管工事施工管理技士 独学ガイド

  1. HOME
  2. 機器・材料
  3. > 冷却塔

冷却塔とは?塔本体と水槽の構造・開放式と密閉式の違い

T

T

冷却塔は部品の名前が多く、どこに何の決まりがあるのか分かりません。

開放式と密閉式の違いも、聞かれると答えに詰まります。

この記事の要点

構成は塔本体・水槽・送風機・電動機の4つです。仕様書はこの順で要件を書いています。

冷却水取出口は渦流による空気を吸込まない構造とし、ストレーナを備えます。

はしごが要るのは塔本体の高さが1.5m以上の場合です。附属品の欄に書かれています。

構成は塔本体・水槽・送風機・電動機の4つです。

各部の要件を並べます。

冷却塔の構成と要件を並べた図。公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)第6節「冷却塔」により、塔本体は内部の点検及び掃除ができる構造とし、水分配装置は水の落下分布が均一なもの、空気取入口は外部への水の飛散を防止するもの、充塡材は落下水滴を均一に細分させる構造とする。水槽の冷却水取出口は渦流による空気を吸込まない構造とし、ステンレス製又は合成樹脂製のストレーナを備える。送風機は1.11.2「軸流送風機及び斜流送風機」によるものとし、排気口には保護網等を備える。附属品のはしごは塔本体の高さが1.5m以上の場合に設け、冷却能力及び騒音試験はJIS B 8609による。建築基準法の適用を受ける冷却塔の構造は同法施行令第129条の2の6及び告示による。出題では、開放式冷却塔は冷却水の一部を蒸発させてその蒸発潜熱により冷却水温度を下げる装置、密閉式冷却塔は開放式に比べ熱交換器等の空気抵抗が大きく送風機の動力が大きくなる、白煙は外気温度が低い冬季や湿度の高い梅雨期に飽和状態に近い吐出し空気が外気と混合して発生する場合がある、と示されている。
左は仕様書、右は出題で示された内容。※要件を並べた図。

冷却塔は何でできているのか

4つの部品が挙げられています。

公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)1.6.1(1)/1.6.2(1)/1.6.3(1)(3)(4)

1.6.1 建築基準法の適用を受ける冷却塔の構造は、本節によるほか、同法施行令第129条の2の6及び同令に基づく告示の定めによる。

1.6.2 構成は、塔本体、水槽、送風機、電動機等とする。

(1) 本体は、内部の点検及び掃除ができる構造とし、材質は、ガラス繊維強化ポリエステル樹脂、硬質塩化ビニル、ステンレス鋼材又は鋼材とする。

(3) 空気取入口は、空気の流通を均分するとともに外部への水の飛散を防止するものとする。

(4) 充塡材は、落下水滴を均一に細分させる構造とする。

塔本体は内部の点検及び掃除ができる構造です。使い続ける前提で書かれています。

充塡材の役目も一文で示されています。落下水滴を均一に細分させる構造です。

建築基準法の側は不燃材料と準不燃材料・難燃材料で扱った令第129条の2の6が根拠になります。

水槽と冷却水の取出口はどう決まっているのか

吸い込むものが問題になります。

公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)1.6.4(1)(2)

(1) 水槽は、冷却水の接続口のほか、排水管、オーバーフロー管、補給水管等の接続口を有する構造とする。また、冷却水取出口は、渦流による空気を吸込まない構造とし、ステンレス製又は合成樹脂製のストレーナを備えたものとする。

(2) 水槽の材質は、ガラス繊維強化ポリエステル樹脂、硬質塩化ビニル又はステンレス鋼板とする。

取出口は渦流による空気を吸込まない構造です。ストレーナも合わせて必要になります。

接続口は4つ挙げられています。冷却水・排水管・オーバーフロー管・補給水管です。

送風機とはしごはどう決まっているのか

送風機は別の項を引いています。

公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)1.6.5(1)(2)/1.6.8(2)/1.6.9(1)

