管工事施工管理技士 独学ガイド

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膨張タンクとは?開放形と密閉形の違いと熱交換器の構造

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膨張タンクの開放と密閉で、何がどう変わるのか分かりません。

熱交換器も2種類あって、構造の言葉が覚えにくいです。

この記事の要点

膨張タンクは開放形と空調用密閉形隔膜式の2つです。接続口の数が大きく違います。

密閉形はダイヤフラム式又はブラダー式で、最高使用温度は100℃未満とされています。

熱交換器は多管形がU字管式円筒多管形、プレート形が水対水用です。

膨張タンクは2種類、熱交換器も2種類が並びます。

4つの機器の要件を並べます。

膨張タンクと熱交換器の区分を並べた図。公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)第13節「タンク及びヘッダー」により、開放形膨張タンクは鋼板又はステンレス鋼板を溶接加工により成形したもので、膨張管、通気管、給水管、オーバーフロー管、排水管等の接続口及び液面制御装置の取付座を有する構造とし、鋼板の場合は内面にエポキシ樹脂ライニングを施す。空調用密閉形隔膜式膨張タンクはダイヤフラム式又はブラダー式とし、膨張管の接続口及び空気室の封入圧力を調整するための空気圧調整弁を有する構造で、最高使用温度は100度未満とし、隔膜はブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム又はエチレンプロピレンゴム、空気圧調整弁のバルブコアはJIS D 4211「自動車用タイヤバルブコア」による。多管形熱交換器はU字管式円筒多管形とし、管板に束ねて取付けたU字に曲げた管を胴体に納めたもので、端部水室は管の内部が点検できる構造とし、管の材質は銅及び銅合金の継目無管。プレート形熱交換器は水対水用に適用し、波形にプレス成形した伝熱板をガスケットを介して重ね合せ、両端を固定フレームと遊動フレームとで押さえて締め付けた構造で、プレートはSUS304又はSUS316、冷水の場合はドレンパンを備える。
タンクと熱交換器が2つずつ。※仕様書の要件を並べた図。

膨張タンクは何種類あるのか

仕様書は2つの項に分けています。

名称 目印
1.13.5 開放形膨張タンク 接続口が5つ
1.13.6 空調用密閉形隔膜式膨張タンク 膨張管と空気圧調整弁

公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)1.13.5(1)(2)

(1) 開放形膨張タンクは、鋼板又はステンレス鋼板を溶接加工により成形したものとし、膨張管、通気管、給水管、オーバーフロー管、排水管等の接続口及び液面制御装置の取付座を有する構造とする。

(2) 本体の材質は、鋼板又はステンレス鋼板のSUS304によるものとし、材質は特記による。なお、鋼板の場合は、内面に第2編3.2.2.3「エポキシ樹脂ライニング」を施したものとする。

接続口が並びます。膨張管・通気管・給水管・オーバーフロー管・排水管の5つです。

大気に開いた形なので通気管とオーバーフロー管が要ります。令和6年度2級(前期)No.11の肢(3)「開放式膨張タンクは、装置内のエア抜きとしても利用できる」が正しい肢として出ました。

密閉形隔膜式にはどんな決まりがあるのか

方式と温度が示されています。

公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)1.13.6(1)(3)(4)

(1) 空調用密閉形隔膜式膨張タンクは、ダイヤフラム式又はブラダー式とし、膨張管の接続口及び空気室の封入圧力を調整するための空気圧調整弁を有する構造とする。また、第2種圧力容器構造規格に該当するものは、封入圧力及び作動圧力を表示するための圧力計を備えたものとする。なお、最高使用温度は、100℃未満とする。

(3) ダイヤフラム及びブラダーに使用する隔膜は、可とう性、耐熱性及び強度を有するものとし、材質は、(中略)ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム又はエチレンプロピレンゴムとする。

(4) 空気圧調整弁のバルブコアは、JIS D 4211「自動車用タイヤバルブコア」によるものとする。

方式は2つです。ダイヤフラム式又はブラダー式と書かれています。

温度にも上限が付きます。最高使用温度は100℃未満です。

まちがえやすいポイント

接続口の数が大きく違います。

開放形は膨張管・通気管・給水管・オーバーフロー管・排水管の5つですが、密閉形に書かれているのは膨張管の接続口と空気圧調整弁だけです。

設置できる場所も違います。令和6年度2級(前期)No.11の肢(4)「密閉式膨張タンクは、設置場所の制限が少ないため、ボイラー室等に設置できる」が正しい肢として出ました。

逃がし管の扱いも出題されています。同じ問いの肢(2)「開放式膨張タンクにボイラーの逃がし管を接続する場合、その途中に弁は設けない」も正しい肢です。

多管形熱交換器はどんな構造か

形式が1つに決められています。

公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)1.13.3(1)(2)

(1) 多管形熱交換器は、U字管式円筒多管形とする。管板に束ねて取付けたU字に曲げた管を、胴体に納めたものとし、端部水室は、管の内部が点検できる構造とする。また、蒸気管、還水管、温水管、温水還り管等の接続口及び圧力計、安全弁、逃し弁、温度検出器等の取付座を有する構造とする。

