令和7年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A【No.22】は、換気に関する問題です。4つの記述のうち、適当でないものを1つ選びます。
誤りは選択肢3です。設けるべき室から、むしろ除かれています。
建築基準法は換気設備を義務づけていますが、その条文には「政令で定めるものを除く」という書き方が入っています。
そして施行令が、除かれる室を並べています。その最初に挙がっているのが、密閉式燃焼器具等しか置いていない室です。法と政令をつないで読むと、向きが逆だと分かります。
※ このページに問題文そのものは載せていません。一般財団法人 全国建設研修センターの試験問題および正答肢のページには、2026年8月時点で令和7年度と令和8年度が掲載されています。
正解:選択肢3
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(適当) | 電気室の冷房設備併設です。この年度の正答肢により適当とされています |
| 2 | ○(適当) | 施行令第20条の8が、住宅等の居室について0.5という数値を定めています |
| 3 | ×(適当でない) | 施行令第20条の3が、この室を除かれるものとして挙げています |
| 4 | ○(適当) | 自然換気設備の構造です。令和3年度の1級 問題A No.22に、同じ記述が正しい肢として並んでいます |
まず法のほうを見ます。義務づけの文の中に、かっこ書きで除外が用意されています。
建築基準法 第二十八条(居室の採光及び換気)第三項
別表第一(い)欄(一)項に掲げる用途に供する特殊建築物の居室又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたもの(政令で定めるものを除く。)には、政令で定める技術的基準に従つて、換気設備を設けなければならない。
この「政令で定めるものを除く」の中身が、施行令に書かれています。
建築基準法施行令 第二十条の三(火を使用する室に設けなければならない換気設備等)第一項
法第二十八条第三項の規定により政令で定める室は、次に掲げるものとする。
一 火を使用する設備又は器具で直接屋外から空気を取り入れ、かつ、廃ガスその他の生成物を直接屋外に排出する構造を有するものその他室内の空気を汚染するおそれがないもの(以下この項及び次項において「密閉式燃焼器具等」という。)以外の火を使用する設備又は器具を設けていない室
二 床面積の合計が百平方メートル以内の住宅又は住戸に設けられた調理室(発熱量の合計が十二キロワット以下の火を使用する設備又は器具を設けたものに限る。)で、当該調理室の床面積の十分の一(〇・八平方メートル未満のときは、〇・八平方メートルとする。)以上の有効開口面積を有する窓その他の開口部を換気上有効に設けたもの
三 発熱量の合計が六キロワット以下の火を使用する設備又は器具を設けた室(調理室を除く。)で換気上有効な開口部を設けたもの
一号の言い回しに注意します。「密閉式燃焼器具等以外の火を使用する設備又は器具を設けていない室」ですから、置いてあるのが密閉式燃焼器具等だけ、という室のことです。
それが法第28条第3項の「除く」対象に入っています。つまり換気設備を設けるべき室から外れます。設ける必要があるという書き方は、向きが逆です。
選択肢2の0.5も、施行令に数値があります。
同施行令 第二十条の八(居室を有する建築物の換気設備についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準)第一項第一号イ(1)
有効換気量が、次の式によつて計算した必要有効換気量以上であること。
Vr=nAh
Vr 必要有効換気量(単位 一時間につき立方メートル)
n 住宅等の居室にあつては〇・五、その他の居室にあつては〇・三
A 居室の床面積(単位 平方メートル)
h 居室の天井の高さ(単位 メートル)
住宅等の居室が0.5、その他の居室が0.3です。床面積と天井の高さを掛けると室の容積になるので、この数値は1時間あたり何回分の空気を入れ替えるかにあたります。
| 条文 | 何を定めているか |
|---|---|
| 法 第二十八条第三項 | 火を使用する室に換気設備を設ける義務。ただし政令で定めるものを除く |
| 施行令 第二十条の三第一項 | その除かれる室を3つ挙げる。一号が密閉式燃焼器具等だけの室 |
| 施行令 第二十条の三第二項 | 除かれなかった室(換気設備を設けるべき調理室等)の換気設備の構造 |
| 施行令 第二十条の八 | ホルムアルデヒドについての必要有効換気量。住宅等の居室は0.5 |
選択肢4の自然換気設備についても、過去に同じ内容が出ています。令和3年度の1級 問題A No.22は、自然換気設備の排気口を給気口より高い位置に設け、常時解放された構造とし、かつ排気筒の立ち上がり部分に直結するという記述を、正しい肢として置いています。同じ年度の選択肢4には、住宅等の居室の換気回数を0.5回毎時以上とする記述も、正しい肢として並んでいます。
その令和3年度で誤りとされたのは、床面積の30分の1以上の開口部があれば事務所の居室に換気設備は不要とする記述です。法の条文を見ると、この割合が違うと分かります。
建築基準法 第二十八条(居室の採光及び換気)第二項
居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。
ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。
20分の1以上であって、30分の1ではありません。第3項が火を使用する室の話であるのに対し、第2項は居室一般の換気の話です。同じ第28条でも、項によって対象が変わります。
必要有効換気量は必要有効換気量とは?20Af/Nとホルムアルデヒドの0.5で扱っています。
密閉式燃焼器具だけを設けた室には、換気設備が必要か。
建築基準法第28条第3項は、火を使用する設備等を設けた室に換気設備を義務づけていますが、政令で定めるものを除いています。施行令第20条の3第1項一号が、密閉式燃焼器具等以外の設備又は器具を設けていない室を挙げているので、除かれる側です。
住宅等の居室の必要有効換気量は、どう計算するか。
Vr=nAhで求めます。nは住宅等の居室が0.5、その他の居室が0.3、Aは居室の床面積、hは居室の天井の高さです。施行令第20条の8第1項第一号イ(1)によります。
換気設備を設けるべき室から除かれるのは、密閉式のほかに何があるか。
床面積の合計が100平方メートル以内の住宅または住戸の調理室で、発熱量の合計が12キロワット以下のもの(床面積の10分の1以上の有効開口面積を有する開口部があるもの)と、発熱量の合計が6キロワット以下の設備等を設けた室(調理室を除き、換気上有効な開口部があるもの)です。
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換気設備の要否は、室の用途と設ける器具によって変わります。実際の計画では所轄の建築主事等にご確認ください。
この問で問われた語を、年度をまたいで整理しています。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月