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屋内消火栓設備の基準とは?水平距離25mと15mで何が変わるのか

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25mと15mがあるのは知っていますが、そのほかの数字が結びつきません。

水源の量も放水圧力も違うと言われて、余計に混乱しています。

この記事の要点

施行令は屋内消火栓設備の基準を3通り定めています。水平距離25mが2つ、15mが1つです。

変わるのは距離だけではありません。水源水量・放水圧力・放水量も組でセットになっています。

加圧送水装置は0.7MPaを超えないための措置を講じます。超えさせるのではありません。

数値は4つで1組です。距離だけを覚えると肢を切れません。

施行令第11条第3項が、防火対象物の区分に応じて3通りの基準を並べています。

屋内消火栓設備の3通りの基準を並べた比較図。第一号は水平距離25m、水源は設置個数に2.6立方メートルを乗じた量、放水圧力0.17MPa以上、放水量130リットル毎分以上。第二号イは水平距離15m、水源1.2立方メートル、放水圧力0.25MPa以上、放水量60リットル毎分以上。第二号ロは水平距離25m、水源1.6立方メートル、放水圧力0.17MPa以上、放水量80リットル毎分以上。どの基準も水源の個数は2個を上限とする。
距離・水源・圧力・水量が組でセットになっている。※条文の数値を並べた図。

消防法施行令 第11条第3項第一号(抜粋)

イ 屋内消火栓は、防火対象物の階ごとに、その階の各部分から一のホース接続口までの水平距離が二十五メートル以下となるように設けること。

ハ 水源は、その水量が屋内消火栓の設置個数が最も多い階における当該設置個数(当該設置個数が二を超えるときは、二とする。)に二・六立方メートルを乗じて得た量以上の量となるように設けること。

ニ 屋内消火栓設備は、いずれの階においても、当該階のすべての屋内消火栓(設置個数が二を超えるときは、二個の屋内消火栓とする。)を同時に使用した場合に、それぞれのノズルの先端において、放水圧力が〇・一七メガパスカル以上で、かつ、放水量が百三十リットル毎分以上の性能のものとすること。

3通りの数値はどう組み合わさっているのか

条文の順に並べると次のようになります。

条文 水平距離 水源(1個あたり) 放水圧力 放水量
第一号 25m 2.6m³ 0.17MPa以上 130L/min以上
第二号イ 15m 1.2m³ 0.25MPa以上 60L/min以上
第二号ロ 25m 1.6m³ 0.17MPa以上 80L/min以上

25mが2つあります。第一号と第二号ロで距離は同じでも水源と放水量が違う点が要注意です。

圧力が最も高いのは第二号イの0.25MPaで、水量は最も少ない60L/minです。

水源の量はどう計算するのか

掛け算です。設置個数が最も多い階の設置個数に、上の表の数値を乗じます。

ただし条文に括弧書きがあり、設置個数が2を超えるときは2とします。

3個でも5個でも、計算に使うのは2です。第一号なら 2×2.6=5.2m³ が上限になります。

放水の性能はどう確かめるのか

条文は「同時に使用した場合」と条件を付けています。

ここでも2個を超えるときは2個です。1つずつ試すのではなく、2個を同時に使った状態で圧力と水量を満たす必要があります。

第二号イと第二号ロには、消防用ホースの構造を一人で操作することができるものとする定めもあります。第一号にはありません。

まちがえやすいポイント

引っかかるのは、加圧送水装置の圧力の向きです。

規則は「放水圧力が0.7MPaを超えないための措置を講じること」と定めています。上限であって、目標ではありません。

令和7年度1級では「0.7MPaを超えるようにしなければならない」とした肢が誤りとされました。

もうひとつが水平距離です。25mは2通りあるので、距離だけで水源や放水量を決めつけないでください。

加圧送水装置には何が要るのか

規則が細目を定めています。ポンプを用いる場合の主なものです。

消防法施行規則 第12条第1項第七号 ハ(ポンプを用いる加圧送水装置)(抜粋)

