令和7年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A【No.9】は、室内の空気環境に関する問題です。4つの記述のうち、適当でないものを1つ選びます。
誤りは選択肢1です。粉じんの大きさと影響の向きが逆に書かれています。
法令を見ると、はっきりします。建築物衛生法の施行規則は、相対沈降径がおおむね10マイクロメートル以下の浮遊粉じんを、測定の対象として定めています。
そして施行令が、その量に基準値を置いています。影響を与えないのであれば、測定器の性能まで決めて測らせる理由がありません。
※ このページに問題文そのものは載せていません。一般財団法人 全国建設研修センターの試験問題および正答肢のページには、2026年8月時点で令和7年度と令和8年度が掲載されています。
正解:選択肢1
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(適当でない) | 法令はおおむね10マイクロメートル以下の浮遊粉じんを測定対象とし、量に基準値を置いています |
| 2 | ○(適当) | 不完全燃焼と一酸化炭素です。令和5年度・令和3年度の1級 問題A No.3でも正しい肢として出ています |
| 3 | ○(適当) | 揮発性有機化合物とシックハウス症候群です。この年度の正答肢により適当とされています |
| 4 | ○(適当) | 1,000ppmは法令の基準値そのものです。致命的とされるのは、けた違いに高い濃度です |
浮遊粉じんの測り方は、施行規則が細かく定めています。
建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則 第三条の二(空気環境の測定方法)
令第二条第一号ハの規定による測定の方法は、次の各号の定めるところによる。
一 当該特定建築物の通常の使用時間中に、各階ごとに、居室の中央部の床上七十五センチメートル以上百五十センチメートル以下の位置において、次の表の各号の上欄に掲げる事項について当該各号の下欄に掲げる測定器(略)を用いて行うこと。
一 浮遊粉じんの量 グラスフアイバーろ紙(〇・三マイクロメートルのステアリン酸粒子を九九・九パーセント以上捕集する性能を有するものに限る。)を装着して相対沈降径がおおむね十マイクロメートル以下の浮遊粉じんを重量法により測定する機器又は厚生労働大臣の登録を受けた者により当該機器を標準として較正された機器
おおむね10マイクロメートル以下という範囲が、そのまま測定の対象です。さらに施行令が、その量に基準値を定めています。
建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令 第二条(建築物環境衛生管理基準)第一号イの表より
一 浮遊粉じんの量 …… 空気一立方メートルにつき〇・一五ミリグラム以下
二 一酸化炭素の含有率 …… 百万分の六以下
三 二酸化炭素の含有率 …… 百万分の千以下
七 ホルムアルデヒドの量 …… 空気一立方メートルにつき〇・一ミリグラム以下
測定器の性能まで決めて測らせ、上限値を置いているのですから、影響がないという書き方は成り立ちません。
選択肢4の1,000ppmも、この表で確かめられます。二酸化炭素の含有率の基準は百万分の千以下で、これが1,000ppmです。つまり1,000ppmは、守るべき上限として置かれている値です。
致命的とされる濃度は、まったく別のけたです。令和3年度の1級 問題A No.3は、空気中の二酸化炭素濃度が20パーセント程度以上になると人体に致命的な影響を与える、という記述を正しい肢として出しています。1,000ppmは0.1パーセントですから、20パーセントとは200倍の開きがあります。
選択肢2の不完全燃焼も、過去に繰り返し出ています。
| 年度・問 | 扱い | 記述の内容 |
|---|---|---|
| 令和5年度 1級 A No.3 | 正しい肢 | 空気中の酸素濃度が18.5パーセントを下回ると、不完全燃焼による一酸化炭素の発生量が多くなる |
| 令和3年度 1級 A No.3 | 正しい肢 | 燃焼において、酸素濃度が19パーセントに低下すると、不完全燃焼により急速に一酸化炭素が発生する |
| 令和3年度 1級 A No.3 | 誤りの肢 | 空気中の一酸化炭素濃度が2パーセントになると、20分程度で人体に頭痛、目まいが生じる(同年度の公表正答) |
室内の空気の基準は室内空気の管理基準とは?建築物衛生法の7項目と建築基準法の6項目で扱っています。
浮遊粉じんは、どの大きさのものを測定するか。
相対沈降径がおおむね10マイクロメートル以下の浮遊粉じんです。建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則 第三条の二第一号の表に定められています。測定器はグラスフアイバーろ紙を装着し、重量法により測定するものとされています。
二酸化炭素の含有率の基準はいくつか。
百万分の千以下です。同法施行令 第二条第一号イの表によります。百万分の千が1,000ppmにあたるので、1,000ppmは守るべき上限として置かれている値です。
空気環境の測定は、どこで行うか。
特定建築物の通常の使用時間中に、各階ごとに、居室の中央部の床上75センチメートル以上150センチメートル以下の位置で行います。同施行規則 第三条の二第一号です。
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建築物環境衛生管理基準が適用されるのは、法が定める特定建築物です。対象や基準値は改正されることがあります。
この問で問われた語を、年度をまたいで整理しています。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月