管工事施工管理技士 独学ガイド

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流速が3倍になると圧力損失は何倍か?流体の読み分け

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圧力損失が何に比例するのか、管長と管内径で毎回迷います。

粘性係数と動粘性係数の違いも分かりません。

この記事の要点

流速が3倍になると、摩擦による圧力損失は9倍になります。

ダルシー・ワイスバッハの式は、圧力損失が管長に比例することを表しています。

摩擦が働く原因は粘性です。慣性ではありません。

比例するものと2乗で効くものが分かれています。

1級の問題Aで3年分を並べます。

流体の圧力損失とレイノルズ数の出題を並べた図。1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A(令和5年度No.4・No.5、令和6年度No.4、令和7年度No.2・No.4)の記述と公表正答による。令和5年度No.5では、流体が直管路を流れている場合に流速が3倍となったとき、摩擦による圧力損失の変化後の倍率は9倍が正答である。令和7年度No.4では、水平な円管の直管部に水が流れている場合、粘性のために流体摩擦が働いて圧力損失を生じ、ダルシー・ワイスバッハの式はこの圧力損失が管長に比例することを表しているという組合せが正答である。令和6年度No.4では、オリフィスと流量測定、レイノルズ数と粘性力、ベルヌーイの定理とエネルギー保存の法則が関係のある組合せで、ジュコフスキーの式と毛管現象が関係のない組合せとされた。令和5年度No.4では、ベルヌーイの定理は流体の持っている運動エネルギー・重力による位置エネルギー及び圧力によるエネルギーの和が流線に沿って一定であることを示すこと、水の粘性係数は圧力が一定の場合に水温の低下とともに大きくなること、空気の粘性係数は圧力が一定の場合に温度の低下とともに小さくなることが正しい肢で、動粘性係数は粘性係数を流体の速度で除した値であるという記述が誤りとされた。令和7年度No.2は、レイノルズ数15,000の乱流を層流にする条件を問う計算問題で、レイノルズ数が2,000未満で層流となるという但し書きが付いている。
左が正しい記述、右が誤りと関係のない組合せ。※公表正答で確定した記述を並べた図。

流速が3倍になると圧力損失は何倍か

9倍です。

令和5年度 1級 第一次検定 問題A【No.5】(公表正答は(4))

流体が直管路を流れている場合、流速が3倍となったとき、摩擦による圧力損失の変化後の倍率として、適当なものはどれか。ただし、圧力損失は、ダルシー・ワイスバッハの式によるものとし、流速以外は同じとする。

(1) 1/9倍 (2) 1/3倍 (3) 3倍 (4) 9倍

流速の変化 摩擦による圧力損失
3倍 9倍

公表正答は(4)です。3倍の流速で9倍の圧力損失になります。

条件が但し書きに書かれています。流速以外は同じとされています。

ダルシー・ワイスバッハの式は何に比例するのか

管長です。

令和7年度 問題A【No.4】(公表正答は(4))

水平な円管の直管部に水が流れている場合、[A]のために流体摩擦が働いて、圧力損失を生じる。ダルシー・ワイスバッハの式は、この圧力損失が、[B]に比例することを表している。

(4) A 粘性  B 管長

選択肢は慣性と粘性、管内径と管長の組合せでした。Aは粘性、Bは管長が公表正答です。

摩擦が働く原因が問われています。粘性のために流体摩擦が働いて圧力損失を生じます。

まちがえやすいポイント

比例するものと2乗で効くものが同じ式の中にあります。

令和7年度で問われたのは管長に比例することで、令和5年度で問われたのは流速が3倍なら圧力損失が9倍になることです。どちらもダルシー・ワイスバッハの式の話ですが、聞かれている部分が違います。

選択肢には管内径も並んでいました。公表正答は管長のほうです。

レイノルズ数は何と関係があるのか

粘性力です。

令和6年度 問題A【No.4】(公表正答は(2))

流体に関する用語の組合せのうち、関係のないものはどれか。

(1) オリフィス 流量測定  (2) ジュコフスキーの式 毛管現象  (3) レイノルズ数 粘性力  (4) ベルヌーイの定理 エネルギー保存の法則

公表正答は(2)です。ジュコフスキーの式と毛管現象は関係のない組合せと確定します。

残る3つは関係がある組合せです。オリフィスは流量測定、レイノルズ数は粘性力、ベルヌーイの定理はエネルギー保存の法則です。

層流と乱流はどこで分かれるのか

2,000未満という但し書きが付きます。

令和7年度 問題A【No.2】(公表正答は(3))

