管工事施工管理技士 独学ガイド

  1. HOME
  2. 衛生設備
  3. > 不活性ガス消火設備

不活性ガス消火設備とは?電気室や駐車場に設ける根拠

T

T

電気室にガス系という話は聞きますが、根拠を知りません。

連結送水管が消火設備なのかどうかも、あやふやです。

この記事の要点

どこに何を設けるかは施行令第13条の表で決まります。5つの消火設備から選ぶ形です。

電気設備・多量の火気・通信機器室は水噴霧と泡が選べません。残る3つから選びます。

連結送水管は消火設備ではなく消火活動上必要な施設です。分類が別の枠になります。

条文は「この部分にはこの中から」という表の形で書かれています。

水系が選べるかどうかで、対象がきれいに分かれます。

消防法施行令第13条の表を対象部分と消火設備の組み合わせで示した図。道路の用に供される部分は屋上600平方メートルその他400平方メートル以上で水噴霧・泡・不活性ガス・粉末が選べ、ハロゲン化物は選べない。自動車の修理又は整備の用に供される部分は地階と2階以上200平方メートル1階500平方メートル以上で泡・不活性ガス・ハロゲン化物・粉末が選べ、水噴霧は選べない。駐車の用に供される部分は5つとも選べる。発電機や変圧器などの電気設備は200平方メートル以上、鍛造場やボイラー室や乾燥室その他多量の火気を使用する部分は200平方メートル以上、通信機器室は500平方メートル以上で、いずれも不活性ガス・ハロゲン化物・粉末だけが選べ、水噴霧と泡は選べない。連結送水管や連結散水設備や非常コンセント設備や無線通信補助設備や排煙設備は消火活動上必要な施設。
水系が選べない3つが、ガス系と粉末の出番。※条文の要件を並べた図。

消防用設備等はどう分かれるのか

施行令第7条が3層に分けています。

消防法施行令 第7条第1項・第5項・第6項

法第十七条第一項の政令で定める消防の用に供する設備は、消火設備、警報設備及び避難設備とする。

5 法第十七条第一項の政令で定める消防用水は、防火水槽又はこれに代わる貯水池その他の用水とする。

6 法第十七条第一項の政令で定める消火活動上必要な施設は、排煙設備、連結散水設備、連結送水管、非常コンセント設備及び無線通信補助設備とする。

大枠は消防の用に供する設備消防用水消火活動上必要な施設の3つです。

そのうち消防の用に供する設備が、さらに消火設備・警報設備・避難設備の3つに分かれます。

消火設備は何種類あるのか

第7条第2項が10種類を挙げています。

消火設備
消火器及び簡易消火用具(水バケツ、水槽、乾燥砂、膨張ひる石又は膨張真珠岩)
二〜三屋内消火栓設備、スプリンクラー設備
四〜八水噴霧、泡、不活性ガス、ハロゲン化物、粉末の各消火設備
九〜十屋外消火栓設備、動力消防ポンプ設備

第13条の表で選ぶのは、このうち第四号から第八号までの5つです。

屋内消火栓設備の技術基準は屋内消火栓設備の基準で扱っています。

まちがえやすいポイント

枠を取り違えやすいのが連結送水管です。

連結送水管、連結散水設備、非常コンセント設備、無線通信補助設備、排煙設備は消火活動上必要な施設で、消火設備ではありません。消防隊が使う側の設備という位置づけです。

もうひとつが第13条の表です。電気設備には水噴霧も泡も選べないので、水系が並んでいる肢はこの行では成り立ちません。

電気設備の部分には何を設けるのか

第13条の表が3つに絞っています。

消防法施行令 第13条の表(抜粋)

別表第一に掲げる防火対象物の発電機、変圧器その他これらに類する電気設備が設置されている部分で、床面積が二百平方メートル以上のもの → 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備又は粉末消火設備

別表第一に掲げる防火対象物の鍛造場、ボイラー室、乾燥室その他多量の火気を使用する部分で、床面積が二百平方メートル以上のもの → 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備又は粉末消火設備

別表第一に掲げる防火対象物の通信機器室で、床面積が五百平方メートル以上のもの → 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備又は粉末消火設備

3行とも同じ不活性ガス・ハロゲン化物・粉末です。水噴霧と泡は入りません。

面積は電気設備と多量の火気が200m²、通信機器室だけが500m²です。

駐車の用に供される部分は何が選べるのか

ここだけ5つとも選べます。

消防法施行令 第13条の表(抜粋)

