T
二酸化炭素1000ppmという数字は覚えたんですが、根拠がどの法律か分かりません。
似た基準がいくつもあるようで、混ざってしまいます。
この記事の要点
室内空気の基準は2つの法令にあります。建築物衛生法の施行令と、建築基準法の施行令です。
数値はほぼ同じですが、項目数が違います。建築物衛生法は7項目、建築基準法は6項目です。
違いはホルムアルデヒドの有無と、二酸化炭素を何と呼ぶかです。
同じ数値が、違う法令に別々の名前で載っています。
建築物衛生法の施行令が定めるものを建築物環境衛生管理基準といいます。
建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令 第2条第一号イ(建築物環境衛生管理基準)
一 浮遊粉じんの量 空気一立方メートルにつき〇・一五ミリグラム以下
二 一酸化炭素の含有率 百万分の六以下
三 二酸化炭素の含有率 百万分の千以下
四 温度 一 十八度以上二十八度以下 二 居室における温度を外気の温度より低くする場合は、その差を著しくしないこと。
五 相対湿度 四十パーセント以上七十パーセント以下
六 気流 〇・五メートル毎秒以下
七 ホルムアルデヒドの量 空気一立方メートルにつき〇・一ミリグラム以下
数値はそろっています。違うのは項目数と呼び名です。
| 項目 | 建築物衛生法 施行令2条 | 建築基準法 施行令129条の2の5第3項 |
|---|---|---|
| 浮遊粉じんの量 | 0.15mg/m³以下 | 0.15mg/m³以下 |
| 一酸化炭素の含有率 | 100万分の6以下 | 100万分の6以下 |
| 二酸化炭素の含有率 | 100万分の1000以下 | 「炭酸ガス」の含有率 100万分の1000以下 |
| 温度 | 18℃以上28℃以下 | 18℃以上28℃以下 |
| 相対湿度 | 40%以上70%以下 | 40%以上70%以下 |
| 気流 | 0.5m/s以下 | 1秒間につき0.5m以下 |
| ホルムアルデヒドの量 | 0.1mg/m³以下 | 定めなし |
ホルムアルデヒドが入っているのは建築物衛生法のほうです。
建築基準法の施行令は炭酸ガスと書いています。建築物衛生法の施行令は二酸化炭素です。
同じ物質で、条文の表記が違うだけです。
条文を引くときはどちらの法令かを先に決めます。用語を入れ替えた肢が作れる形になっています。
建築物衛生法の施行令は、設備の種類で適用範囲を分けています。
建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令 第2条第一号ロ
機械換気設備(空気を浄化し、その流量を調節して供給をすることができる設備をいう。)を設けている場合は、厚生労働省令で定めるところにより、居室におけるイの表の第一号から第三号まで、第六号及び第七号の上欄に掲げる事項がおおむね当該各号の下欄に掲げる基準に適合するように空気を浄化し、その流量を調節して供給をすること。
挙がっているのは第一号から第三号、第六号、第七号です。
| 設備 | 適用される項目 |
|---|---|
| 空気調和設備(イ) | 7項目すべて |
| 機械換気設備(ロ) | 一号〜三号・六号・七号の5項目。温度と相対湿度が外れる |
機械換気設備は空気を入れ替えるだけで、温度も湿度も調節しません。だから外れています。
建築物衛生法がかかるのは特定建築物です。用途と面積で決まります。
建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令 第1条(特定建築物)
法第二条第一項の政令で定める建築物は、次に掲げる用途に供される部分の延べ面積が三千平方メートル以上の建築物及び専ら学校教育法第一条に規定する学校又は幼保連携型認定こども園の用途に供される建築物で延べ面積が八千平方メートル以上のものとする。
一 興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館又は遊技場 二 店舗又は事務所 三 第一条学校等以外の学校(研修所を含む。) 四 旅館
原則は3,000m²以上、学校等だけ8,000m²以上です。
用途は4つに限られていて、住宅や病院は挙がっていません。
建築物環境衛生管理基準の空気環境7項目のうち、建築基準法の基準に無いのはどれか。
ホルムアルデヒドの量です。建築基準法施行令第129条の2の5第3項は6項目で、ホルムアルデヒドは入っていません。
二酸化炭素と一酸化炭素の基準値はそれぞれいくつか。
二酸化炭素は100万分の1000以下、一酸化炭素は100万分の6以下です。
温度・相対湿度・気流の基準値は。
温度は18℃以上28℃以下、相対湿度は40%以上70%以下、気流は0.5m/s以下です。
機械換気設備を設けている場合、7項目のうちどれが外れるか。
温度と相対湿度が外れます。施行令第2条第一号ロが挙げているのは第一号から第三号まで、第六号及び第七号です。
特定建築物にあたる延べ面積の基準は。
原則3,000m²以上です。学校等の用途に供される建築物だけ8,000m²以上になります。
測定の方法や適用の判断は厚生労働省令と所轄行政庁の運用によります。個別の可否は所轄の保健所または建築主事にご確認ください。
級ごとに分けています。1級 機械工学|2級 機械工学を見てください。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
引っかかりやすいのは、どちらの法令の話かを取り違える点です。
ホルムアルデヒドの基準があるのは建築物衛生法だけです。建築基準法の中央管理方式の空気調和設備の基準は6項目で、ホルムアルデヒドは入っていません。
数値のほうは、粉じん0.15・CO 6・CO2 1000・温度18〜28・湿度40〜70・気流0.5と並べて覚えると、どちらの法令でも使えます。