管工事施工管理技士 独学ガイド

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合流式と分流式の違いは?雨水吐があるのは合流式

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合流式と分流式は名前で分かるのですが、条文でどう違うのかが分かりません。

下水道の区分も、どれが終末処理場を持つのか混ざります。

この記事の要点

条文が合流式にだけ置いているのが雨水吐です。雨天時に下水の一部を放流します。

放流するからこそ、合流式には雨天時の放流水の水質基準があります。

分流式に流入させる排水設備は汚水と雨水とを分離して排除する構造にします。

雨水吐があるのは合流式です。

条文が名指ししているところを並べます。

合流式と分流式の違いを条文で並べた図。下水道法施行令第5条の4の雨水吐は、合流式の公共下水道又は流域下水道の排水施設で、雨水の影響が大きい時に下水の一部を公共の水域又は海域に放流するもので、きよう雑物の流出を最少限度にするスクリーン等の措置を講じる。令第6条第2項により、合流式の雨天時の放流水は、各吐口からの放流水に含まれる生物化学的酸素要求量で表示した汚濁負荷量の総量を放流水の総量で除した数値が1Lにつき5日間に40mg以下。分流式は令第8条第四号により、分流式の公共下水道に下水を流入させるために設ける排水設備を汚水と雨水とを分離して排除する構造とする。分流式に雨水吐と雨天時の水質基準は無い。下水道法第2条により、公共下水道は地方公共団体が管理、流域下水道は二以上の市町村の区域における下水を排除し終末処理場を有するもの、都市下水路は公共下水道及び流域下水道を除く下水道。令和7年度2級前期では流域下水道は終末処理場を持たないとした肢が誤りとされた。
条文が「合流式の」と名指ししている。※条文の要件を並べた図。

雨水吐とはどんな施設か

令第5条の4が括弧書きで定義しています。

下水道法施行令 第5条の4(雨水吐の構造の技術上の基準)

雨水吐(合流式の公共下水道又は流域下水道の排水施設(これを補完する施設を含む。中略)で雨水の影響が大きい時に下水の一部を河川その他の公共の水域又は海域に放流するものをいう。以下同じ。)の構造の技術上の基準は、次のとおりとする。

二 雨水吐からのきよう雑物の流出を最少限度のものとするように、スクリーンの設置その他の措置が講ぜられていること。

定義の頭が合流式のです。分流式には出てきません。

働きは雨水の影響が大きい時に下水の一部を放流することです。処理施設を経ないまま公共の水域へ出ることになります。

合流式にだけある水質の基準は何か

令第6条第2項が雨天時の放流水を扱っています。

下水道法施行令 第6条第2項(抜粋)

前項に定めるもののほか、合流式の公共下水道(中略)からの放流水の水質についての法第八条に規定する政令で定める技術上の基準は、国土交通省令・環境省令で定める降雨による雨水の影響が大きい時において、(中略)各吐口からの放流水に含まれる生物化学的酸素要求量で表示した汚濁負荷量の総量を、当該各吐口からの放流水の総量で除した数値が、一リットルにつき五日間に四十ミリグラム以下であることとする。

数値は1リットルにつき5日間に40ミリグラム以下です。第1項の常時の基準とは別に置かれています。

ここでも主語は合流式の公共下水道です。分流式にこの項は当たりません。

まちがえやすいポイント

ねらわれるのは下水道の区分と終末処理場の関係です。

令和7年度2級(前期)では「流域下水道は、終末処理場を持たない」とした肢が誤りとされました。法第2条第四号イは終末処理場を有するものと定めています。

同じ問では分流式は汚水と雨水を別々の管路系統とする方式とした肢が正しいものとして出ています。

分流式では何が求められるのか

令第8条第四号が構造そのものを求めています。

下水道法施行令 第8条第四号

四 分流式の公共下水道に下水を流入させるために設ける排水設備は、汚水と雨水とを分離して排除する構造とすること。

求められるのは汚水と雨水とを分離して排除する構造です。建物側の排水設備にかかります。

排水設備の基準の全体は排水設備の技術上の基準で扱っています。

下水道はどの区分に分かれるのか

法第2条が三号から五号で分けています。

区分 終末処理場との関係
公共下水道
(第三号イ)
終末処理場を有するもの又は流域下水道に接続するもの
流域下水道
(第四号イ)
二以上の市町村の区域における下水を排除するものであり、かつ、終末処理場を有するもの
都市下水路
(第五号)
公共下水道及び流域下水道を除く下水道で、政令で定める規模以上のもの。終末処理場の要件はなし