(2) 胴体の材質は、鋼板又はJIS G 3452「配管用炭素鋼鋼管」、管の材質は、JIS H 3300「銅及び銅合金の継目無管」、端部水室の材質は、ステンレス鋼板によるものとする。

形式はU字管式円筒多管形です。管をU字に曲げて胴体に納めます。

点検できる場所も決められています。端部水室は、管の内部が点検できる構造です。

プレート形熱交換器はどんな構造か

板を重ねて締め付ける構造です。

公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)1.13.4(1)(2)(3)

(1) 本項は、水対水用のプレート形熱交換器に適用する。

(2) プレート形熱交換器は、波形にプレス成形した伝熱板を、適切な枚数、ガスケットを介して重ね合せ、両端を固定フレームと遊動フレームとで押さえ、緊密に締め付けた構造とする。

(3) プレートの材質は、JIS G 4305「冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯」のSUS304又はSUS316、フレームの材質は、JIS G 3101「一般構造用圧延鋼材」によるもの、ガスケットの材質は、ニトリルゴム、耐熱ニトリルゴム又はエチレンプロピレンゴムとする。

適用は限られています。水対水用のものだけです。

両端のフレームは呼び方が違います。固定フレームと遊動フレームで押さえます。

冷水の場合は受け皿が要ります。附属品にドレンパン(SUS304 厚さ1.0mm以上)が挙げられています。

還水タンクはどう決まっているのか

材質が絞られています。

公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)1.13.2(1)(2)(3)

(1) 還水タンクは、ステンレス鋼板を溶接加工により成形したものとし、補給水管、ボイラー給水管、排水管、オーバーフロー管、通気管、還水管等の接続口及び水面計、温度計、液面制御装置の取付座を有する構造とする。

(2) 本体の材質は、ステンレス鋼板のSUS304、SUS316又はSUS444によるものとし、ステンレスの種類は特記による。

(3)(ウ) 鋼製はしご(タンク本体高さ1.5m以上の場合とし、(中略)) 一式

(オ) マンホール(直径600mm以上の円が内接することができるもの) 一式

はしごの条件は冷却塔と同じです。タンク本体高さ1.5m以上の場合に付きます。

マンホールにも寸法があります。直径600mm以上の円が内接することができるものです。

ポンプ側の決まりはポンプの種類と附属品で扱っています。

理解度チェック

Q.

開放形膨張タンクの接続口は何か。

膨張管、通気管、給水管、オーバーフロー管、排水管等です。

Q.

空調用密閉形隔膜式膨張タンクの方式は。

ダイヤフラム式又はブラダー式です。最高使用温度は100℃未満とされています。

Q.

多管形熱交換器の形式は。

U字管式円筒多管形です。端部水室は管の内部が点検できる構造とします。

Q.

プレート形熱交換器はどの用途に適用するか。

水対水用です。

Q.

還水タンクのマンホールの大きさは。

直径600mm以上の円が内接することができるものです。

まとめ

  • 膨張タンクは開放形空調用密閉形隔膜式の2つ。
  • 開放形の接続口は膨張管・通気管・給水管・オーバーフロー管・排水管
  • 密閉形はダイヤフラム式又はブラダー式で、最高使用温度100℃未満
  • 密閉形に書かれている接続口は膨張管と空気圧調整弁だけ。
  • 多管形熱交換器はU字管式円筒多管形。端部水室は管の内部が点検できる構造。
  • プレート形熱交換器は水対水用。固定フレームと遊動フレームで締め付ける。
  • 還水タンクはステンレス鋼板製。マンホールは直径600mm以上の円が内接するもの。

実際に使う機器の材質や容量は特記と設計図書によって変わります。個別の判断は監督員の指示にしたがってください。

あわせて読む

この科目の過去問はどこにあるか

級ごとに分けています。1級 機器・材料2級 機器・材料を見てください。

参考資料

  • 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版)第13節「タンク及びヘッダー」1.13.2から1.13.6(国土交通省大臣官房官庁営繕部、令和7年11月5日 国営設第110号。国土交通省 官庁営繕のページで公開されているPDFの150ページから151ページ)。構造、材質、接続口、附属品は同節によります。
  • 令和6年度 2級管工事施工管理技術検定 第一次検定(前期)No.11、令和7年度 2級管工事施工管理技術検定 第一次検定(後期)No.18(問題と正答肢は指定試験機関の公表資料。正答はそれぞれ1と4で、正答肢の表を画像にして目視で確認)。
  • ※ 仕様書は「開放」「密閉」と書き、出題は「開放」「密閉」と書いています。この記事では、仕様書を引く部分は「形」、出題を引く部分は「式」のまま表記しています。
  • ※ 膨張管の接続位置については、この記事では扱っていません。仕様書の当該項に位置の定めがないためです。
  • ※ オイルタンク、ヘッダー、タンクの試験は別の項によるもので、この記事では扱っていません。
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この記事を書いた人

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管工事施工管理技士の用語・過去問を、法令や公的な基準など一次資料にあたって整理しています。

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