設けたもの
三 発熱量の合計が六キロワット以下の火を使用する設備又は器具を設けた室(調理室を除く。)で換気上有効な開口部を設けたもの
第一号を裏返すと、密閉式燃焼器具等しか置いていない室には換気設備が要りません。
令和7年度1級では「密閉式燃焼器具のみを設けた室には、火気を使用する室としての換気設備を設ける必要がある」とした肢が誤りとされました。
令第20条の3第2項が高さを決めています。
建築基準法施行令 第20条の3第2項第一号イ(1)(2)(抜粋)
(1)給気口は、換気設備を設けるべき調理室等の天井の高さの二分の一以下の高さの位置(中略)に設けること。
(2)排気口は、換気設備を設けるべき調理室等の天井又は天井から下方八十センチメートル以内の高さの位置(中略)に設け、かつ、換気扇等を設けて、直接外気に開放し、若しくは排気筒に直結し、又は排気上有効な立上り部分を有する排気筒に直結すること。
給気口は天井の高さの2分の1以下、排気口は天井から下方80cm以内です。
令和6年度1級では「排気口は、当該室の天井又は天井から下方1.5m以内の高さの位置に設けなければならない」とした肢が誤りとされました。
濃度で条件が書かれています。
| 対象 | 条件 |
|---|---|
| 居室の換気設備 (令第20条の2第一号ニ) |
炭酸ガスの含有率をおおむね100万分の1000以下、一酸化炭素の含有率をおおむね100万分の6以下に保つ |
| 火気使用室の換気設備 (令第20条の3第2項第一号ロ) |
室内の酸素の含有率をおおむね20.5パーセント以上に保つ |
居室は汚染物質の上限、火気使用室は酸素の下限で書かれています。向きが逆です。
室内空気の濃度そのものの基準は室内空気の管理基準で扱っています。
居室の必要有効換気量の式と、Nの上限を答えよ。
V=20Af/Nです。Nは特殊建築物の居室で3、その他の居室で10が上限になります。
ホルムアルデヒド対策の式で、nはいくつか。
住宅等の居室が0.5、その他の居室が0.3です。式はVr=nAhになります。
密閉式燃焼器具のみを設けた室に、火気使用室としての換気設備は要るか。
要りません。令第20条の3第1項第一号で対象から外れています。
火気使用室の排気口はどの高さに設けるか。
天井、または天井から下方80cm以内の高さの位置です。給気口は天井の高さの2分の1以下になります。
自然換気設備の排気筒の式で、hは何の高さか。
給気口の中心から、排気筒の頂部の外気に開放された部分の中心までの高さです。
実際の換気量は室用途や発熱量、所轄行政庁の運用によって変わります。個別の判断は設計図書と所轄の建築主事・指定確認検査機関にご確認ください。
級ごとに分けています。1級 空調・換気|2級 空調・換気を見てください。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
混ざるのは、3つの式にそれぞれ別の数字が入っている点です。
20が出るのは居室の式(V=20Af/N)、0.5が出るのはホルムアルデヒド対策の式(Vr=nAh)です。0.5は住宅等の居室の値で、その他の居室は0.3になります。
もうひとつが火気使用室の口の位置です。排気口は天井から下方80cm以内で、給気口の2分の1以下とは別の数値です。