流域下水道は終末処理場を有するものです。持たないと書かれていたら誤りになります。

終末処理場そのものは第六号で定義されています。下水を最終的に処理して公共の水域又は海域に放流するための処理施設です。

合流式では未処理のまま出ることがあるのか

雨水吐の定義がそう書いています。

令第5条の4は雨水の影響が大きい時に下水の一部を放流するものを雨水吐と呼んでいます。

令和7年度1級では、合流式の下水道では降雨の規模によっては処理施設を経ない下水が公共用水域に放流されることがあるとした肢が、正しいものとして出題されました。

だからこそ令第6条第2項で雨天時の水質に線を引いています。放流を前提にした上での歯止めという組み立てです。

理解度チェック

Q.

雨水吐があるのは合流式と分流式のどちらか。

合流式です。令第5条の4の定義が「合流式の公共下水道又は流域下水道の排水施設」と書いています。

Q.

合流式の雨天時の放流水の基準はいくつか。

生物化学的酸素要求量で表示した汚濁負荷量の総量を放流水の総量で除した数値が、1リットルにつき5日間に40ミリグラム以下です。

Q.

分流式に流入させる排水設備の構造は。

汚水と雨水とを分離して排除する構造です。令第8条第四号によります。

Q.

流域下水道は終末処理場を持つか。

持ちます。法第2条第四号イが終末処理場を有するものと定めています。

Q.

雨水吐にはどんな措置が要るか。

きよう雑物の流出を最少限度のものとするように、スクリーンの設置その他の措置です。

まとめ

  • 雨水吐は合流式の排水施設。雨水の影響が大きい時に下水の一部を放流する(令第5条の4)。
  • 合流式の雨天時の放流水は1リットルにつき5日間に40ミリグラム以下(令第6条第2項)。
  • 分流式に流入させる排水設備は汚水と雨水とを分離して排除する構造(令第8条第四号)。
  • 公共下水道は地方公共団体が管理する下水道(法第2条第三号)。
  • 流域下水道は二以上の市町村の下水を排除し、終末処理場を有するもの(同第四号イ)。
  • 都市下水路は公共下水道及び流域下水道を除く下水道で、政令で定める規模以上のもの(同第五号)。
  • 合流式では処理施設を経ない下水が放流されることがあるのが前提になっている。

どちらの方式かは地域の下水道整備の経緯によって変わります。個別の判断は所管の下水道担当部署にご確認ください。

あわせて読む

この科目の過去問はどこにあるか

級ごとに分けています。1級 衛生設備2級 衛生設備を見てください。

参考資料

  • 下水道法(昭和33年法律第79号)第2条第三号〜第六号(e-Gov法令検索)。公共下水道・流域下水道・都市下水路の区分と、終末処理場を有するかどうかは同条によります。
  • 下水道法施行令(昭和34年政令第147号)第5条の4・第6条第2項・第8条第四号(e-Gov法令検索)。雨水吐の定義とスクリーン等の措置、合流式の雨天時の放流水の水質、分流式に流入させる排水設備の構造は同令によります。
  • ※ 誤りとされた肢と正しいとされた肢は、一般財団法人 全国建設研修センターが公表した正答肢によります(令和7年度2級 第一次検定(前期)No.16 正答=2、令和7年度1級 第一次検定 問題A No.27 正答=4)。肢の文言は問題PDFを画像にして目視で確認しました。
  • ※ 管きょの流速や勾配の考え方は下水道施設の計画・設計の指針によるもので、この記事では扱っていません。
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この記事を書いた人

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管工事施工管理技士の用語・過去問を、法令や公的な基準など一次資料にあたって整理しています。

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管工事施工管理技士の用語・条文・数値を、公表された過去問と一次資料にあたって整理しています。

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