管工事施工管理技士 独学ガイド

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黒体の熱放射は絶対温度の何乗か?熱と伝熱の読み分け

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伝熱の問題で、比例と反比例、何乗かが毎回入れ替わって見えます。

自然対流と強制対流の呼び分けも自信がありません。

この記事の要点

黒体の熱放射のエネルギーは、絶対温度の4乗に比例します。

熱伝導で移動する熱量は温度勾配に比例します。

密度差の浮力で流動が起きる熱移動を強制対流と呼ぶ肢は誤りでした。

比例と反比例、何乗かが肢ごとに入れ替えられています。

1級の問題Aで4年分を並べます。

熱と伝熱の正しい肢と誤りの肢を並べた図。1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A(令和5年度No.7・No.8、令和6年度No.9、令和7年度No.6)の記述と公表正答による。正しい肢として出た記述は、伝熱現象には熱伝導・対流及び熱放射があること、均質な固体壁内部において熱伝導により移動する熱量はその固体壁内部の温度勾配に比例すること、黒体の熱放射のエネルギーはその表面の絶対温度の4乗に比例すること、熱放射は電磁波で熱エネルギーが移動する現象でありその伝達には媒体の存在を必要とせず真空中でも生じること、対流熱伝達において熱伝達率は接する流体の流速や伝熱面の形状・寸法等によって変わること、比熱比とは定圧比熱を定容比熱で除した値で気体では常に1より大きいこと、カルノーサイクルは等温膨張・断熱膨張・等温圧縮・断熱圧縮の4つの過程からなること、湿り空気線図では除湿のない冷却は左へ、加湿のない加熱は右へ、液体吸収剤による除湿は右下へ移動すること。誤りとして出た記述は、固体壁両側の流体間の熱通過による熱移動量は固体壁の厚さの2乗に反比例するというもの、エントロピーは不可逆変化が生じると必ず減少するというもの、温度の不均一に基づく密度差で浮力が生じ流動が起こる場合の熱移動を強制対流熱伝達というというもの、蒸気スプレーによる加湿は状態点から湿り空気線図上の左上へ移動で示されるというもの。
左が正しい肢、右が誤りの肢。※公表正答で確定した記述を並べた図。

伝熱現象は何種類あるのか

3つです。

令和5年度 1級 第一次検定 問題A【No.8】(4)(1)(3)(いずれも正しい肢)

(4) 伝熱現象には、熱伝導、対流及び熱放射がある。

(1) 熱放射は、電磁波で熱エネルギーが移動する現象であり、その伝達には媒体の存在を必要とせず真空中でも生じる。

(3) 均質な固体内部において熱伝導により移動する熱量は、その固体内の温度勾配に比例する。

3つの名前が並んで書かれています。熱伝導、対流及び熱放射です。

熱放射だけ媒体が要りません。真空中でも生じるとされています。

黒体の熱放射は絶対温度の何乗に比例するのか

4乗です。

令和7年度 問題A【No.6】(2)(3)(1)(いずれも正しい肢)

(2) 黒体の熱放射のエネルギーは、その表面の絶対温度の4乗に比例する。

(3) 対流熱伝達において、熱伝達率は、接する流体の流速、伝熱面の形状・寸法等によって変わる。

(1) 均質な固体壁内部において熱伝導により移動する熱量は、その固体壁内部の温度勾配に比例する。

項目 関係
黒体の熱放射のエネルギー 絶対温度の4乗に比例
熱伝導で移動する熱量 温度勾配に比例

基準になるのは表面の温度です。その表面の絶対温度とされています。

熱伝達率は固定値ではありません。流速、伝熱面の形状・寸法等によって変わるとされています。

熱通過による熱移動量はどう出されたのか

2乗に反比例と書いた肢が誤りでした。

令和7年度 問題A【No.6】(4)(誤りの肢)

固体壁両側の流体間の熱通過による熱移動量は、固体壁の厚さの2乗に反比例する。

令和7年度の公表正答は(4)です。厚さの2乗に反比例という記述は誤りと確定します。

正しい関係は同じ年度の問題文にありません。誤りとして出された事実だけが確定します。

まちがえやすいポイント

同じ問題の中に「比例」と「反比例」が混ざっています。

令和7年度の(1)と(2)は比例の記述で正しい肢、(4)は反比例の記述で誤りの肢です。何に対して比例するのかを先に読み、そのあとで何乗かを見ます。

4乗が付くのは熱放射だけです。熱伝導は温度勾配に比例で、乗数は付きません。

自然対流と強制対流はどう呼び分けるのか

強制対流と書いた肢が誤りでした。

令和5年度 問題A【No.8】(2)(誤りの肢)

