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危険物の指定数量とは?商の和が1以上でみなされる仕組み

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それぞれが指定数量より少なければ大丈夫だと思っていました。

貯蔵所の種類も多くて、名前が覚えられません。

この記事の要点

品名が違う危険物を同じ場所に置くときは商の和で判定します。1以上なら指定数量以上です。

指定数量以上は貯蔵所以外で貯蔵できません。未満の基準は市町村条例が決めます。

貯蔵所は7区分、取扱所は4区分です。名前は置き場所の形で付いています。

「それぞれが未満なら大丈夫」は、条文がわざわざ否定しています。

ここが出題のねらい目になります。

危険物の指定数量と貯蔵所の区分を並べた図。第四類の指定数量は特殊引火物50リットル、第一石油類の非水溶性200リットル、アルコール類400リットル、第二石油類の非水溶性1000リットル、第三石油類の非水溶性2000リットル、第四石油類6000リットル、動植物油類10000リットルで、水溶性液体は非水溶性の2倍。貯蔵所は屋内貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、屋内タンク貯蔵所、地下タンク貯蔵所、簡易タンク貯蔵所、移動タンク貯蔵所、屋外貯蔵所の7区分。取扱所は給油取扱所、販売取扱所、移送取扱所、一般取扱所の4区分。品名又は指定数量を異にする二以上の危険物を同一の場所で貯蔵するときは、それぞれの数量を指定数量で割った商の和が1以上なら指定数量以上とみなす。所轄消防長又は消防署長の承認を受ければ10日以内の仮貯蔵ができる。
判定は割り算の足し算。※条文の要件を並べた図。

指定数量以上だと何が変わるのか

法第10条第1項が置ける場所を縛ります。

消防法 第10条第1項

指定数量以上の危険物は、貯蔵所(中略)以外の場所でこれを貯蔵し、又は製造所、貯蔵所及び取扱所以外の場所でこれを取り扱つてはならない。ただし、所轄消防長又は消防署長の承認を受けて指定数量以上の危険物を、十日以内の期間、仮に貯蔵し、又は取り扱う場合は、この限りでない。

貯蔵は貯蔵所、取扱いは製造所・貯蔵所・取扱所に限られます。

ただし書の要件は所轄消防長又は消防署長の承認10日以内の2つです。

品名が違うときはどう数えるのか

第2項が割り算の足し算で判定します。

消防法 第10条第2項

別表第一に掲げる品名(中略)又は指定数量を異にする二以上の危険物を同一の場所で貯蔵し、又は取り扱う場合において、当該貯蔵又は取扱いに係るそれぞれの危険物の数量を当該危険物の指定数量で除し、その商の和が一以上となるときは、当該場所は、指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱つているものとみなす。

計算は数量÷指定数量を足すだけです。合計が1以上でみなされます。

たとえば第二石油類(非水溶性)を600L、第三石油類(非水溶性)を1,000L置けば、0.6と0.5で合計1.1になります。

まちがえやすいポイント

ねらわれるのは、合算しなくてよいと書き換える形です。

令和7年度2級(前期)では「品名又は指定数量を異にする二以上の危険物を同一の場所で貯蔵する場合、それぞれの危険物の指定数量未満であれば指定数量以上の貯蔵所とはならない」とした肢が誤りとされました。商の和で判定します。

もうひとつが未満の扱いです。指定数量未満の基準は市町村条例で、消防法の政令ではありません。

指定数量未満はどこが決めるのか

法第9条の4が市町村条例に委ねています。

消防法 第9条の4(抜粋)

危険物についてその危険性を勘案して政令で定める数量(以下「指定数量」という。)未満の危険物及び(中略)指定可燃物(中略)その他指定可燃物に類する物品の貯蔵及び取扱いの技術上の基準は、市町村条例でこれを定める。

2 指定数量未満の危険物及び指定可燃物その他指定可燃物に類する物品を貯蔵し、又は取り扱う場所の位置、構造及び設備の技術上の基準(中略)は、市町村条例で定める。

指定数量そのものは政令ですが、未満の基準は市町村条例です。

指定可燃物も同じく市町村条例の側にあります。

第四類の指定数量はいくつか

政令の別表第三が定めています。

品名 指定数量
特殊引火物50L
第一石油類(非水溶性)200L
アルコール類400L
第二石油類(非水溶性)1,000L
第三石油類(非水溶性)2,000L
第四石油類6,000L
動植物油類10,000L

