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令和7年度 1級 機械工学 問題A No.12 を解説(短絡保護は専用の遮断器かヒューズ)

令和7年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A【No.12】は、三相誘導電動機に関する問題です。4つの記述のうち、適当でないものを1つ選びます。

この問題のポイント

誤りは選択肢1です。過負荷保護の側の組合せが、短絡保護に当てられています。

解釈を見ると、この2つは別々に定められています。短絡保護を担うのは短絡保護専用遮断器または短絡保護専用ヒューズで、電磁開閉器は過負荷保護装置の側です。

そのうえで、両者を組み合わせて1つの箱に収めることとされています。組み合わせて使うからこそ、役割が分かれています。

※ このページに問題文そのものは載せていません。一般財団法人 全国建設研修センターの試験問題および正答肢のページには、2026年8月時点で令和7年度と令和8年度が掲載されています。

正解:選択肢1

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(適当でない) 解釈は短絡保護に専用の遮断器またはヒューズを求めています
2 ○(適当) インバータと電動機の温度です。この年度の正答肢により適当とされています
3 ○(適当) 始動電流が3分の1です。令和4年度の1級 問題A No.11が正しい肢として出しています
4 ○(適当) 0.2kW以下です。解釈 第153条のただし書きにそのまま書かれています

選択肢1のポイント(ここが誤り)

解釈は、過負荷保護と短絡保護を別々の装置として定め、それを組み合わせるという書き方をしています。

電気設備の技術基準の解釈 第33条(低圧電路に施設する過電流遮断器の性能等)第4項(抜粋)

4 過電流遮断器として低圧電路に施設する過負荷保護装置と短絡保護専用遮断器又は短絡保護専用ヒューズを組み合わせた装置は、電動機のみに至る低圧電路(低圧幹線(第142条に規定するものをいう。)を除く。)で使用するものであって、次の各号に適合するものであること。
一 過負荷保護装置は、次に適合するものであること。
 イ 電動機が焼損するおそれがある過電流を生じた場合に、自動的にこれを遮断すること。
 ロ 電気用品安全法の適用を受ける電磁開閉器、又は次に適合するものであること。(略)
二 短絡保護専用遮断器は、次に適合するものであること。
 イ 過負荷保護装置が短絡電流によって焼損する前に、当該短絡電流を遮断する能力を有すること。
 ロ 定格電流の1倍の電流で自動的に動作しないこと。
 ハ 整定電流は、定格電流の13倍以下であること。
 ニ 整定電流の1.2倍の電流を通じた場合において、0.2秒以内に自動的に動作すること。
四 過負荷保護装置と短絡保護専用遮断器又は短絡保護専用ヒューズは、専用の1の箱の中に収めること。

電磁開閉器が出てくるのは、過負荷保護装置の側です。電磁開閉器は電磁接触器と保護継電器を組み合わせたものですから、選択肢1が挙げている組合せは、過負荷保護の側のものになります。

一方で短絡保護は、短絡保護専用遮断器または短絡保護専用ヒューズが担います。条文はこの2つに、短絡電流を遮断する能力や整定電流の条件を細かく付けています。

守る対象 担う装置 条文が付けている条件
過負荷過負荷保護装置
(電気用品安全法の適用を受ける電磁開閉器など)
電動機が焼損するおそれがある過電流を生じた場合に、自動的に遮断すること
短絡短絡保護専用遮断器または短絡保護専用ヒューズ整定電流は定格電流の13倍以下、整定電流の1.2倍で0.2秒以内に動作(遮断器の場合)

選択肢4の0.2kWも、解釈にそのまま書かれています。

同解釈 第153条(電動機の過負荷保護装置の施設)

屋内に施設する電動機には、電動機が焼損するおそれがある過電流を生じた場合に自動的にこれを阻止し、又はこれを警報する装置を設けること。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合はこの限りでない。
一 電動機を運転中、常時、取扱者が監視できる位置に施設する場合
二 電動機の構造上又は負荷の性質上、その電動機の巻線に当該電動機を焼損する過電流を生じるおそれがない場合
三 電動機が単相のものであって、その電源側電路に施設する過電流遮断器の定格電流が15A(配線用遮断器にあっては、20A)以下の場合
四 電動機の出力が0.2kW以下の場合

選択肢3の始動電流は、前の年度で確かめられます。令和4年度の1級 問題A No.11は、スターデルタ始動方式を「始動時の電流及び電動機トルクが全電圧始動に対して3分の1になる始動方式」と説明した組合せを、正しい側に置いています。平成30年度の1級 問題A No.12では、始動トルクをじか入れ始動方式の√3分の1とした記述が誤りとされています。3分の1であって、√3分の1ではありません。

電動機まわりの数値はスターデルタ始動の始動電流はいくつか?三相誘導電動機の読み分けで扱っています。

覚え方

  • 短絡保護は短絡保護専用遮断器または短絡保護専用ヒューズが担います(解釈 第33条第4項)
  • 電磁開閉器が出てくるのは過負荷保護装置の側です。役割を取り違えないようにします
  • 両者は組み合わせて使い、専用の1の箱の中に収めることとされています
  • 過負荷保護装置を省けるのは、電動機の出力が0.2kW以下などの場合です(解釈 第153条)
  • スターデルタ始動は、始動電流も始動トルクも全電圧始動の3分の1です。√3分の1ではありません

理解度チェック

Q.

短絡保護は、どの装置が担うか。

短絡保護専用遮断器または短絡保護専用ヒューズです。電気設備の技術基準の解釈 第33条第4項が、過負荷保護装置とこれらを組み合わせた装置について定めています。電磁開閉器は過負荷保護装置の側に挙げられています。

Q.

過負荷保護装置を設けなくてよいのは、どのような場合か。

同解釈 第153条のただし書きに4つ挙げられており、そのひとつが電動機の出力が0.2kW以下の場合です。ほかに、運転中に常時取扱者が監視できる位置に施設する場合などがあります。

Q.

スターデルタ始動方式では、始動電流は全電圧始動の何分の1になるか。

3分の1です。令和4年度の1級 問題A No.11が、始動時の電流および電動機トルクが全電圧始動に対して3分の1になる始動方式として、正しい側に置いています。

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電気設備の技術基準の解釈は改正されることがあります。実際の設計や工事では、その時点の版をご確認ください。

関連する用語

この問で問われた語を、年度をまたいで整理しています。

参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和7年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 試験問題A」および同センターが公表した正答肢(問題A【No.12】=(1))。
  • 経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」第33条「低圧電路に施設する過電流遮断器の性能等」第4項。
  • 同解釈 第153条「電動機の過負荷保護装置の施設」。
  • 同センター「令和4年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 試験問題A」問題A【No.11】および同年度の公表正答肢((3))。
  • 同センター「平成30年度 1級管工事施工管理技術検定 学科試験 試験問題A」問題A【No.12】および同年度の公表正答肢((2))。
  • ※ 問題文・選択肢は掲載していません。
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