流体内において、温度の不均一に基づく密度差で浮力が生じ、流動が起こる場合の熱移動を強制対流熱伝達という。

令和5年度の公表正答は(2)です。この現象を強制対流熱伝達と呼ぶのは誤りと確定します。

説明の中身は問題文にそのまま書かれています。温度の不均一に基づく密度差で浮力が生じ、流動が起こる場合です。

比熱比とエントロピーはどう出されたのか

減少すると書いた肢が誤りでした。

令和5年度 問題A【No.7】(3)(誤りの肢)/(1)(2)(4)(いずれも正しい肢)

(3) エントロピーは、不可逆変化が生じると必ず減少する。

(1) 比熱比とは、定圧比熱を定容比熱で除した値で、気体では常に1より大きい。

(2) エンタルピーは、物質の持つエネルギーの状態量で、その物質の内部エネルギーに、外部への体積膨張仕事量を加えたもので表される。

(4) カルノーサイクルは、等温膨張、断熱膨張、等温圧縮、断熱圧縮の4つの過程からなる。

令和5年度の公表正答は(3)です。必ず減少するという記述は誤りと確定します。

比熱比の割り算の向きが書かれています。定圧比熱を定容比熱で除した値です。

湿り空気線図では状態点がどう動くのか

4つの向きが出題されました。

令和6年度 問題A【No.9】(1)(2)(4)(いずれも正しい肢)/(3)(誤りの肢)

(1) 除湿のない冷却は、状態点から湿り空気線図上の左へ、①の移動で示される。

(2) 加湿のない加熱は、状態点から湿り空気線図上の右へ、②の移動で示される。

(4) 液体吸収剤による除湿は、状態点から湿り空気線図上の右下へ、④の移動で示される。

(3) 蒸気スプレーによる加湿は、状態点から湿り空気線図上の左上へ、③の移動で示される。

令和6年度の公表正答は(3)です。蒸気スプレーによる加湿を左上とした記述は誤りと確定します。

冷却と加熱は横方向です。除湿のない冷却は左へ、加湿のない加熱は右へです。

コイルと加湿器の仕様はコイルと加湿器で扱っています。

理解度チェック

Q.

黒体の熱放射のエネルギーは絶対温度の何乗に比例するか。

4乗です。

Q.

伝熱現象の3つは。

熱伝導、対流及び熱放射です。

Q.

密度差の浮力で流動が起こる熱移動を強制対流というのは正しいか。

誤りです。令和5年度の公表正答はこの肢でした。

Q.

比熱比はどう計算するか。

定圧比熱を定容比熱で除した値です。気体では常に1より大きいとされています。

Q.

加湿のない加熱は湿り空気線図上でどちらに動くか。

右へ動きます。除湿のない冷却は左へです。

まとめ

  • 黒体の熱放射は絶対温度の4乗に比例
  • 熱伝導で移動する熱量は温度勾配に比例
  • 伝熱現象は熱伝導・対流・熱放射の3つ。
  • 熱放射は真空中でも生じる
  • 「熱通過による熱移動量は厚さの2乗に反比例」は誤り
  • 密度差の浮力による熱移動を強制対流と呼ぶ肢は誤り。
  • 比熱比は定圧比熱÷定容比熱で1より大きい。
  • 湿り空気線図で冷却は左、加熱は右へ動く。

出題の言い回しや図の向きは年度によって変わります。個別の判断は最新の試験問題と公表正答を確認してください。

あわせて読む

この科目の過去問はどこにあるか

級ごとに分けています。1級 機械工学2級 機械工学を見てください。

参考資料

  • 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A【No.7】【No.8】(令和5年度)、【No.9】(令和6年度)、【No.6】(令和7年度)及び各年度の公表正答肢(一般財団法人全国建設研修センター。試験問題/正答肢のページ)。公表正答は令和5年度No.7が(3)・No.8が(2)、令和6年度No.9が(3)、令和7年度No.6が(4)です。乗数の数値は、同PDFの当該ページを画像にして目視で確認しました。
  • ※ 熱通過による熱移動量が固体壁の厚さとどのような関係にあるかについては、この記事で扱った年度の問題文の中に正しい肢としての記述がありません。誤りとして出された事実だけを記載しています。
  • ※ 密度差の浮力による熱移動の正しい呼び方についても、正しい肢としての記述がありません。誤りとして出された事実だけを記載しています。
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この記事を書いた人

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管工事施工管理技士の用語・過去問を、法令や公的な基準など一次資料にあたって整理しています。

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管工事施工管理技士の用語・条文・数値を、公表された過去問と一次資料にあたって整理しています。

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