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排水槽の構造とは?勾配15分の1〜10分の1とマンホール60cm

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排水槽の勾配、10分の1だったか15分の1だったか毎回あやふやです。

どちらが上限でどちらが下限かも、すぐ抜けてしまいます。

この記事の要点

排水槽の構造は告示が5つ定めています。臭気、マンホール、吸込みピット、底の勾配、通気の5点です。

底の勾配は吸込みピットに向かって15分の1以上10分の1以下。下限と上限の両方が決まっています。

通気装置は直接外気に開放します。ほかの通気管につなぐ形は誤りとして出題されています。

排水槽は、告示が5つの要求をイからホまで並べています。

排水槽は「排水を一時的に滞留させるための槽」と条文が定義しています。

排水槽の構造について告示第1597号が定める5つの要求を並べた区分図。イは通気のための装置以外の部分から臭気が洩れない構造、ロは直径60cm以上の円が内接するマンホール、ハは底に吸込みピット、ニは底の勾配が吸込みピットに向かって15分の1以上10分の1以下、ホは通気のための装置を設け直接外気に衛生上有効に開放すること。
告示が定めるのはこの5つ。数値が入るのはロとニ。※要求事項を並べた図。

昭和50年建設省告示第1597号 第二 二(排水槽)

排水槽(排水を一時的に滞留させるための槽をいう。以下この号において同じ。)

イ 通気のための装置以外の部分から臭気が洩れない構造とすること。

ロ 内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる位置にマンホール(直径六十センチメートル以上の円が内接することができるものに限る。)を設けること。ただし、外部から内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる小規模な排水槽にあつては、この限りでない。

ハ 排水槽の底に吸い込みピットを設ける等保守点検がしやすい構造とすること。

ニ 排水槽の底の勾配は吸い込みピットに向かつて十五分の一以上十分の一以下とする等内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる構造とすること。

ホ 通気のための装置を設け、かつ、当該装置は、直接外気に衛生上有効に開放すること。

底の勾配はなぜ範囲で決まっているのか

告示は15分の1以上10分の1以下としています。

下限だけでなく上限も定められているのが特徴です。

区分
下限(これより緩くしない) 15分の1
上限(これより急にしない) 10分の1

向きは吸込みピットに向かって下がります。汚物をピットへ集める向きです。

分母が大きいほうが緩い勾配です。15分の1が下限で、10分の1が上限になります。

マンホールの大きさはどう書かれているのか

「直径六十センチメートル以上の円が内接することができるもの」という書き方です。

直径60cmの丸い穴、とは書いていません。角形でも、直径60cmの円が中に収まればよい形です。

ただし書きもあります。外部から内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる小規模な排水槽は、この限りではありません。

通気はどこへ開放するのか

告示ホは「直接外気に衛生上有効に開放すること」と定めています。

令和7年度1級では「排水槽の通気管は、単独で立ち上げ、最上階で伸頂通気管に接続して大気に開放する」とした肢が誤りとされました。

最後に大気へ出ていても、途中でほかの通気管につないだ時点で「直接」ではなくなります。

まちがえやすいポイント

引っかかりやすいのは、勾配の上限を忘れる点です。

「15分の1以上」とだけ覚えていると、10分の1より急な勾配を書いた肢を通してしまいます。急すぎてもいけないので、範囲は15分の1から10分の1までです。

もうひとつが通気です。単独で直接外気へと結びつけると、ほかの通気管に接続する肢を切れます。

排水用水中モーターポンプはどう選ぶのか

ここは告示に定めがないので、公表正答で確定しているものを並べます。

項目 正しい肢として出た記述
排出能力 排水槽の有効貯水量を10〜20分で排出する能力
区分 汚水用・雑排水用・汚物用。汚水用は固形物をほとんど含まない水を排水するもの

令和5年度1級で、どちらも正しい肢として出ています。

排水槽そのものの運用では、貯留時間が長くなるおそれがある場合に、一定時間の経過でタイマーによりポンプを起動させる制御を考慮します。

排水トラップの規定とはどう違うのか

同じ告示の第二にありますが、号が違います。

排水槽は第二号、排水トラップは第三号です。数値の入り方も違います。

トラップ側の封水の深さは排水トラップと封水深50〜100mmで扱っています。どちらも下限と上限の両方が決まっている点は共通です。

理解度チェック

Q.

排水槽の底の勾配は、どこへ向かっていくつからいくつか。

吸込みピットに向かって、15分の1以上10分の1以下です。上限も定められています。

Q.

排水槽のマンホールの大きさはどう定められているか。

直径60cm以上の円が内接することができるものです。小規模な排水槽で外部から保守点検ができる場合は除かれます。

Q.

排水槽の通気装置はどこへ開放するか。

直接外気に衛生上有効に開放します。伸頂通気管に接続してから大気へ出す形は誤りとして出題されています。

Q.

排水用水中モーターポンプの排出能力の目安は。

排水槽の有効貯水量を10〜20分で排出する能力です。令和5年度1級で正しい肢として出ています。

Q.

告示が排水槽について定めている項目を挙げよ。

臭気が洩れない構造、マンホール、吸込みピット、底の勾配、通気装置の5つです。第二 二のイからホまでにあたります。

まとめ

  • 告示が定めるのは5つ。臭気・マンホール・吸込みピット・勾配・通気。
  • 底の勾配は吸込みピットに向かって15分の1以上10分の1以下上限もある
  • マンホールは直径60cm以上の円が内接。小規模な排水槽は除かれる。
  • 通気装置は直接外気に開放する。ほかの通気管に接続する形は誤り。
  • 排水用水中モーターポンプは有効貯水量を10〜20分で排出する能力。汚水用は固形物をほとんど含まない水用。

実際の寸法や機器の選定は、設計図書と所轄行政庁の運用によります。個別の可否は所轄の建築主事・指定確認検査機関にご確認ください。

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この科目の過去問はどこにあるか

級ごとに分けています。1級 衛生設備2級 衛生設備を見てください。

参考資料

  • 昭和50年建設省告示第1597号「建築物に設ける飲料水の配管設備及び排水のための配管設備の構造方法を定める件」第二 二(PDF・国土交通省)。排水槽の定義、臭気、マンホール、吸込みピット、底の勾配、通気は同号によります。
  • 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第129条の2の4(e-Gov法令検索)。告示の根拠条です。
  • ※ 同告示の前文は根拠を「建築基準法施行令第129条の2の5第2項第6号及び第3項第5号」と表記していますが、現行の該当条は第129条の2の4です。本文は現行の条番号で書き、条文の引用は原文のまま載せています。
  • ※ 排水用水中モーターポンプの排出能力と区分、通気管の接続の判定は、一般財団法人 全国建設研修センターが公表した正答肢によります(令和5年度1級 第一次検定 問題A No.33、令和7年度1級 問題A No.33)。
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管工事施工管理技士の用語・過去問を、法令や公的な基準など一次資料にあたって整理しています。

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管工事施工管理技士の用語・条文・数値を、公表された過去問と一次資料にあたって整理しています。

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