水平な円管の直管部を水が乱流(レイノルズ数15,000)で流れている。次のうち、流れが層流になる条件として、適当なものはどれか。ただし、レイノルズ数が2,000未満で層流となるものとする。

境目の値は問題文に書かれています。レイノルズ数が2,000未満で層流という但し書きです。

選択肢は管内径と平均流速を変える条件でした。15,000から2,000未満まで下げる条件を選ぶ形式です。

動粘性係数は何で除した値か

速度で除したという記述が誤りとされました。

令和5年度 問題A【No.4】(1)(誤りの肢)

動粘性係数は、粘性係数を流体の速度で除した値であり、粘性の流体運動に及ぼす影響を示す。

令和5年度の公表正答は(1)です。流体の速度で除した値という記述は誤りと確定します。

正しい除数は同じ年度の問題文にありません。誤りとして出された事実だけが確定します。

粘性係数は温度でどう動くのか

水と空気で逆になります。

令和5年度 問題A【No.4】(2)(3)(4)(いずれも正しい肢)

(2) ベルヌーイの定理は、流体の持っている運動エネルギー、重力による位置エネルギー及び圧力によるエネルギーの和が流線に沿って一定であることを示している。

(3) 水の粘性係数は、圧力が一定の場合、水温の低下とともに大きくなる。

(4) 空気の粘性係数は、圧力が一定の場合、温度の低下とともに小さくなる。

同じ「温度の低下」で向きが分かれます。水は大きくなり、空気は小さくなるとされています。

ベルヌーイの定理には範囲が書かれています。流線に沿って一定です。

配管の摩擦は配管の試験と保持時間でも触れています。

理解度チェック

Q.

流速が3倍になると摩擦による圧力損失は何倍か。

9倍です。

Q.

ダルシー・ワイスバッハの式で圧力損失が比例するのは。

管長です。摩擦が働く原因は粘性です。

Q.

レイノルズ数と関係があるのは何か。

粘性力です。

Q.

令和7年度の問題で層流の境目とされた値は。

レイノルズ数が2,000未満です。問題文の但し書きにあります。

Q.

水温が下がると水の粘性係数はどうなるか。

大きくなります。空気は温度の低下とともに小さくなります。

まとめ

  • 流速が3倍になると圧力損失は9倍
  • ダルシー・ワイスバッハの式で比例するのは管長
  • 摩擦が働く原因は粘性
  • レイノルズ数は粘性力と関係がある。
  • 「ジュコフスキーの式と毛管現象」は関係のない組合せ
  • 層流の境目は問題文でレイノルズ数2,000未満とされた。
  • 「動粘性係数は粘性係数を速度で除した値」は誤り
  • 粘性係数は温度低下で水は大きく、空気は小さくなる。

出題の言い回しや但し書きは年度によって変わります。個別の判断は最新の試験問題と公表正答を確認してください。

あわせて読む

この科目の過去問はどこにあるか

級ごとに分けています。1級 機械工学2級 機械工学を見てください。

参考資料

  • 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A【No.4】【No.5】(令和5年度)、【No.4】(令和6年度)、【No.2】【No.4】(令和7年度)及び各年度の公表正答肢(一般財団法人全国建設研修センター。試験問題/正答肢のページ)。公表正答は令和5年度No.4が(1)・No.5が(4)、令和6年度No.4が(2)、令和7年度No.2が(3)・No.4が(4)です。倍率と数値は、同PDFの当該ページを画像にして目視で確認しました。
  • ※ 動粘性係数が粘性係数を何で除した値かについては、この記事で扱った3年度の問題文の中に正しい肢としての記述がありません。誤りとして出された事実だけを記載しています。
  • ※ ダルシー・ワイスバッハの式そのものや、レイノルズ数の計算式は、この記事では扱っていません。
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管工事施工管理技士の用語・過去問を、法令や公的な基準など一次資料にあたって整理しています。

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管工事施工管理技士の用語・条文・数値を、公表された過去問と一次資料にあたって整理しています。

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