1.6.5(1) 1.11.2「軸流送風機及び斜流送風機」によるものとし、羽根の材質は、亜鉛鉄板、アルミニウム材又は合成樹脂とする。

(2) 排気口には、ステンレス鋼製、鋼製又は合成樹脂製の保護網等を備えたものとする。

1.6.8(2) はしご(塔本体の高さが1.5m以上の場合とし、鋼製又はステンレス鋼製とする。) 一式

1.6.9(1) 冷却塔の冷却能力及び騒音試験は、JIS B 8609(強制通風式クーリングタワー性能試験方法)による。

使うのは軸流送風機及び斜流送風機です。遠心送風機の項ではありません。

はしごには条件が付きます。塔本体の高さが1.5m以上の場合です。

送風機そのものの決まりは送風機の種類と排煙機で扱っています。

開放式と密閉式は何が違うのか

出題では動力の差が示されています。

種類 出題で示された内容
開放式 冷却水の一部を蒸発させて、その蒸発潜熱により冷却水温度を下げる
密閉式 開放式に比べて熱交換器等の空気抵抗が大きくなるため、送風機の動力が大きくなる

どちらも令和5年度1級(第一次A)No.39で正しい肢として出た記述です。密閉式は動力の側が大きくなります。

まちがえやすいポイント

同じ問いで、部品の位置を変えた肢が正答になりました。

令和5年度1級(第一次A)No.39で、肢(2)「開放式冷却塔には、充てん材を通過して滴下する水滴の塔外飛散防止として塔本体の外部側面にエリミネーターを設けている」が適当でないものとして正答になりました。

仕様書が水の飛散について書いているのは空気取入口です。「空気の流通を均分するとともに外部への水の飛散を防止するものとする」と1.6.3(3)にあります。

白煙はどんなときに出るのか

季節の条件が示されています。

令和5年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A No.39 肢(4)(正しい肢)

外気温度が低い冬季や湿度の高い梅雨期に運転する場合には、周囲の空気より高温で飽和状態に近い冷却塔の吐出し空気が、外気と混合して白煙を発生する場合がある。

出るのは冬季や梅雨期とされています。吐出し空気が外気と混合したときです。

薬液注入装置も仕様書に項があります。冷却塔用薬液注入装置は薬注ポンプ・薬液タンク・制御装置・共通ベース等から構成され、適用は特記によります。

理解度チェック

Q.

冷却塔の構成は何か。

塔本体、水槽、送風機、電動機等です。

Q.

冷却水取出口はどんな構造にするか。

渦流による空気を吸込まない構造とし、ステンレス製又は合成樹脂製のストレーナを備えます。

Q.

冷却塔の送風機はどの項によるか。

1.11.2「軸流送風機及び斜流送風機」です。

Q.

はしごが要るのはどんな場合か。

塔本体の高さが1.5m以上の場合です。

Q.

密閉式は開放式と比べて何が大きくなるか。

熱交換器等の空気抵抗が大きくなるため、送風機の動力が大きくなります。

まとめ

  • 構成は塔本体・水槽・送風機・電動機
  • 塔本体は内部の点検及び掃除ができる構造。充塡材は落下水滴を均一に細分させる。
  • 冷却水取出口は渦流による空気を吸込まない構造とし、ストレーナを備える。
  • 送風機は1.11.2(軸流及び斜流)による。排気口には保護網等。
  • はしごは塔本体の高さが1.5m以上の場合。
  • 試験はJIS B 8609(強制通風式クーリングタワー性能試験方法)。
  • 出題では、密閉式は開放式より送風機の動力が大きくなるとされている。

実際に使う冷却塔の形式や能力は特記と設計図書によって変わります。個別の判断は監督員の指示にしたがってください。

あわせて読む

この科目の過去問はどこにあるか

級ごとに分けています。1級 機器・材料2級 機器・材料を見てください。

参考資料

  • 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版)第6節「冷却塔」1.6.1から1.6.9(国土交通省大臣官房官庁営繕部、令和7年11月5日 国営設第110号。国土交通省 官庁営繕のページで公開されているPDFの120ページから121ページ)。構成、塔本体、水槽、送風機、附属品、試験は同節によります。
  • 令和5年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A No.39(問題と正答肢は指定試験機関の公表資料。正答は2で、正答肢の表を画像にして目視で確認)。
  • ※ 「開放式」「密閉式」「エリミネーター」「白煙」は仕様書には出てきません。この記事の該当部分は、上記の公表された正答にもとづく記述です。
  • ※ 電動機の規格や冷却塔の据付けは別の節によるもので、この記事では扱っていません。
T

この記事を書いた人

T

管工事施工管理技士の用語・過去問を、法令や公的な基準など一次資料にあたって整理しています。

T

T

管工事施工管理技士の用語・条文・数値を、公表された過去問と一次資料にあたって整理しています。

Topへ >>