(ホ) ポンプには、その吐出側に圧力計、吸込側に連成計を設けること。

(ヘ) 加圧送水装置には、定格負荷運転時のポンプの性能を試験するための配管設備を設けること。

(ト) 加圧送水装置には、締切運転時における水温上昇防止のための逃し配管を設けること。

(チ) 原動機は、電動機によるものとすること。

この(ホ)から(チ)は、ハの下にぶら下がる細目です。ポンプを用いる場合だけにかかります。

これとは別に、加圧送水装置の全体にかかるがあります。

消防法施行規則 第12条第1項第七号 ホ

加圧送水装置には、当該屋内消火栓設備のノズルの先端における放水圧力が〇・七メガパスカルを超えないための措置を講じること。

吐出側が圧力計、吸込側が連成計です。名前が入れ替わる形の肢が作れます。

性能試験配管は定格負荷運転時、逃し配管は締切運転時と、目的が分かれています。

ほかの消火設備を入れると免除されるのか

されます。施行令第11条第4項に定めがあります。

スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備などを基準に従って設置したときは、その有効範囲内の部分について屋内消火栓設備を設置しないことができます

ただし屋外消火栓設備と動力消防ポンプ設備は別扱いで、免除されるのは1階及び2階の部分に限られます

理解度チェック

Q.

施行令が定める屋内消火栓設備の水平距離は何通りあるか。

25mと15mの2種類ですが、基準は3通りあります。25mの基準が2つ(第一号と第二号ロ)あるためです。

Q.

水源水量の計算で、設置個数はいくつを上限とするか。

2個です。設置個数が2を超えるときは2として計算し、放水性能を確かめるときの同時使用も同じく2個です。

Q.

加圧送水装置の放水圧力について規則は何を求めているか。

ノズルの先端における放水圧力が0.7MPaを超えないための措置を講じることです。上限を定めたもので、超えさせるのではありません。

Q.

ポンプの吐出側と吸込側には何を設けるか。

吐出側に圧力計、吸込側に連成計を設けます。

Q.

性能試験配管と逃し配管は、それぞれ何のためのものか。

性能試験配管は定格負荷運転時のポンプ性能を試験するため、逃し配管は締切運転時の水温上昇を防止するためです。

まとめ

  • 施行令第11条第3項の基準は3通り。水平距離25mが2つ、15mが1つ。
  • 第一号は25m・2.6m³・0.17MPa・130L/min
  • 第二号イは15m・1.2m³・0.25MPa・60L/min、第二号ロは25m・1.6m³・0.17MPa・80L/min
  • 水源も同時使用も2個を上限として計算する。
  • 加圧送水装置は0.7MPaを超えないための措置。吐出側に圧力計、吸込側に連成計。
  • ほかの消火設備を設けるとその有効範囲内で免除。屋外消火栓と動力消防ポンプは1階・2階のみ。

どの基準が適用されるかは防火対象物の区分によります。個別の判断は所轄の消防本部・消防署にご確認ください。

あわせて読む

この科目の過去問はどこにあるか

級ごとに分けています。1級 衛生設備2級 衛生設備を見てください。

参考資料

  • 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第11条第3項・第4項(e-Gov法令検索)。水平距離、水源水量、放水圧力、放水量、他の消火設備による免除は同条によります。
  • 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第12条第1項第七号(e-Gov法令検索)。加圧送水装置の圧力計・連成計、性能試験配管、逃し配管、0.7MPaを超えないための措置は同号によります。
  • 「1号消火栓」「2号消火栓」「易操作性1号消火栓」という呼び名は、施行令にも施行規則にもありません。条文は第一号、第二号イ、第二号ロと書き分けています。本記事は条文の呼び方で整理しています。
  • ※ 加圧送水装置の放水圧力の向きは、一般財団法人 全国建設研修センターが公表した正答肢によります(令和7年度1級 第一次検定 問題B No.17)。
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この記事を書いた人

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管工事施工管理技士の用語・過去問を、法令や公的な基準など一次資料にあたって整理しています。

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管工事施工管理技士の用語・条文・数値を、公表された過去問と一次資料にあたって整理しています。

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