石油類は水溶性液体が非水溶性の2倍の値になります。

第一石油類から第三石油類までは200・1,000・2,000と上がります。

貯蔵所にはどんな種類があるのか

政令第2条が7つに区分しています。

貯蔵所
屋内貯蔵所(屋内の場所)
屋外タンク貯蔵所(屋外にあるタンク)
屋内タンク貯蔵所(屋内にあるタンク)
地下タンク貯蔵所(地盤面下に埋没されているタンク)
簡易タンク貯蔵所
移動タンク貯蔵所(車両に固定されたタンク)
屋外貯蔵所(屋外の場所。置ける品名が限定されている)

屋内と屋外で、場所そのものタンクが別の区分になっています。

第七号の屋外貯蔵所は、第四類なら第一石油類(引火点0度以上)以降など、置ける品名が限られます。

取扱所は何に分かれるのか

政令第3条が4つに区分しています。

取扱所 内容
給油取扱所給油設備で自動車等の燃料タンクに直接給油する
販売取扱所店舗で容器入りのまま販売する。倍数15以下が第一種、15超40以下が第二種
移送取扱所配管及びポンプ等によって危険物の移送の取扱いを行う
一般取扱所前3号以外の取扱所

販売取扱所だけ指定数量の倍数で第一種と第二種に分かれます。

消防用設備等そのものの分類は不活性ガス消火設備で扱っています。

設置の許可は誰が出すのか

法第11条第1項が市町村長等としています。

消防法 第11条第1項(抜粋)

製造所、貯蔵所又は取扱所を設置しようとする者は、政令で定めるところにより、製造所、貯蔵所又は取扱所ごとに、次の各号に掲げる(中略)区分に応じ、当該各号に定める者の許可を受けなければならない。製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備を変更しようとする者も、同様とする。

相手は、消防本部及び消防署を置く市町村なら市町村長、それ以外なら都道府県知事です。

設置だけでなく位置・構造・設備の変更にも許可が要ります。

理解度チェック

Q.

品名の違う危険物を同じ場所に置くとき、どう判定するか。

それぞれの数量を指定数量で除し、その商の和が1以上なら指定数量以上とみなされます。

Q.

指定数量以上の危険物を仮に貯蔵できるのはどんなときか。

所轄消防長または消防署長の承認を受けて、10日以内の期間に限られます。

Q.

指定数量未満の危険物の基準は何で定めるか。

市町村条例です。指定数量そのものは政令で定められています。

Q.

第三石油類(非水溶性)の指定数量はいくつか。

2,000Lです。水溶性液体はその2倍の4,000Lになります。

Q.

販売取扱所の第一種と第二種は何で分かれるか。

指定数量の倍数です。15以下が第一種、15を超え40以下が第二種になります。

まとめ

  • 指定数量以上は貯蔵所以外で貯蔵できない(法第10条第1項)。
  • ただし消防長又は消防署長の承認10日以内の仮貯蔵ができる。
  • 品名が違うときは商の和が1以上で指定数量以上とみなす(第2項)。
  • 指定数量未満と指定可燃物の基準は市町村条例(法第9条の4)。
  • 第四類は50・200・400・1,000・2,000・6,000・10,000L。水溶性は非水溶性の2倍。
  • 貯蔵所は7区分、取扱所は4区分
  • 販売取扱所は倍数15以下が第一種15超40以下が第二種

指定数量未満の扱いは市町村条例によるため、地域で内容が変わります。個別の判断は所轄の消防本部・消防署にご確認ください。

あわせて読む

この科目の過去問はどこにあるか

級ごとに分けています。1級 法規2級 法規を見てください。

参考資料

  • 消防法(昭和23年法律第186号)第9条の4・第10条・第11条(e-Gov法令検索)。指定数量未満の市町村条例、貯蔵と取扱いの制限、10日以内の仮貯蔵、商の和による判定、設置の許可は同法によります。
  • 危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号)第2条・第3条・別表第三(e-Gov法令検索)。貯蔵所の7区分、取扱所の4区分と販売取扱所の倍数、第四類の指定数量は同令によります。
  • ※ 誤りとされた肢は、一般財団法人 全国建設研修センターが公表した正答肢によります(令和7年度2級 第一次検定(前期)No.45 正答=4)。肢の文言は問題PDFを画像にして目視で確認しました。
  • ※ 第一類から第六類までの品名と数量は別表第三に一覧があります。本記事は管工事で扱うことが多い第四類に絞って整理しています。
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この記事を書いた人

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管工事施工管理技士の用語・過去問を、法令や公的な基準など一次資料にあたって整理しています。

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管工事施工管理技士の用語・条文・数値を、公表された過去問と一次資料にあたって整理しています。

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