管工事施工管理技士 独学ガイド

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空気過剰率は大きいほどよいのか?燃焼の用語の読み分け

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空気を多めに送れば燃え残りが減る気がします。

それなのに誤りの肢になっていて混乱します。

この記事の要点

空気過剰率を大きいほどよいと書いた肢は、平成28年度と令和元年度で誤りになりました。

令和3年度と令和4年度は、大きすぎると廃ガスによる熱損失が増えるという肢が正しい肢です。

理論空気量は完全燃焼に理論的に必要な最小の空気量と定義されています。

燃焼は1級の問題Aで【No.8】か【No.9】の枠に入る出題です。

空気過剰率が出た4年度を並べます。

燃焼の出題で空気過剰率がどちらの向きで出たかを並べた図。左は空気過剰率が出た4年度の肢で、平成28年度の肢2は熱損失を少なくするためには空気過剰率は大きいほど望ましいとして公表正答2の誤り、令和元年度の肢1はボイラーの燃焼において空気過剰率が大きいほど熱損失は小さくなるとして公表正答1の誤り、令和3年度の肢4は空気過剰率が大きすぎると廃ガスの持ち去る熱による損失が多くなるとする正しい肢、令和4年度の肢3は空気過剰率が大きすぎると廃ガスによる熱損失が増大するとする正しい肢。右は正しい肢が置いている定義で、理論空気量は燃料を完全燃焼させるために理論的に必要な最小の空気量、理論燃焼ガス量は理論空気量で完全燃焼した際に生じる燃焼ガス量、高発熱量は燃焼ガスに含まれる水蒸気が凝縮したときの潜熱を含めた発熱量で低発熱量はその潜熱を含まない発熱量。下は固体燃料の向きで、令和3年度の肢1は燃焼に最も多く空気を必要とするのは固体燃料であるとする正しい肢、令和4年度の肢4は固体燃料は理論空気量に近い空気量で完全燃焼するとして公表正答4の誤り。
左が4年度の肢、右が定義。下が固体燃料の向き。

空気過剰率を大きくするとどうなると出題されたのか

大きいほどよいと書いた肢が2年度とも誤りになりました。

平成28年度 1級 学科試験 問題A【No.9】(2)(誤りの肢)

ボイラーの燃焼において、熱損失を少なくするためには、空気過剰率は大きいほど望ましい。

令和元年度 1級 学科試験 問題A【No.8】(1)(誤りの肢)

ボイラーの燃焼において、空気過剰率が大きいほど熱損失は小さくなる。

平成28年度の公表正答は(2)、令和元年度は(1)です。大きいほど熱損失が減るという向きが否定されています。

言い回しは年度で変わっています。望ましい小さくなるで、どちらも同じ向きです。

正しい肢はどう書いているのか

大きすぎると廃ガスが熱を持ち去ると書いています。

令和3年度 1級 第一次検定 問題A【No.9】(4)(正しい肢)

空気過剰率が大きすぎると廃ガスの持ち去る熱による損失が多くなる。

令和4年度 1級 第一次検定 問題A【No.8】(3)(正しい肢)

空気過剰率が大きすぎると、廃ガスによる熱損失が増大する。

損失の中身が肢に書かれています。廃ガスの持ち去る熱という部分です。

条件も肢に置かれています。大きすぎるとという限定です。

年度 空気過剰率の書かれ方 扱い
平成28年度 大きいほど望ましい 誤り(公表正答2)
令和元年度 大きいほど熱損失は小さくなる 誤り(公表正答1)
令和3年度 大きすぎると廃ガスの熱損失が多い 正しい肢
令和4年度 大きすぎると熱損失が増大する 正しい肢

まちがえやすいポイント

空気過剰率は4年度とも出ていますが、正誤は肢の向きで入れ替わります。

語を見た瞬間に正誤を決められません。大きいほどよいのか、大きすぎると損なのか、書かれた向きを最後まで読む必要があります。

手掛かりは条件の語です。大きすぎるとと書かれた年度は、どちらも正しい肢でした。

理論空気量はどう定義されているのか

完全燃焼に理論的に必要な最小の空気量です。

平成28年度 問題A【No.9】(4)/令和4年度 問題A【No.8】(1)(2)(いずれも正しい肢)

理論空気量とは、燃料を完全燃焼させるために理論的に必要な最小の空気量をいう。

燃料を完全燃焼させるために理論的に必要な空気量を理論空気量という。

燃料が理論空気量で完全燃焼した際に生じる燃焼ガス量を理論燃焼ガス量(理論廃ガス量)という。

平成28年度の肢には最小という語が入っています。理論的に必要な最小の空気量という書き方です。

ガス側にも同じ組み立ての語があります。理論燃焼ガス量は理論空気量で燃やしたときのガス量です。

高発熱量と低発熱量はどこが違うのか

水蒸気の潜熱を含めるかどうかです。

令和3年度 問題A【No.9】(2)/令和元年度 問題A【No.8】(4)(いずれも正しい肢)