別表第一に掲げる防火対象物の駐車の用に供される部分で、次に掲げるもの

一 当該部分の存する階(屋上部分を含み、駐車するすべての車両が同時に屋外に出ることができる構造の階を除く。)における当該部分の床面積が、地階又は二階以上の階にあつては二百平方メートル以上、一階にあつては五百平方メートル以上、屋上部分にあつては三百平方メートル以上のもの

二 昇降機等の機械装置により車両を駐車させる構造のもので、車両の収容台数が十以上のもの

→ 水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備又は粉末消火設備

面積は階で3段に分かれます。地階または2階以上が200m²、1階が500m²、屋上部分が300m²です。

面積によらず、機械式で収容台数10以上なら対象になります。

自動車の修理と道路はどこが違うのか

選べる設備が1つずつ欠けています。

部分 床面積 選べないもの
道路の用に供される部分 屋上600m²/それ以外400m² ハロゲン化物消火設備
自動車の修理又は整備の用に供される部分 地階・2階以上200m²/1階500m² 水噴霧消火設備
駐車の用に供される部分 地階・2階以上200m²/1階500m²/屋上300m² なし

似た用途でも欠ける設備が違います。道路はハロゲン化物、修理・整備は水噴霧が入りません。

ヘリポートや格納庫は何になるのか

2つだけに絞られます。

消防法施行令 第13条の表(抜粋)

別表第一(十三)項ロに掲げる防火対象物 → 泡消火設備又は粉末消火設備

別表第一に掲げる防火対象物の屋上部分で、回転翼航空機又は垂直離着陸航空機の発着の用に供されるもの → 泡消火設備又は粉末消火設備

どちらも泡消火設備又は粉末消火設備です。面積の要件は書かれていません。

不活性ガスもハロゲン化物も選べない、数少ない行になります。

理解度チェック

Q.

消防用設備等の大枠3つを答えよ。

消防の用に供する設備、消防用水、消火活動上必要な施設です。最初のものが消火設備・警報設備・避難設備に分かれます。

Q.

連結送水管はどの枠に入るか。

消火活動上必要な施設です。消火設備ではありません。

Q.

電気設備が設置されている部分では、どの消火設備が選べるか。

不活性ガス、ハロゲン化物、粉末の3つです。床面積200m²以上が対象になります。

Q.

通信機器室の床面積の基準はいくつか。

500m²以上です。電気設備や多量の火気を使用する部分の200m²とは違います。

Q.

機械式駐車場が面積によらず対象になるのはどんなときか。

昇降機等の機械装置により車両を駐車させる構造で、車両の収容台数が10以上のときです。

まとめ

  • 大枠は消防の用に供する設備・消防用水・消火活動上必要な施設(令第7条)。
  • 消火設備は10種類。第13条で選ぶのは第四号から第八号の5つ。
  • 連結送水管・連結散水設備・非常コンセント設備・無線通信補助設備・排煙設備は消火活動上必要な施設
  • 電気設備・多量の火気・通信機器室は不活性ガス・ハロゲン化物・粉末の3つだけ。
  • 面積は電気設備と多量の火気が200m²、通信機器室が500m²
  • 駐車の用に供される部分は5つとも選べる。機械式は収容台数10以上
  • 道路はハロゲン化物、修理・整備は水噴霧が選べない。

実際にどの設備を選ぶかは、防火対象物の用途区分や消防長・消防署長の判断によります。個別の判断は所轄の消防本部・消防署にご確認ください。

あわせて読む

この科目の過去問はどこにあるか

級ごとに分けています。1級 衛生設備2級 衛生設備を見てください。

参考資料

  • 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第7条・第13条(e-Gov法令検索)。消防用設備等の分類と消火設備の10種類は第7条、部分ごとに設ける消火設備の組み合わせと床面積は第13条の表によります。
  • ※ 第13条の表には、指定可燃物を貯蔵し又は取り扱う部分に関する行もあります。本記事は建築設備として出やすい行に絞って整理しています。
  • ※ 消火の原理や各消火設備の放出方式は施行令に定めがないため、本記事では扱っていません。
T

この記事を書いた人

T

管工事施工管理技士の用語・過去問を、法令や公的な基準など一次資料にあたって整理しています。

T

T

管工事施工管理技士の用語・条文・数値を、公表された過去問と一次資料にあたって整理しています。

Topへ >>