管工事施工管理技士 独学ガイド

  1. HOME
  2. 法規
  3. > 職長等の教育

職長教育に補償は入るのか?教育事項の読み分け

T

T

職長教育の項目が多くて覚えられません。

どれが入っていないのか見分けたいです。

この記事の要点

教育事項に入っていないものとして出されたのは、平成21年度が休業補償、平成28年度が作業補償です。

令和元年度は作業効率の確保及び品質管理の方法が規定されていない事項でした。

教育事項を定めているのは労働安全衛生法第60条と、同法施行規則第40条です。

1級の問題Bでは【No.19】が職長等の教育の枠になる年があります。

3年度の正答を並べます。

職長等の教育事項に入らないものを年度ごとに並べた図。左は教育事項に入っていないと出題された肢で、平成21年度の1級管工事施工管理技術検定 学科試験 問題B No.19の肢3が労働者の休業補償で公表正答3、平成28年度の同No.19の肢2が労働者の作業補償で公表正答2、令和元年度の同No.19の肢1が作業効率の確保及び品質管理の方法に関することで公表正答1であり、3年度とも教育事項に無いものを選ばせていること。右は条文が並べている教育事項で、労働安全衛生法第60条が作業方法の決定及び労働者の配置、労働者に対する指導又は監督の方法、前二号のほか労働災害を防止するため必要な事項で厚生労働省令で定めるものの3号を挙げ、労働安全衛生規則第40条第1項が危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置、異常時等における措置、その他現場監督者として行うべき労働災害防止活動の3号を挙げること。下は規則第40条第2項の表が定める時間で、法第60条第一号の事項が二時間、第二号の事項が二・五時間、規則第一号が四時間、規則第二号が一・五時間、規則第三号が二時間。
左が3年度の正答、右が条文の教育事項。下が教育時間。

教育事項に入っていないのは何だったのか

3年度のうち2年度が補償の話でした。

平成21年度 1級 学科試験 問題B【No.19】(3)/平成28年度 同【No.19】(2)(いずれも誤りの肢)

労働者の休業補償

労働者の作業補償

平成21年度の公表正答は(3)、平成28年度は(2)です。補償で終わる肢が2年度とも外れました。

労働者への補償は別の枠組みです。業務上の負傷と災害補償で扱っています。

令和元年度は何が規定されていない事項か

作業効率の確保及び品質管理の方法です。

令和元年度 1級 学科試験 問題B【No.19】(1)(規定されていない肢)

作業効率の確保及び品質管理の方法に関すること

令和元年度の公表正答は(1)です。作業効率の確保及び品質管理は教育事項に入りません。

安全と衛生のための教育です。効率や品質は目的が違うという切り分けになります。

法は教育事項をいくつ挙げているのか

3号で、3号目は省令に投げています。

労働安全衛生法 第60条(抜粋)

事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくこととなつた職長その他の作業中の労働者を直接指導又は監督する者(作業主任者を除く。)に対し、次の事項について、厚生労働省令で定めるところにより、安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。

一 作業方法の決定及び労働者の配置に関すること。

二 労働者に対する指導又は監督の方法に関すること。

三 前二号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な事項で、厚生労働省令で定めるもの

対象から外れる人も条文にあります。作業主任者を除くと括弧書きが付いています。

業種は政令が決めます。労働安全衛生法施行令第19条第一号が建設業を挙げています。

省令は何を追加しているのか

調査と異常時と防止活動の3つです。

労働安全衛生規則 第40条第1項(職長等の教育)

法第六十条第三号の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。

一 法第二十八条の二第一項又は第五十七条の三第一項及び第二項の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置に関すること。

二 異常時等における措置に関すること。

三 その他現場監督者として行うべき労働災害防止活動に関すること。

令和元年度の残る3肢は、ここと法から取られています。危険性又は有害性等の調査異常時等における措置が規則の第一号と第二号です。

年度 教育事項に無いとされた肢 公表正答
平成21年度 労働者の休業補償 (3)
平成28年度 労働者の作業補償 (2)
令和元年度 作業効率の確保及び品質管理の方法 (1)