高発熱量とは、燃焼ガスに含まれる水蒸気が凝縮したときに得られる潜熱を含めた発熱量をいい、低発熱量とは、潜熱を含まない発熱量をいう。

低発熱量とは、高発熱量から潜熱分を差し引いた熱量をいう。

令和3年度の肢が両方を定義しています。水蒸気が凝縮したときに得られる潜熱が分かれ目です。

令和元年度は引き算で書いています。高発熱量から潜熱分を差し引いた熱量が低発熱量です。

潜熱そのものの扱いは熱と伝熱の読み分けで扱っています。

固体燃料はどう出ているのか

令和3年度と令和4年度で向きが入れ替わっています。

令和3年度 問題A【No.9】(1)(正しい肢)

気体燃料、液体燃料、固体燃料のうち、燃焼に最も多く空気を必要とするのは固体燃料である。

令和4年度 問題A【No.8】(4)(誤りの肢)

固体燃料は、空気と接する燃料の表面が大きいため、理論空気量に近い空気量で完全燃焼する。

令和4年度の公表正答は(4)です。理論空気量に近い空気量で完全燃焼するという部分が誤りと確定します。

令和3年度は逆の向きが正しい肢でした。最も多く空気を必要とするのが固体燃料です。

窒素酸化物は燃焼温度とどう結び付いているのか

高温燃焼時のほうが多いという向きです。

令和元年度 問題A【No.8】(2)/平成28年度 問題A【No.9】(1)(いずれも正しい肢)

燃焼ガス中の窒素酸化物の量は、低温燃焼時よりも高温燃焼時の方が多い。

燃焼ガス中の窒素酸化物の量は、一般に、高温燃焼時よりも低温燃焼時の方が少ない。

令和3年度 問題A【No.9】(3)(誤りの肢)

燃焼ガス中の窒素酸化物の量は、高温燃焼時より低温燃焼時のほうが多い。

令和3年度の公表正答は(3)です。低温燃焼時のほうが多いと書いた向きが否定されています。

正しい肢は2つの言い方で出ています。高温のほうが多い低温のほうが少ないで、中身は同じです。

窒素酸化物の法令上の位置はばい煙と窒素酸化物で扱っています。

理解度チェック

Q.

「熱損失を少なくするためには、空気過剰率は大きいほど望ましい」は正しいか。

誤りです。平成28年度の公表正答はこの肢でした。

Q.

空気過剰率が大きすぎると何による損失が増えると出題されたか。

廃ガスの持ち去る熱による損失です。令和3年度と令和4年度で正しい肢として出ています。

Q.

理論空気量はどう定義されているか。

燃料を完全燃焼させるために理論的に必要な最小の空気量です。

Q.

高発熱量と低発熱量の違いは何か。

燃焼ガスに含まれる水蒸気が凝縮したときの潜熱を含めるかどうかです。低発熱量は含みません。

Q.

燃焼に最も多く空気を必要とするのはどの燃料と出題されたか。

固体燃料です。令和3年度に正しい肢として出ています。

まとめ

  • 空気過剰率が大きいほどよいと書いた肢は誤り。
  • 平成28年度は(2)、令和元年度は(1)が公表正答。
  • 大きすぎると廃ガスの持ち去る熱で損失が増える。
  • 理論空気量は完全燃焼に必要な最小の空気量。
  • 理論燃焼ガス量は理論空気量で燃やしたときのガス量。
  • 高発熱量は水蒸気の潜熱を含み、低発熱量は含まない。
  • 最も多く空気を必要とするのは固体燃料。
  • 窒素酸化物は高温燃焼時のほうが多い。

出題の言い回しは年度によって変わります。個別の判断は最新の試験問題と公表正答を確認してください。

あわせて読む

この科目の過去問はどこにあるか

級ごとに分けています。1級 機械工学2級 機械工学を見てください。

参考資料

  • 1級管工事施工管理技術検定 学科試験 問題A【No.9】(平成28年度)及び同年度の公表正答肢(一般財団法人全国建設研修センター。試験問題/正答肢のページ)。公表正答は(2)です。
  • 同 学科試験 問題A【No.8】(令和元年度)及び同年度の公表正答肢。公表正答は(1)です。
  • 同 第一次検定 問題A【No.9】(令和3年度)及び同年度の公表正答肢。公表正答は(3)です。
  • 同 第一次検定 問題A【No.8】(令和4年度)及び同年度の公表正答肢。公表正答は(4)です。
  • ※ 空気過剰率、理論空気量、発熱量の語は、公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版には出てきません。法令にも定義はありません。本記事は、出題の肢が置いている定義と公表正答による整理です。
  • ※ 空気過剰率の適正な値を示す記述は、いずれの問題文にもありません。数値には踏み込んでいません。
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この記事を書いた人

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管工事施工管理技士の用語・過去問を、法令や公的な基準など一次資料にあたって整理しています。

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管工事施工管理技士の用語・条文・数値を、公表された過去問と一次資料にあたって整理しています。

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