まちがえやすいポイント

この枠は「正しいものを選ぶ」形ではなく、入っていないものを選ぶ形です。

3年度とも、外れる肢は現場で実際に大事なことばかりです。補償も効率も品質も仕事には必要ですが、安全又は衛生のための教育かどうかで切ります。

条文の並びも手掛かりです。法が2つ、省令が3つで合計5つの枠しかありません。

教育の時間は決まっているのか

規則の表が事項ごとに定めています。

労働安全衛生規則 第40条第2項の表(抜粋)

法第六十条第一号に掲げる事項(一 作業手順の定め方/二 労働者の適正な配置の方法) 二時間

法第六十条第二号に掲げる事項(一 指導及び教育の方法/二 作業中における監督及び指示の方法) 二・五時間

前項第一号に掲げる事項(一 危険性又は有害性等の調査の方法/二 その結果に基づき講ずる措置/三 設備、作業等の具体的な改善の方法) 四時間

前項第二号に掲げる事項(一 異常時における措置/二 災害発生時における措置) 一・五時間

前項第三号に掲げる事項(一 作業に係る設備及び作業場所の保守管理の方法/二 労働災害防止についての関心の保持及び労働者の創意工夫を引き出す方法) 二時間

平成21年度と平成28年度の正しい肢は、この表の細目です。労働者の適正な配置の方法指導及び教育の方法がそのまま肢になっています。

省略できる場合も条文にあります。十分な知識及び技能を有していると認められる者については、その事項の教育を省略できます。

理解度チェック

Q.

「労働者の休業補償」は職長等の教育事項か。

入りません。平成21年度の公表正答はこの肢でした。

Q.

令和元年度に規定されていない事項として出されたのは何か。

作業効率の確保及び品質管理の方法に関することです。

Q.

労働安全衛生法第60条は教育事項をいくつ挙げているか。

3号です。第三号は厚生労働省令で定めるものとしています。

Q.

教育の対象から除かれているのは誰か。

作業主任者です。第60条の括弧書きで除かれています。

Q.

職長等の教育を行うべき業種に建設業は入るか。

入ります。労働安全衛生法施行令第19条第一号が建設業を挙げています。

まとめ

  • 教育事項に入らないと出たのは休業補償と作業補償。
  • 令和元年度は作業効率の確保及び品質管理
  • 公表正答は平成21年度(3)、平成28年度(2)、令和元年度(1)。
  • 法第60条が2号、規則第40条が3号を定める。
  • 対象から作業主任者は除かれる。
  • 業種は施行令第19条第一号で建設業
  • 教育時間は事項ごとに規則の表が定める。

出題の言い回しは年度によって変わります。個別の判断は最新の試験問題と公表正答、及び現行の法令を確認してください。

あわせて読む

この科目の過去問はどこにあるか

級ごとに分けています。1級 法規2級 法規を見てください。

参考資料

  • 1級管工事施工管理技術検定 学科試験 問題B【No.19】(平成21年度・平成28年度・令和元年度)及び各年度の公表正答肢(一般財団法人全国建設研修センター。試験問題/正答肢のページ)。公表正答は平成21年度が(3)、平成28年度が(2)、令和元年度が(1)です。
  • 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第60条(e-Gov法令検索)。
  • 労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第40条(e-Gov法令検索)。第2項の表と第3項の省略もこの条によります。
  • 労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)第19条(e-Gov法令検索)。第一号が建設業です。
  • ※ 教育時間の合計値は条文に記載がありません。表が事項ごとに定めている時間だけを記載しています。
T

この記事を書いた人

T

管工事施工管理技士の用語・過去問を、法令や公的な基準など一次資料にあたって整理しています。

T

T

管工事施工管理技士の用語・条文・数値を、公表された過去問と一次資料にあたって整理しています。

Topへ >>